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うちの職場には超能力者がいる  作者: 卯月の猫
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階級嫌いの超能力者

採用試験で見事採用された伊月は次々と仕事をこなしていく。しかし、鈴木はそれをよく思っていないようで-。

「鈴木さん、これやってくれませんか?」

「伊月、お前はいつから俺に命令できるほど偉くなったんだ?」

「覚えてないんですか?昨日私社長になったじゃないですか」

言いながら証であるネームと名刺を見せてきた。

「う...嘘だろ...?」

一週間もしないうちに異例中の異例なスピード出世を果たし、一年目で入社してきた新入生はうちの会社の社長になっていた-。

「っかはぁっ!?!」

-夢を見た。

しかし、ありえないことではないのが現実の辛いところ。

面接を終えてうちの会社に無事に入社をしたのが先週。

そして今週には通常業務などをすべて覚えてしまった。普通なら3週間くらいかけてじっくり学んでいくのがうちのセオリーのようなところなんだが、伊月はたった一週間ですべて完璧に覚えてしまった。

下手をすれば-。

「俺すらも超える...?」

悪寒がした。

ありえないことではない。

一ヶ月もしないうちに俺が積み上げてきたものを全てかっさらわれてしまうような気がした。

こみ上げてくる恐怖感を抑えながら俺は会社へと出勤した。

するとすぐに俺にとってのすべての現況が目の前に現れた。

「....。」

伊月は黙って俺の顔をのぞきこんでくる。反射的に顔を伏せてしまうが

「なんだよ」

平静を保ちならが尋ねた。すると伊月は-。

「私はそんなことしませんよ」

言葉の真意が掴めずにいた。

なんの脈絡もなしにいきなりああ言ったのだ。何かしらの意味はあるとは思うが、いまはわからない。

そういうことに割く思考の余裕すらなくなっていた。

だが、すぐにわかった。

俺の考えは、読まれていた。

伊月は超能力者。

作業の時以外の時間は、力の使用を禁じているようで、普段は使うことはまずないと言ってはいたが。

「テレパシーってやつか...?」

思考を読まれた上での発言だとしたらこうなる。

『私は先輩の上に立ってこき使うようなことはしませんよ。』

「なんだよ...俺が勝手に思い込んでただけじゃないか。」

これからはもう少し、伊月に優しく接してみよう。

そう思うことが出来た日だった。

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