遺跡探索
投稿、遅くなって申し訳ございません。
前回の投稿分の最後の部分、修正してあります。
開けた場所には崩れた遺跡の柱が並んでいて、中央の建物は“神殿らしき物”から“白い石造りの小さな建物”に変更しました。文章も少々変更してあります。
上部は崩れ落ち、瓦礫と化してしまった柱は一部風化してはいるものの、立派な細工が施された物だった。
「何かの宗教施設の跡でしょうか?」
「おそらく、そうだろうな。何かの祭事を行う場所だったのだろう」
私の問いにクロード先生が答えてくれた。
「今まで発見することが出来なかった聖なる樹が・・・。早速、砦に報告だ!」
「聖なる樹があるのなら、今日はここで野営をして辺りを調べるか・・・」
レオンハルトさんが魔道具の通信機――鳥の形をした道具――を取り出すと、それに魔力を込め始めた。
魔力が溜まっていくにつれ、魔道具は羽を広げ、飛び立てる(?)状態へと変化していった。
レオンハルトさんが道具に話しかけると、目(?)にはめられた魔石がチカチカと点滅し、道具を上へと放り投げると、すごい勢いで砦が有るであろう方向へと飛んで行った。
あの勢いならワシとか鷹のような鳥に襲われることは無いだろう。
ふと気付くと、私達をここへ案内してくれた鳥達は消えていた。
「あの鳥・・・、何だったんでしょうね・・・」
「伝説通り、女神の使いだったのかな・・・?」
今は、深く考えないようにして、とりあえず中央の小さな建物へと向う。
建物の大きさは、例えるなら、SUV車2台が入るぐらいの車庫だろうか。
外観は神殿を模しているようで、植物の葉のレリーフで装飾されていた。
不思議なことに、周囲の柱は崩れているのに、この建物は何処も崩れておらず、ここだけ時間が止まっているようだった。
「三人にはこの建物の調査をお願いする。俺達は、この広場の周囲を食料調達も兼ねて調べてくる。まぁ、獲物にはあまり期待はしていないがな」
と、言い残して、レオンハルトさんは三人の兵士さんを連れて森の中へと消えていった。
残った二人の兵士さんは、私達が建物を調べている間、念の為周囲を警戒するのと、野営の準備をするそうだ。
一応、もしもの時のために野営用のテントや携帯食などは持って来ているので特に不安は無い。
なんたって、聖なる樹の側だからね。
レオンハルトさんは、戦う相手がいなくて暴れ足りなかったのだろう。と、ベルさんが言っていた。
建物の入口は、金属の扉で出来ていた。
取っ手らしきものは無く、その代わり、アラベスク模様の装飾が施されたいた。よく見ると、小さな魔石を模様に沿ってはめ込んでいる。
「多分、こうかな・・・?」
クロード先生が模様に手を当てて、魔力を流し込んでいく。
しばらくすると模様が光だし、扉が横へと開いていった。
「魔力の消費が結構あるな・・・。ある程度の魔力量の持ち主ではないと開かない様になっているのか・・・」
建物の中は、予想通り薄暗かった。
明り取りの小さな窓はあるが、そこにはめられているのは透明度の低いガラスのブロック。
用意していたランプに明かりを灯すと、中が意外に広いことが分かった。
壁には蜀代が付けられていて、小さくなったろうそくが残っていた。
明り取りの窓とは別に、小さな窓があり、こちらは多分、空気を入れ替えるためだろう。
建物の奥には、女神の像と祭壇らしき台があった。
「礼拝堂のようなものなのだろうか・・・?それにしては規模が小さいような・・・?」
「人里から離れた場所にあって、年に数回程度しか使用されなかったとか・・・。ところで、建物自体もそうですが、中もずいぶんとキレイですね。短く見積もっても100年は人の手が入っていないはずなのに、何処も痛んでいない上に、埃っぽくもなく、空気も淀んでない・・・」
私やクロード先生よりもこの森のことに詳しいであろうベルさんが疑問に思うのも最もだろう。
それほどこの建物の中はキレイなのだ。
掃除のプロがお掃除した様に。
「祭壇に何か貼られているようですが・・・。もしかして、魔方陣ですか!?この建物を保存するための!?」
祭壇には、何かの模様が描かれた紙らしきものが貼られていた。
「確かに、魔方陣だと考えると納得がいきますね。ですが、100年単位で効果のあるものなのでしょうか?」
「そうなんですよね。効果を持続させるためには、定期的に魔力を補充しなければいけない・・・。魔石をしようすることも可能ですが、そうなると、大きさに問題が・・・。先ずは、どの様な魔方陣か確認しましょう」
魔方陣は魔道具などに使われているから馴染みはあるんだけど、まだ私にはよく解らない。
何て言えばいいのか・・・、精密機器の内部?基盤?
とにかく、専門的な知識が無い私には所々に見られる文字から、使用している属性が解る程度。
魔方陣について詳しく教えてもらうよう、クロード先生にお願いせねば。
「おお・・・!!これは・・・!!」
今後の学習計画を思案していると、クロード先生の驚く声が聞こえてきた。
「古代魔法文字・・・・・・」
クロード先生が驚くのも当然だ。自分が研究している物が目の前にあるのだから。
私も興味があるので、先生達の元に近付き、魔方陣の描かれている紙を見ると・・・。
なんとなくは予想していたんだけどね・・・・・・。まさか、良い方に予想が裏切られるとは・・・・・・。
そこに書かれていたのは、間違いなく“漢字”。日本語と言ったほうがいいのか?仮名らしきものも見える。
以前、先生が説明してくれたことを思いだす。
“文字を簡略化したため、効力が落ち、それを補うための文字が出来た”
例えば、木と樹。魔法言語では同じ文字で表されている。
木は4画しか無いんだからそのままの形で残しておけばいいのに、デザイン上の問題なのか?絵と文字の中間のような形に変わっていた。
読みも意味も同じだからなのか、同じ文字になってしまっているが、“樹”は“木”よりも立派なイメージがある。
【聖なる樹】と【聖なる木】は別物と感じるくらい、字の持つイメージって偉大だと思う。
文字の複雑かも知れないけれど、一文字で意味が通じることもあって便利だと思うのは、慣れ親しんでいる“前世”日本人だからかな。
で、その魔方陣――漢字で書かれているためか、私にはお札にしか見えなくなってしまった――には、中央に“状態保存”と大きな字で書かれていて、その周りを取り囲む様に小さな字で“範囲 この建物と内部の設備、道具類”とか“空気清浄”とか“老朽化停止”とか細かな条件が書かれていた。
「この紙は、特殊な紙のようだな・・・。文字を書いている筆記具もペンとは違うようだし・・・」
多分、和紙と筆だと思います。
「この状態が維持されているのは、聖なる樹が横にある所為なのでは?聖なる力がこの建物に影響して、この魔方陣に常に魔力を供給している状態になっているのでは?」
魔法文字に夢中になっている先生にベルさんが推測を述べた。
「聖なる樹自体、よく解っていないですからね、その可能性は有るでしょう・・・。この建物に他に仕掛けとか無いか調べてみましょう」
クロード先生の提案に、ヒルダ姉さんに以前、遺跡調査で教わった魔法を使うことにした。
探索魔法の一つで、落とし穴の罠や隠し通路、隠し部屋などの空間を探し出す魔法。
「先生!この建物の地下に部屋らしき物が・・・。入口は・・・、その祭壇の辺りです」
予想通りの結果だった。
今年中にあと1話投稿したいとは思っていますが、なかなか時間が取れず・・・。
がんばります。




