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職業は冒険者を希望です  作者: 瑛美(あきみ)


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魔術研究所

更新、遅くなってすみません。


 魔術研究所には、学園の馬車で行くことになっていた。

 待ち合わせ場所である魔術師棟の前に行くと、濃紺のローブ姿のクロード先生が待っていた。


 普段はスタンドカラーのシャツに魔石のループタイ、実技の授業の時はマントを着けているので、ローブ姿の先生は入学式以来。初めて見た時は、「ゲームの世界の魔術師だ・・・」なんて、感動したっけ。

 だって、冒険者やっている魔法使いはローブなんて着ないから。


「え?だって、動きにくいでしょ。アレって、式典とか儀式とかの正装だから。あの格好にこだわりがある人も中にはいるけど」

と、以前、魔法使いの誰かが教えてくれた。 


「ああ・・・、この服か。これは、魔術研究所、王宮魔術師の制服だ」

 馬車に乗り込んでからも、先生の服装を凝視している私の視線に気付いた先生が説明してくれた。

 そういえば、学園の魔法講師は魔術研究所の所属だった。


「学園の講師のお仕事って大変じゃないですか?」

「見習い研究員を指導するよりは楽ではあるな。学生達はまだ素直な分、覚えも早い」

 見習い研究員とは、研究所に入所したばかりの人達で、学園の卒業生以外の人達もいるそうだ。

「あ~、なんとなく分かります・・・・・・」

 ヒルダ姉さんが愚痴ってたっけ・・・。学生の研修生は素直に指示に従うけど、転職してきた人の中には雑用を頼むとあからさまに嫌な顔をする人がいるって。それと同じ事なんだろうな。まぁ、そういった人はすぐに辞めていくらしい。冒険者ギルドの仕事ってハードだからね。


「研究所って事は、先生も何か研究をしている訳ですよね。学園で勤務していて不便なこととか無いんですか?」

 魔術師棟の部屋は、研究所と同等の設備のため、研究自体に大した支障は無いそうだ。

「まぁ、必要な資料がすぐに手にすることが出来ない不便さはあるが、余計な人付き合いがない分こちらの方が気が楽だ」

 先生が苦笑しながら答えるあたり、色々と余計な付き合いがあったんでしょう。深く聞かないことにしよう。

 

 その後は、先生が研究している内容について教えてもらった。

 先生は、古代魔法を研究しているそうだ。

「近年の魔法は、古代魔法を簡素化することで洗練されたものが大半だが、中には簡素化したために逆に複雑になってしまったものもある」

 それは“魔法文字”だそうだ。

 “魔法文字”は魔道具などに呪文を刻むための絵文字のようなものだ。

 初めて見た時に懐かしい感じがしたんだけど、前世の記憶が戻って改めて見た時は、小学生の国語の時間に教科書で見た漢字の成り立ちを思い出した。だから懐かしい感じがしたし、なんとなく文字が理解できた訳だ。


「元々は複雑な形だったのだが間違えてしまうことが多く、簡略化したのだが、その分文字に宿る効力が落ちてしまったのだ。それを補うために補助的な文字がつくられ、“魔法言語”といった独特の文法を持つ言語が生まれてしまったのだ」


 魔法について話していたら、いつの間にか目的地、王宮の敷地内の魔術研究所に到着した。

 私達を出迎えてくれたのは、クロード先生と同じ濃紺のローブを着たキャリアウーマン風美人の魔術師で、名前はマリアベルさん。

 今回の私の試験の担当をして下さるそうだ。

「ベルって呼んでね」

と、親しみやすい人だった。 


 ベルさんに案内され、応接室のような部屋に通された。

 そこには軽食が用意されていて、

「馬車での移動、お疲れでしょう。食事を取ってゆっくりしていてください。その後、研究所内を案内します」

と、言ってベルさんは部屋から出て行った。


 食事を取りながら先生に研究所について尋ねた。

 研究所は、王宮の敷地内の第2~第4エリアに施設があるそうで、私達のいるこの建物は第3エリアにある施設だそう。

 

 王宮の敷地は、第1~第5エリアに区分されていて、第5エリアは所定の手続きをすれば一般人でも入城できる区画。式典広場や動植物園がある。

 第4エリアは通称“社交エリア”と言われていて、貴族や王室御用達の商人・職人・芸術家の立ち入りが許可されている区画。この区画が一番広いそうで、夜会などが開かれる大広間がある建物のほか、警備の兵士の詰所、兵士達の訓練場、魔術研究所が管理している薬草園などがある。

 第2・第3エリアは魔術研究所、王国軍本部、国政に関わる施設があるため、基本、関係者以外立ち入り禁止である。

 特に第2エリアは、王族のプライベートエリアである第1エリアに隣接していることもあって、立ち入ることが出来る人は限られるそう。


「魔術研究所では第2エリアは重要な研究を行う研究施設となっているため、そこに研究室を持っている研究員か上級魔術師しか立ち入ることは出来ない。この第3エリアが魔術研究所の中心施設ではあるが、見習い研究員は立ち入りを許されていない」

 見習い期間が終了するまでは、第4エリアの薬草園の手入れや研修らしい。

 見習い期間は人それぞれで、1ヵ月で終了する人もいれば半年近くかかる人もいるらしい。何故?

「研修に行儀作法もあるからだろう。施設が王宮の敷地内にあるから必要だ」

 それを考えると、学園の卒業生は有利だな。



 一時間ほど休憩したあと、ベルさんの案内で第3エリアの研究所の建物を見学した。

 魔道具開発の部署や、薬品開発の部署などを見学させてもらった。

 一番感動したのは、資料室。

 魔法に関するあらゆる文献が収められている。


「中級魔術師になって、許可証を発行してもらえば研究所所属でなくても資料の閲覧は可能ですよ」

「はい。その時はお願いします」

 ベルさんの言葉に、即答してしまった。


 広い資料室を探索していたら、いつの間にか夕食の時間となっていた。


 夕食時にもう一人の試験担当の人を紹介された。

 名前はレオンハルトさん。

 長身で、ガッシリとした体格で、赤茶色のあごひげがワイルドな男性だ。

 ローブを着ていなければ魔術師だとは分からないだろう。


「試験は、王宮ここから“少し”離れた場所にある森で行う。移動に時間がかかるので、早朝の出発になるので、今夜は早めに休んでくれ」

 レオンハルトさんの言葉に、

「え?“少し”?アレが“少し”なの?」

と、ベルさんが何か言いたげだったけど、

「俺達がいるとゆっくり食事できないだろうから」

と、レオンハルトさんはベルさんを連れ出すように部屋から出て行った。


 

 研究施設の中には、宿泊施設まであった。

 食事のあと、研究所専属のメイドさんが部屋まで案内してくれた。

 なんでも、地方にある魔術研究所の施設の研究員が王宮ここの施設に訪れた時に泊まれるようにとの事らしい。

 フカフカのシングルベッドとテーブルと椅子が置いてあるだけの、あまり広くは無い部屋だが、浴室とトイレもあるので十分だと思う。


メイドさんが準備してくれた、ハーブ入りの湯船につかりながら明日からの試験について考える。

 実際に魔物を倒すところを見て判断すると言っていたけど・・・。


とりあえず、今日は早めに寝ることにした。

  

 

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