魔術講義~魔法使いと魔術師~
この世界の設定の説明回です。
魔法の使用で収入を得るためには、まず“魔法使い”として登録する必要がある。
役所、または冒険者ギルドの窓口で申請書類に記入後、魔力量の測定と簡単な能力確認があり、その後、“魔法使用に関する法律”の講習を受け、講習内容の確認試験に合格すると“魔法使い”として登録され、活動することが出来るようになる。
“魔法使い”とは区別して、“魔術師”と呼ばれる人達がいる。
“魔術師”になるためには、“魔法使い”の登録で必要となる検査や試験のほかに、一般教養の“数学”と“共通語”の試験が行われる。
この試験に合格すると、“魔術師下級(見習い)”として登録される。
先輩との対決後、初の魔術講義の時間。
今回の講義内容は『“魔法使い”と魔術師”』だ。
何故、この内容になったかと言うと・・・。
「アイリス。君に魔術研究所から“魔術師昇格試験”を受けるようにと通達が来ている」
クロード先生の言葉に思わず、
「は?」
と、聞き返してしまった。
先生に対してこの返事はマズイと気付き、慌てて訂正しようとアタフタしている私を気にすることなく、先生は言葉を続けた。
「先日の2年生との対決で見せた魔法を研究所に報告したところ、『直接、その魔法を見てみたい。ついでだから、昇格試験も同時に』と、なった訳だ」
学園の講師陣は魔術研究所に所属していることもあって、生徒が使用した魔法に関して時々研究所に報告しているそうだ。
「その前に、私“魔法使い”ではありますけれど、“魔術師”ではないはずですが・・・」
冒険者として登録する時、同時に“魔法使い”として登録したけれど、魔術師に関しては記憶にない。
「ああ、そのことか。“魔術師”として登録される方法は知っているか?」
「はい・・・。一応・・・」
で、冒頭の説明が私が知っている内容だ。
「学園では、1年の3学期に“魔法使用に関する法律”の授業と試験が行われ、合格した者が2年に進学できる事になっている」
「え~と・・・、進学できない人っているんですか?」
「滅多にはいないがな・・・」
先生が苦笑していた。
「実技が一定以上の能力のある者は“魔法使い”として登録される。2年の魔法の上級クラスは“魔法使い”として進級時に登録済みだ。実技テストの結果次第で随時登録するようになっている」
学園長と理事長が登録の権限を持っているとのことで、役所などの窓口に出向く必要が無いそうだ。
「無事、3年に進学できれば、“魔術師下級”として登録されることになっている。まぁ、何人かはここで脱落してしまうがな・・・」
学園では普通に“魔術師下級”の試験を受ける時よりも合格基準を高めに設定しているそうだ。
貴族の子息達が通うこの学園。当然、学園の卒業生達の多くは王宮で働くことになる。
働くためには採用試験を受ける必要がある。
親のコネは存在するらしいが、大した威力はないらしい。第一希望の部署の試験を優先的に受けられたりするらしいが、合格するとは限らない。
王宮魔術師の試験を受験するためには“魔術師中級〈二つ星〉”以上でなければならないのだ。
魔術師の階級は下級〈一つ星〉、中級〈二つ星から四つ星〉、上級〈五つ星〉と、大きく分けられ、星の色によってさらに細かく分けられるらしい。
ちなみに“下級”だと、魔術研究所での雑用としてしか王宮では勤められないそうだ。
それに“下級”は2年以内に中級に昇格しなければ、“魔術師”としての資格がなくなってしまう。
資格失効後半年は“下級”試験を受けることができないため、“魔術師”であることを条件とする王宮勤務は出来ないことになる。
なので、学園では中級昇格が卒業のための条件となっている。
昇格試験は、専門的な知識であったり技の精度が必要なため、そう簡単には合格しないらしい。
「・・・学園のシステムは理解できたかな?」
「はぁ・・・、何とか・・・」
真面目にやっていれば、3年進学時に“魔術師下級”に、卒業時には“魔術師中級〈二つ星〉”となることが出来るらしい。
「で、アイリス、君の場合だが、君はすでに“魔法使い”として登録済み、且つ、数学も共通語も十分な成績なので、【“魔術師下級”として登録可能である】と会議で判断された」
「あ~、だから、昇格試験って話になったんですね。え?じゃあ、もし中級に合格したら卒業出来るってことですか?」
中級合格が卒業条件なら可能よね?
「いや、それは無い!」
私の甘い考えは、先生にバッサリと切られてしまった。
さっさと卒業して、冒険者生活だー!!と考えたのに・・・。
「中級合格は卒業条件の一つだ。他の教科の単位の取得があることを忘れないように・・・」
「はい・・・」
他の教科の単位もさっさと取得すれば可能なのかな・・・?
「何を考えているか、大体の予想はつくが、普通に進級してもらうぞ。2年生では、他の生徒とは別に君には特別講義を予定している。例えば、魔道具の製作に必要な『魔法言語』や『魔方陣構築法』など・・・」
「はい。がんばります」
魔道具製作って興味があったのよね~。それを学べるのなら進級も悪くは無いかも。
「で、試験日程なんだが、今週末から一週間の予定だから、そのつもりで準備をしておくように」
って、急じゃないですか?
なかなか更新出来ずにすみません。
更新を優先したので、誤字等あるかもしれません・・・。
体力・時間等に余裕が出来たときに訂正します。




