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職業は冒険者を希望です  作者: 瑛美(あきみ)


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昼休み

やっと更新出来ました。

 勝負の決着がついたところで午前の授業終了のベルが鳴った。

 先生達の指示の元解散となり、多くの生徒達が昼食を取るために食堂に向って行った。


 今日のお昼は何処で食べよう・・・・・・。


 いつもなら保健室なのだが、先ほどヒューゴ先輩が運ばれて行ったばかりだ。

 先輩を運んで行った先生がエレーナ先生に事情を説明しているだろうから、事細かに聞きだされるのも面倒だし・・・。

 ・・・・・・今日は保健室に行くのを止めよう。


 ウィルさんの図書室が思い付いたけど、急に行っても迷惑だろうし・・・・・・。


 仕方がないので、今日のところは教室で食べることにした。


 昼休みの教室での飲食は、特に禁止されているわけではない。

 多くの生徒が食堂を利用するので、教室で食べる人は滅多にいないだけ。

 普段から、教室で食べてもいいんだけどね、食事から戻って来た王子達と会話をしなければならなくなっちゃうから、避けていたんだよね。

 だけど、今日は仕方が無いか・・・。


「あれ?アイリス・・・?どうして教室ここに・・・?保健室じゃなかったの?」

「え~と・・・、今日は行き辛くって・・・。カーティスこそ・・・・・・」

 王子達と一緒じゃないの?

「今日は一人で、静かな場所で食べたいと思って・・・」

 

「・・・一緒に食べてもいいかな?」

 しばらくの沈黙の後、カーティスが尋ねてきた。

「ええ。お昼はそれだけ?」

 カーティスが手に持っていたのは、食堂からテイクアウトできるサンドイッチのランチボックス。男子には少ないんじゃないかな?

「うん。あまり食欲が無くって・・・」

 笑顔で答えているが、疲れているようだ。

「よかったら、これどうぞ」

 エレーナ先生にあげる予定だったお弁当を渡す。

 保健室で食事をさせてもらうお礼として、ついでに作っているものだからおかずだけで量も多くないし、あげても問題は無い。まぁ、後で少し文句を言われるかもしれないけれど・・・。

「・・・いいの?ありがとう・・・」


 ライアン商会での出来事以来、カーティスとまともに話すことが無かったので、思い切って私から話を切り出すことにした。無言で食事をするのに耐え切れなかったのもある。


「あのさ、先日の事なんだけど・・・。見苦しい姿を見せてしまって、ごめんなさい」

「・・・見苦しい・・・?」

 カーティスが怪訝な表情で聞き返してきた。

「ライアン商会で、八つ当たりした上に泣いてしまったこと」

「いや・・・、あれは見苦しくなんかないよ・・・・・・」

 最後は小声になったので、聞き取ることは出来なかった。


「言い訳をさせてもらうと、数ヶ月で身に付けた程度のマナーで貴方達三人と親しく接していいのかと考えて、失礼にならない程度に接しようと思っていたの。あと、アーサー様を慕う人達からの嫌がらせを避けるためにも少し距離を置いて接したほうがよいかなぁ、とも。だけど、自分が想像していた以上の出来事が短い期間で色々と起こったものだから、試験休みの間に気持ちを落ち着けて、これから学園でどう過ごしていけばいいのかを考えたかったんだけど・・・・・・」


 三人、特に王子と親しくなることで起こり得る面倒事を回避するために、出来るだけ距離をおきたかったのだけど、魔力と成績の所為で彼らが私に興味を持ってしまったんだよね。


「・・・・・・ごめん。アイリスの気持ちも考えずに、休暇を邪魔するようなことをしてしまって・・・。クリフを通してアイリスの考えを聞いておけば良かったと、反省している・・・」

「私も、必要以上に避けすぎたとは思っている」

 童話のように、王子様キャラって逃げると追いかけたくなるのかな? 


「よく考えてみれば、アイリスの言っていることは当然だよね。実力で同じクラスになったのに言掛りをつけてくる人達がいるぐらいだから。アーサーは、そんな人達から君を守る気ではいるけれど、逆効果な場合もあるようだし・・・・・・。ジェイクの件がいい例だよね。アーサーの不用意な発言が無ければ、アイツもアイリスに勝負を申し込もうなんて思わなかっただろうし・・・」

「あ~~。そんな気はしていた」

 勝負後のジェイクの発言から、パッと出の私が友人である王子に認められた事が悔しかったらしい。


「アーサーが何て言ったか知っているの?」

「ライバル認定?そんな内容だったよね。それも、試験の結果を見に来ていた大勢の前で言ったんでしょ。どうして、そんな場所で言うのかな・・・?おかげで、色々と誤解されているようだし・・・」

 男女、学年問わず睨まれる結果になっている。


「アイリス、あの場にはいなかったよね?」

 なのに、何故知っているのか?と、そんな表情で聞いてきた。


「ああ、ジーク・・・先輩が教えてくれた」

 学園内では、先輩と呼ぶことにしているんだった。

「ジークさんと仲がいいんだね・・・。試験休み中にも会う約束をしていたようだし・・・」

「ああ。アレはジーク先輩が冒険者として活動するためのお手伝い。私の方が先輩より薬草に関しては詳しいから。それに、学園では今回のようなことが無い限り、会うことはないよ」

 それは、冒険者のアイリだと正体がバレた時に約束していた。

 用事があるときは、エレーナ先生に伝言することになっている。


「私も卒業したら冒険者になる予定だから、冒険者のジーク先輩とは親しくするけど、学園生のジーク先輩とは顔見知り程度の付き合いしかしないことでお互い納得しているから」

 ジーク先輩も学園では人気があるからね。

 王子達だけではなく、ジーク先輩とも親しいと知られてしまったら・・・・・・。面倒なことになるとしか思いつかない。 


「えっ?・・・アイリスは王宮で働く気は無いの?僕らはてっきり卒業後は魔術研究所の所員か、宮廷魔術師になるものとばかり思っていた・・・」

 学園の卒業生の多くは王宮で魔術関係の職に就くからね。

 確か、クリフは宮廷魔術師、ゼンは魔法剣士が所属する騎士団の騎士、サラも王宮侍女――学園の卒業生は採用確実だそう――になりたいと言っていた。

 だから、カーティス達がそう思うのも当然かも。


「入学した当初から冒険者希望だよ。先生達も知っていることだよ。学園に入学した理由は“王宮専属の魔術師から魔法を学ぶ”機会があるから。進学を勧めてくれた人がそう言っていたから。それに、数ヶ月しかマナーを学んでいない私に王宮勤めなんて無理!」

 夢は冒険者として活動しながら、色々な場所を旅すること。

 このファンタジーな世界の景色を見てみたい。

 

「・・・そうなんだ・・・」

 少し暗い表情になるカーティス。


「カーティス、少しは具合は良くなったか?・・・って、アイリス!?」

 丁度そこに王子達が戻って来た。

 カーティスが元気が無いのは、具合が悪かったからか。それなのに、色々と話しかけてしまって悪かったかな。


「アイリス。君も教室で食べていたのか?」

 王子が颯爽と近付いて、尋ねてきた。

「ええ。今日は偶々。午後からの授業の予習をしようと思って・・・。昨日、出来なかったから・・・」

 適当な理由を言って誤魔化す。

「ああ・・・。そうと知っていれば、私も教室で食事をしたのに・・・。それで、予習とはどんなことをするのか?」

「ただ教科書に目を通して、解らない部分をチェックするだけだけど?その部分を授業中に聞き逃さないようにするのと、後で先生に質問するために」

 王子が何故か残念そうに呟いた後、質問してきたのでそれに答える。

「そうか・・・。アイリスは毎日そのような努力をしているから成績が良いのか・・・」

 ただ、教科書を読むだけで、努力を言えるほど大したものではないんだけど、関心されてしまった。


「では、その予習方法を詳しく教えてもらえないだろうか?」

 そう言って、王子が教科書と椅子を持ってきて私の隣に座った。

 王子のこの行動が理解できず、カーティスに説明を求めるために視線を送ったが、苦笑を返されただけだった。

 

連休中、体調をくずしてしまい更新が遅れてしまいました。

不定期ではありますが、月2~3話は更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

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