王子のお願い
間に一話はさむ予定でしたが、上手くまとまらず、気付けば一ヶ月以上更新出来ずにいました。
話の流れには大した影響は無いので、先に進めることにしました。
「アイリス。君にお願いがあるんだが・・・」
王子が話しかけてきた。
同じクラスになって10日ほどたてば、授業の事などで話をするようにはなっていたが、それ以外の話は特にしていなかった。まぁ、カーティスは何かと話かけてくるけどね。
「え~と、私に可能な事ならば・・・」
何だろう?魔法の事かな?私が実戦魔法を使えることはカーティスやクリフから聞いて知っているようだし。(クリフは能力試験の時の魔法の事は秘密にしてくれている)
「明日のダンスパーティの一曲目を踊って貰えないだろうか?」
「・・・・・・ええ~~~!!!!」
思いもよらなかった申し出に、反応が遅れた上、大声を出してしまった。
「一曲目は誰とも踊らないって・・・」
そして、二曲目以降は抽選でって、噂で聞いたんだけど。
「その予定だったのだが・・・、問題があって・・・」
「それについては、僕が代わりに説明するよ」
カーティスが説明を始めた。
「アーサーが一曲目は誰とも踊らないことになったは、“一曲目の相手がお妃候補の最有力者”と言う噂が立ったため」
「ああ~。なるほど」
「で、二曲目以降を抽選にしたのは、パーティの進行をスムーズにするため」
「なぜ?」
「抽選に参加する条件が“一曲目のパートナーが決まっている人”なのは知っているよね?」
「まぁ、一応は・・・」
聞いたような気はする。
「アーサーが踊らないからって、誰も踊らなかったら意味無いでしょ。アーサーに声をかけてもらおうと群がるに決まっているから」
「そんなものなの?」
王子とブライアンが頷く。
「パートナーが決まっていても踊らないで群がる可能性があるから、一曲目から踊る必要が出てきて・・・、それで、適任はアイリス、君だってことになったんだ」
「まぁ、事情は理解できた。でも、何故私?」
「まず、貴族階級ではないこと。妃候補の条件として、身分があるからね・・・(絶対じゃないけど)。候補の対象では無いと思われるから、派閥が発生することも無いだろうし・・・。次に、同じクラスだから。だいたい、一曲目の相手は同じクラスから選ぶことが多いらしい。それに、Aクラスでしょ。学園内では身分よりクラス重視だからね。そして、君が唯一、抽選に参加しない人間だから」
納得した。
「ほぼ、すべての女生徒が抽選に参加する申込があったんだけどね」
学園は女子より男子が多いから、パートナーがいない女生徒はいない。先日、私に絡んだ生徒は王子達に目を付けられてしまったため、相手が見つからなかったそうで・・・。相手がいたとしても、除外されることが決まっていたらしい。
「いや~~。私、ダンス苦手だから・・・」
本当は参加したくないんだけど、よっぽどの理由が無い限りは無理だった。
「他に相手はいないの?」
「君が無理だったら、後は、僕、ブライアン、クリフが踊るしかないね・・・」
前世ではアリだったけど、この世界では・・・?
「え~と、質問。男性同士で踊るって事はあるの?」
「まず無い!役者が女装して踊ることはあるが、劇の中だけだ!」
三人とも女装似合いそうだけどと、思ったけれど口にはしなかった。
「アイリス。僕のことは気にしなくてもいいから、アーサーと踊ってあげて」
あれ?クリフ、いつの間にか王子を敬称なしで呼んでいる。
確かに以前、クリフに踊ってくれるようにお願いしていた。
そう言われると、断りづらくなる・・・。
「引き受けてくれないだろうか?」
王子が不安そうに尋ねてくる。
「・・・分かりました。一曲だけなら・・・」
放課後。
エレーナ先生に呼び出されていたので、保健室にやって来た。
「その顔は、明日の一曲目の件、了承したのかしら?」
「エレーナ先生。知っていたんですか?」
「ええ。ここ数日、職員会議の議題だったの。彼らが説得できなかった場合は、私が説得することになっていたの」
「うわ~~。踊ること決定だったわけですね・・・」
先生に説得されたら、嫌とは言えない。
「アイリスが嫌がっていたのは知っていたけどね、円滑な進行のためには大切なことだからね。その代わり、踊り終わったら会場から出る許可を出してあげるから」
一時間は会場から出られないことになっているから、その事を考えるといい条件かも。
「それを聞いて、何とかがんばれそうです・・・」
「うふふ。明日が楽しみだわぁ。色々と」
エレーナ先生が笑顔で言った。
今月中にあと一話ぐらい更新したいのですが、年末なので、出来なかった時はごめんなさい。




