新学期
約3週間ぶりの投稿となってしまいました。
新しいクラスが発表された。
私とクリフはA組、ゼンとサラはC組だった。
クラスは実力試験の合計点で振り分けられる。
数学、地理、歴史、そして共通語(国語)の4教科、400点満点で360点以上がA組。
300点以上359点以下がB組で、299点以下はCかD組。
なので、人数もそれぞれの組で違う。Aが5人、Bが12人、CとDはそれぞれ10人。
私達以外のA組のメンバーは、王子とその友人二人。
王子がアーサーで、友人はブライアンとカーティス。
それにしても、5人は少なすぎじゃない?
もう少し、人数いると思っていたのに・・・。それに、女子が私だけなんて・・・。
クラス発表の時、他の女生徒達から睨まれてしまった。サラは、「いいな~」て羨ましがっていたけれど。
「先生、気分が悪いので、保健室に行ってもいいでしょうか・・・?」
これから先、王子達とどう接していけば良いのだろうかと考えていたら、気分が悪くなってしまった。
「顔色が悪いですね。クリフ君、保健室まで連れて行ってくれませんか?」
今度の担任の先生は、歴史のメルビン先生。人当たりの良い、初老の先生だ。
「いえ。一人で大丈夫です」
クリフには申し訳ないけれど、一人になりたかった。
「エレーナ先生。気分が悪いので、少し休ませて下さい」
ついでに、愚痴を聞いてもらおう。
「どうぞ。その前に、ちょっとだけ傷の手当を手伝って欲しいんだけど」
「いいですよ」
先生の前には、一人の男子生徒が座っていた。
「いったい、何をしたらこんなに怪我をするのよ」
傷の消毒をしながら、先生がブツブツ言っていた。
「裏山で、授業で使う薬草を採取して、ちょっと崖から落ちました」
どっかで聞いたことのある声・・・。ジークだ。
崖から落ちたって・・・、大丈夫なの?
「アイリスは、骨折などしていないか確認して」
怪我人に意識を集中させると、体の内部の傷ついた箇所が分かる、ちょっと特殊な能力を私は持っている。
「アイリ・・・ス・・・?」
名前を聞いて、ジークが私を見た。
私は慌てて、彼の視界に入らない背後に移動して、傷を確認する。
「うわ・・・。俺・・・。疲れているのかな・・・?」
ジークがなにやら呟いているようだけど、私にはほとんど聞こえない。
「先生、骨折やヒビは無いようです」
「そう、ありがとう。アイリスは休んで良いわよ。ジーク、怪我は擦り傷と打撲ぐらいだけど、数が多いから魔法で治療しちゃうけど、それでいいかしら?・・・ジーク?」
「・・・ああ、はい。宜しくお願いします」
エレーナ先生の言葉に、やっと我に返ったジーク。
そして、後ろにいた私の方を向いた。
「具合が悪いのに、診てくれてありがとう。僕は3―Aのジークフリード。君は?」
「1―Aのアイリスです。失礼します」
ペコっと頭を下げ、目を合わせないようにして、奥のベッドへ移動した。
まさか、こんなに早くジークと学園で顔を合わせることになるとは思わなかった。
私がアイリって事、バレてないよね。バレてなければいいけど・・・。
「うふふふ・・・」
エレーナ先生が、とても楽しそうな笑顔でやって来た。
「ジークがアイリスのこと色々と聞いてきたわよ」
「まさか、気付かれた?」
「さあ?どうかしら?『聞きたいことがあったら、直接本人に聞きなさい』とは言ったから、近いうちに会いに来るかもよ。来週のダンスパーティあたり・・・」
ダンスパーティ・・・。
すっかり忘れていた・・・。
更新遅くなってすみません。