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実習 二日目

久しぶりの投稿です。

「黄金ウサギ、発見!」

 “黄金ウサギ” 存在は知っていたけれど、実物を見るのは初めてだ。どんなに可愛いウサギだろう。

 ヒルダ姉さんが指差した方向を見る。

 そこにいたのは、中型犬ほどの大きさの金色のウサギ・・・。ちょっと残念・・・。

 

「毛皮が貴重だから、傷つけないようにね」 

「了解!停止!」 

 ヒルダ姉さんの指示に従い、魔法で動けないようにする。

 鋭い前歯と、後ろ足での攻撃は強力らしい。逃げ足も速いらしいので、相手よりも早く行動しなければならない。

「ジムさん、お願いします!」

「おう!」

 ジムさんが獲物に近寄り、急所に一発、拳を叩き込んだ。

 その場に獲物が倒れこむ。流石、ジムさん。

 毛皮は綺麗なまま、仕留めることが出来た。


 今回のウサギは長毛種。黄金ウサギの中でもかなり珍しい種類だ。

「これは珍しい種類だから、解体は専門に任せたほうがよさそうね。ヴィクター、あなたのアイテム袋に入れといて」

 ヴィクターさんが獲物に近寄り、巾着袋型のアイテム袋の口を広げると、獲物が袋の中に スポッ と吸い込まれていった。

 あれだけの大きさの獲物を入れたのに、袋の大きさは以前のまま。別の空間に繋がっているらしい。時間も止まっているそうなので、獲物は仕留めた時の鮮度のまま保存される。植物も枯れることが無い。

 あのアニメを思い出しちゃった。

 アイテム袋は、冒険者のランクによって入る量が違うので、大きな獲物はAランクのヴィクターさんかジムさんの袋に入れてもらうことになる。

 ちなみに、私のアイテム袋はウエストポーチ型。

 自分の気に入ったバッグを冒険者ギルドに持っていけば、アイテム袋として登録され、使用できるようになる。バッグはいくつも登録することが出来るが、冒険者一人につき一つの空間なので、収納できる容量は増えない。

 ヒルダ姉さんのようなおしゃれな冒険者は、いくつも登録してあって、季節や服装によって変えているそうだ。

 

 今日は、昨日よりランクが上の魔物が現れるエリアに来ている。

 大きかったり、素早かったり、集団で現れたりと、ちょっと厄介になってきている。

 エレーナ先生の提案で、先ほどの様な冒険者同士の連携プレーを見せることになった。

ヴィクターさんの剣に属性を付加したり、ジムさんの攻撃スピードや拳の威力を増したり。

 今日は、森の中ではなく開けた場所だったので、昨日は使えなかった火属性の魔法で派手なものをいくつか披露して見せたりした。

 時々現れた雑魚の魔物は、先輩方に倒してもらった。

 初めのうちは魔物の動きを魔法で止めてあげた。


 


 夕食時、相変わらず先輩方は疲れているようだったが、リーダーのジークと呼ばれている先輩は比較的元気だった。

 ヴィクターさんに色々と質問している。

 ジーク先輩の武器は剣なので、剣士でAランクの冒険者のヴィクターさんの戦いぶりに感動したらしい。

 私にも質問してきた。

「剣に属性を付加する魔法を教えて欲しい」

 説明、難しいんだよな~。先輩の魔法のレベル次第で教え方が違うし・・・。

「先輩は、どの程度の魔法が使えるんですか?」

「先輩・・・?」

 私の言葉に不思議そうな顔をする。

 学園の後輩であることはナイショでした。

 魔法で髪と瞳の色を前世と同じ黒にして、名前も“アイリ”としている。

「いえ、私より年上の人に対してはこう呼ぶ癖があるんで・・・」

「俺が年上・・・?君はいったい何歳いくつなんだ?」

「もうすぐ16です」

「・・・年下・・・。同じ年かと思っていた・・・」

 軽くショックを受けているようです。

「あの・・・先輩・・・、先輩の使える魔法についてですが・・・」

「・・・ああ、ジークでいいよ。質問の意味がよく分からないのだが・・・?」

 まだ、ちょっと混乱しているのかな?

「では、ジークさん。実戦魔法は使えますか?」

 実戦魔法が使えるのならば、教えるのは簡単だ。

「一応使えるが・・・?関係あるのか?」

「はい、その応用なので」

 実戦魔法と同じで、属性付加の魔法も想像力が必要となる。

 属性を付加した剣で攻撃した時に、獲物に与える効果を想像する。

 例えば、火属性なら獲物が燃える、氷属性なら凍るといった感じに。

 あとは、付加する時の呪文の言葉を唱えた時に、その映像を思い浮かべることが出来れば、大丈夫・・・のはず。

 無意識でやっていることを言葉にするのは難しい・・・。


「ちょっと試してみましょうか?」

 食後、少し離れた場所に移動した。

「氷属性でいきましょうか。木の枝を切ったと同時に、枝が凍ります」

 燃えやすい物が多いので、火属性は止めといた。

 まず、私が自分のショートソードで見本を見せる。

「属性付加。氷」

 一応、呪文を唱える。氷の属性を付加したショートソードは水色に輝いた。

 近くの雑草を薙ぎ払うと、払った部分が凍る。

 次は、ジークさんの番だ。


「属性付加。氷」

 ジークさんの剣が水色に輝いた。付加自体は成功したようだ。

 枝を切ると、切った部分がわずかに凍った。

 ジークさんは、自分の剣と、凍った枝を交互に見ている。

「成功しましたね」

「成功した・・・のか?」

 ジークさんは、まだ信じられないようだ。

「はい!成功です。ただ、威力はまだまだなので、訓練する必要はあります。あ、でも、今の威力でもスライムぐらいは倒せると思いますよ」

「ありがとう!明日、早速試してみるよ!」

  

 その言葉どおり、翌日、先輩は属性付加の魔法を使ってスライムを倒していた。

 

 

 

今月は、更新の間隔が開いてしまいそうです。すみません。

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