寮生活
休みの日は、基本、寮で過ごす。
私の部屋は、寮の中で一番狭いタイプ。一人用の部屋だ。6畳ほどの部屋と3畳ほどの収納、簡易キッチンとバス、トイレ付き。前世で、一人暮らしをしていたお姉ちゃんの部屋より広い。
一番広いタイプは、王族や公爵家、侯爵家が主に利用する。使用人を5人まで連れて来る事が出来るらしい。部屋数や部屋の広さは知らない。関係ないからね。
次に広いのは、使用人を3人まで連れて来る事が出来る部屋。
この二つの部屋は、それぞれ専用の棟が在る。
三番目に広いのは、使用人が一人。こちらの部屋と、一人用の部屋が同じ棟になっている。
女子寮と男子寮の間には、学園で使用する教材を扱う購買部や食堂のほか、スーパーのような食料品や日用雑貨を扱う店、本屋、それに武器・防具屋がある。
購買部は、学校指定の文房具類や教科書、魔法実習用の服などを扱っている。
食堂は、朝はビュッフェ形式で、昼と夜は数種類の日替わりメニューや軽食類がある。なお、夜は前もって予約しておけばコース料理がある。その他の時間は、カフェとしても利用できる。
スーパーは、前日の午前中に注文しておくと、寮まで配達してくれる。まとめ買いには便利だ。
本屋は、辞書や参考書のほか、小説などの娯楽用の本も扱っている。
武器・防具屋が不思議だったが、2年生からは武器と魔法を組み合わせた訓練があり、3年生になると実際に魔物を倒しにフィールドに行くそうだ。訓練用の武器と防具を扱っているほか、修理などをしてくれるらしい。
ちなみに、私の武器は主に鞭。ヒルダ姉さん直伝だ。ショートソードもそれなりに扱える。
そんな訳で、外出せずとも快適に過ごせる。
普段は食堂を利用するが、休みの日は自炊をすることにしている。
寮の簡易キッチンを初めて見たときは驚いた。
この世界、電気は無いので魔法だとは思うが、冷蔵庫やオーブンレンジ、IHクッキングヒーターに似た物があった。冷蔵庫には冷凍室まであった。
まさか、こんな物が存在するなんて・・・・。
ここに入学するまでは、普通に薪や炭を使っての料理だったし、冷蔵庫ではなくクーラーボックスの様な物で食材は冷やしていた。オーブンレンジなんて当然無い。
どんな仕組みなんだろう?クロード先生に聞いたら教えてくれるかな?今度の授業の合間にでも聞いてみよう。
昼食を食べ終えたとき、寮母さんが荷物を届けてくれた。
送り主は、私が暴走を止めた馬車の持ち主の方の執事さん。
月に数度、こうして荷物を送ってくれる。
お菓子の他に、香りの良い石鹸などの日用品。服や靴まである。
服と靴は、制服を仕立てたときに採寸してあるので、それを元に仕立てた物を送ってくれる。今回は、夏物が送られてきた。
毎月、十分すぎるお小遣いも頂いている。色々と頂いているのは、気が引ける・・・・。
以前、手紙でその事を伝えたのだが、命の恩人の私へのお礼としては少ないと感じているらしい。神父様とヒルダ姉さんが間に入って、必要な物を選んで送っているとの事だった。
早速、お礼の手紙を書くことにする。
あて先は、執事さんで良いとの事だった。
何でも、本人は仕事で不在がちなので、すべて執事さんが任されているらしい。
贈り物のお礼のほかに、学園での生活のことも書く。
通わせて貰っているのだから、報告は必要よね。
授業は楽しいが、ダンスとマナーには少々苦戦していること。
魔法の授業は、冒険者さん達のおかげで、他の同級生よりも進んでいることを書いておいた。
寮での生活も快適だと書いておこう。
図書室で、面白い本を見つけたことも書いておこうかな?今回の手紙には、異国の料理を本で見つけて、試してみたとだけ書いておくことにした。
『リュウグウ国』の事は、もっと詳しく調べてから書くことにした。
本日も、無事投稿できました。
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