孤独な行進
可能であれば1日ずつ更新します(10時頃)土日祝は基本投稿しません。ネタがない時は投稿できないかもしれません…
どこまで行っても林しか見えない樹界を暫く進んだが、
少し小腹が空いたので小休止と同時に栄養を補給した。時計を見て3時間位歩いたことを知った。
(『もう少し小刻みに休みをいれたほうがいいかもしれない。』)
方角を知ろうとコンパスを見ると…
「! …」
コンパスはまるで振り子のようにあらぬ方向に向いていた。どんな阿保でも北を指してないのは明白だった。
(『ここらへん一帯の土は磁気を帯びてるのだろうか?』)
どちらにしても戻る気はないシンは差して重要視するわけでもなく、食べ物を腹に詰めたらすぐさま歩くのを再開・・・
(あれ?ということは同じところをグルグル回っているのか?…)
ふと止めた。まっすぐ進んだと自分では思っているが、実は比較的楽な通り道を無意識に進んでいたので、進んでいると思って回っているという可能性も否定できない。
(目印が必要だな…)
シンはサバイバルの本の知識で近くにある草で簡単な標識を作った。これで仮に迷ったとしても同じ道を二回進むというタイムロスを防げるはずだ…
(気を取り直していくか)
シンは50分歩いたら10分休憩しながら進んだ。
そしてふと湧き水を発見した。この状況下では水は貴重である為、シンは水を汲もうと思ったが…
(やめとこう…なんか知らないがこの水は何か不味い気がする…)
飲める水なのか無害な水なのか区別がつかないが…ここらへんに動物の気配がないのでとりあえず飲むのは止めることにした。水はまだあるがいつまでもつか検討もつかなかった。
日が暗くなりはじめると慌ててテントを組み立てた。テントを組み立てる作業はしたことないので手間取ったが何とかできた。
暗くなりテントで一人じっとしていた。(ランタン)を持っていたが何故かつける気がしなかった。何故かわからないが明かりをつけるのは危険な気がした。しかし暗闇は本当に怖かった。孤児院の折檻で倉庫に軟禁されたのに近い気分を味わっていたが、その絶望感は今この時間のほうが色濃く感じた。それでも心が持ったのは、ただ ただ未来に期待していたからだった。
朝になって、食事をして、テントを折りたたんで、前に進んで暫くした後…
大きな川にぶつかった。