第一章 第一節 少年ガ育ッタ孤児院
本編を始めます。舞台は日の本という国です。主人公の1人の前書きから始めます。
彼は生まれた時から孤独だった。
生まれた場所は何処だがわからかった。親とも言える人からの話しによると孤児院のところに捨てられていたそうだ。
それでも昔はまだ幸せだった。同じ境遇のものが比較的多くいたのだから…。
数えで三つになったころだろうか、身体に異変が起きたのは。胸が焼けたように痛かったのた。
慌てて病院で診断を受けたら…彼の身体には心臓病という名の死神が憑いていた。
その死神は彼の意思に関わらず気まぐれに彼を黄泉路に旅立たせる。
彼は健気にも理不尽な恐怖を黙殺した。
さて 、ここからが傑作なんだ。
なにせこの事は彼にとって幸なのか不幸なのかは客観的にみても賛否が別れる。
唯一つ言えることは彼は孤独だったことのみ…。
真っ当な孤児院なら彼のような病人は集中的な治療を受けるべきなのだ。
だが孤児院の人達は国から貰った治療費を着服し、私腹を肥やしていた。
誠に残念なことに此処は真っ当な孤児院ではないのだ。
彼は孤児院の人達から見れば格好の金の鳥な為、子供が好きな紳士淑女の相手をせずに済んだのだ。
他の子供は紳士淑女の遊びで生じたケガに泣きわめいているのに、彼だけは遊びに付き合う必要はなかったのだ。
勿論それで終わりと行かないのが世の中というもの。
子供達は彼を排斥しようと活動を始めた。
単純な暴力に始まり、飯の強奪、物品の紛失、破壊、酷い時には死にかけた程だった。
彼は考えていた。
何故私に何の罪もないのに捨てられたのか
何故私の心臓が悪いのか
何故孤児院の人の服が豪華なのか
なぜ子供達は身体の何処かを怪我してるのか
ナゼ子供は私に暴力を振るうのか
なぜ私のご飯が無くなってるのか
ナゼ私が大切にしていたクマのぬいぐるみがズタズタになっているのか
何故、なぜ幼児の頃一緒に楽しく遊んでた子が私に向かって刃物で突き刺してくるのか
何故何故何故何故なぜナゼ……
気がついたら病院にいた。そして哀しくなってしまった。
もし仮に私が心臓病になっていなければ今でも一緒に遊んでいたのか?
その答えは無い。結局、私は孤児院の中では誰とも親しく無いのだ。
つまりオンリーワンの存在なんだ。誰かと仲良くなれるなんて考えすら傲慢なんだと…そう自分勝手に理解すると…
彼は病院から抜け出し、人知れず闇に溶け込んだ。
これが彼、 不知火 針の6歳の記憶である。
自分で書いておいてなんだが、なんか暗い内容だな。次は若干明るめに行こうと思います。