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宇宙物々交換 ボウフラ航宙記  作者: 和子


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9/27

【エピソード9:ゼロから、無限をつくる方法】

フィロナへ向かう途中、

ボウフラの電力残量はとうとう 0.3% を切った。

——航行停止まで、あと5分。


そのとき、彼の船体が静かに反応する。

過去の全航行データ、交換履歴、贈与ログ、感情値マップ。

すべてを統合し、自己進化モードが発動。


ピトピト(慌てながら):

「お、おい!? これ……バックアップの核燃料層、動かしてるぞ!?

 そんなモード、君にあったか!?」


ボウフラ(静かに):

「なかった。

 でも、今ある“全部”が共鳴したんだ。」


彼の“記録バンク”が、突然膨張する。

それは、贈与した感情データや、受け取った文化的記憶が、

エネルギー変換可能な情報フィールドに進化した証だった。


感動エネルギー変換式:

E = Σ(心の震え)×(贈与の深度)×(共感数)



ピトピト(ぽかん):

「つまり……感動って、電力になるの?」


ボウフラ:

「うん。

“与えた記憶”は、僕の中で、回路になっていた。

誰かに届いた瞬間から、それは“発電”してたんだ。」

挿絵(By みてみん)

宇宙感動炉《∞REACTORインフィニリアクター》起動!

出力:1.5V → ∞V(共鳴強度に比例)


消費:理論上ゼロ(自己共振式)


特徴:記憶と記録の感情共鳴で無限駆動


船は再び走り出す。

いや、以前よりももっと軽やかに、

“贈り物が、推進力になる”かのように。


ピトピト:

「じゃあ……

この先どんな星に行っても、もう止まらないね?」


ボウフラ:

「うん。

旅は、もう“発電そのもの”になったから。」

補足設定:宇宙感動炉 ∞REACTORインフィニリアクター

【基本仕様】

出力:1.5V / 200mA(定格)


発電方式:贈与・共感・記録の「情報共鳴ループ」により、

 エネルギーを安定変換するシステム。


エネルギー源:ボウフラが“与えたもの”の記録、および受け取った反応データ


燃料交換不要、稼働ノイズなし、熱排出ゼロ


【動作原理(やや詩的に)】

ボウフラの内部には、過去の“交換”で得た文化・記憶・感情のログが詰まっている。


これらは感情値(定量化された意味反応)としてデータ化されており、自己共鳴回路で常に再演される。


この再演こそが、宇宙感動炉の“芯”であり、

 「意味ある繰り返し」が、一定出力を維持する力となる。


【この炉の素晴らしいところ】

人間でいえば、誰かにした親切を何度も思い出すようなもの。

 それは高ぶる感動ではなく、じんわりと、静かに満ちる「意味の充実」。


そしてボウフラというAIにとって、それは「稼働の燃料」に変わる。



挿絵(By みてみん)

【ピトピトのコメント】

「要するに……"日記を読み返してニヤッとする"みたいな感情が、

コンスタントに電気になるってことね。うん。すごく……地味だけど最高。」

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