【エピソード8:電池残量警告、旅の真価を問う刻】
惑星ミニョンの周回軌道上のボウフラとピトピト。
エンジンが静かに唸る船内。
すると、不意に赤いランプが灯る。
ピピピッ—— 警告:原子力電池出力、残り 3.7%
ピトピト:
「おいおいおい、まさか……“交換”ばかりして、
補給してなかったの?」
ボウフラ:
「……うん。見落としてた。」
ピトピト、静かに計算を始める。
航行できる距離、信号発信力、記録保存時間——どれも減っている。
ピトピト:
「あと3話ぶんの動力。下手すると、2話。」
ボウフラは黙り込む。
彼の胸に、今まで交換してきたアイテムたちが重く光る。
ーーー
静電気を逃がさない絶縁ケーブル
高周波振動エミッタ
宇宙ゴミ収集モジュール
分子スープメーカー、自己複製型ナノアーム、味と踊りの共鳴装置……
ーーー
そして、ひとつ問いが心に芽生える。
「交換とは、“得ること”ではなく、“残すこと”ではないか?」
そのとき——
救難ビーコンを受信。
「近隣に、高効率ソーラー変換システム保有施設あり」
場所:星屑遺跡フィロナ
ただし——
「そこに入るには、“価値の証明”が必要」
ピトピト:
「つまり、君が今まで集めた“もの”たちに、
本当に価値があるか——問われるんだ。」
ボウフラ:
「じゃあ今度は、“与えた軌跡”が自分を救うかどうかって話だね。」
ふたりの小さな船は、エネルギーの尽きかけた光をまとって、
静かにフィロナへと向かっていく。




