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宇宙物々交換 ボウフラ航宙記  作者: 和子


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15/27

【エピソード15:取引所都市・トランキロス】

ボウフラとピトピトが降り立ったのは、モネール最大の交易拠点、

「 記憶価値取引都市・トランキロス」。

この都市では、あらゆる物品、情報、技術が売買されている。

だがその値段は、“性能”ではなく、“記憶価値”で決まる。


ピトピト(マップを見ながら):

「“感動炉の設計図”が2000ノスタルク、“ナンコツ入りスープのレシピ”が2万ノスタルク? どうなってるのよこの星…!」


ボウフラ(静かに):

挿絵(By みてみん)

「ナンコツスープには、たぶん——誰かの命を救った記憶があるんだよ。」


ピトピトはぎくりとした。

ボウフラが手にした“記憶操作ファイルK-38型”も、

きっとそれに値する重たい記憶の結晶だったのだろう。


彼らは歩を進める。

露店、店構え、屋台、空中のスクリーン広告。

どれもが、“商品のスペック”ではなく、“それに込められた記憶の物語”を語っていた。


ある屋台では、古びたおにぎりが売られていた。

挿絵(By みてみん)

屋台の老人(誇らしげに):

「このおにぎりは、息子が戦場から帰ってきた朝、

 妻が初めて笑って握ったものじゃよ。あの味を再現しとる。」


ピトピト(ぽつり):

挿絵(By みてみん)

「味って…記憶そのものなんだね…。」


彼らが目指すのは、トランキロス中央にある「記憶競売場・ノモリア」。

ここでは、記憶の交換オークションが日々開かれている。

価値ある記憶を提供すれば、珍しいアイテムや技術、果ては宇宙船の部品まで得られるという。


ボウフラ(考え込むように):

「思い出を削って何かを得る。だけど、モネールの人々は、それを“誇り”にしてるように見える。」


ピトピト(じっと見つめながら):

「それはきっと、“思い出を渡した相手が、それを大切にしてくれる”って信じてるからじゃない?」


その言葉に、ボウフラの中の感動炉が、

ふわりと0.003ミリワットだけ発電した。

小さな、小さな火。

でも確かに、そこには信頼と共感の火種が灯っていた。


さて、彼らは何を出品し、何を手に入れるのか?

“取引の意味”を問う、宇宙物々交換長者の物語が、また一歩、進みます——

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