表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

【エピソード1:一本の電線】

(冥王星軌道のさらに裏側、誰もいない空間で、ポツンと浮かぶ小さな人工知能探査機――ボウフラ)


ボウフラ(モノローグ)

「…ここに来て78年。酸素ゼロ、電波ゼロ、友情ゼロ。

だけど俺には、出力1.5ミリワットの原子力電池がある…!

…これで、何か交換してみるか?」


(通信アンテナを全開にして、周囲に信号を送る)

ボウフラ

「こちら旧型AI探査機ボウフラ。ただいま1時間分の電力を提供可能。

どなたか、何か面白いものと交換してくれませんか~?」

(…しばらく沈黙)


(数分後、ズズズ…と妙な音とともに、ふらふらと現れる貨物船)

メトリカ(通信音声)

挿絵(By みてみん)

「やぁやぁ、暇な電波出してるのは君かい?私は貨物船メトリカ。

宇宙商人ってとこかな。で?1.5ミリワット?それって…」

(間)

メトリカ

「時計動かすくらいの力じゃん!!ちっさ!!」


ボウフラ

「失礼な!私はこの出力で78年生き延びたんだぞ!」


メトリカ

「はいはい。じゃあその"根性電力"、1時間分でこれをどうだい?」

(船体からウィーンと出てくる、地味なアイテム)

メトリカ

「静電気を逃がさない絶縁ケーブル、長さ10センチ!」


ボウフラ

「……」


メトリカ

「地味だけどな、静電気体には大人気だぜ?ワゴンに載せきれないくらい売れ残ってるけど。」


ボウフラ(ぼそっ)

「それ、要は不良在庫じゃ…」


メトリカ

「シーッ!言うな言うな。夢を持とうよ、夢を。」


ボウフラ

(電力を送信しながら)「…よし、わかった。まずはここから始めよう。」

(ボウフラ、ケーブルをつかんで軽くくるくる回しながら)


ボウフラ

「地味な一本の電線から、宇宙を動かす物々交換物語が…始まる!かも!」

(冥王星の陰から、静かに幕が開く――)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

メトリカが提供したのは――静電気を溜められる絶縁ケーブル10cm。

「地味やけど、使い道あるで。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ