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第二十三話:会いに行こう、果てしない世界にいる君の元まで

 夏の日差しは私を遠慮なく私に襲い掛かってきていた。

 道路にあたると水蒸気が悶々と立ちこもり、陽炎を引き起こしている。


 まさに灼熱地獄とはこのことを言うのかと思うと、気が引けてしまった。


 「だっつい」


 だるいと暑いを掛け合わせたこの言葉はいつかは世界流行語大賞になるだろうと思っていた。


 しかし、こんな一般人が行ってもそんなに広まる事は無いだろうと思っている。だって一般人だし。

 芸能人が行ってくれたらいいのにと思ったりもした。


 「おーい、置いてくぞー」

 「うるさい! 寿命きれてんなら早く行っちまえ!」


 私から、数メートル離れたところにあの彼がいた。


 海で出会ってから、もう三ヶ月は経つのだろうか? ぴんぴん過ぎるくらい元気な病人である事。


 「あれ、嘘だったんじゃないの?」

 「何が?」


 私は彼に追いついた時に呟いた。

 もちろん彼は何の事かさっぱりピーマンのはずだ。ピーマンをつけたのはなんとなくでしかもこの言葉はもう死語のはずだ。


 「ううん。なんでもない」

 「そっか」


 劣化したプラスチックのベンチに座れと促す彼に私は礼をしてゆっくりと腰をおろした。


 「もう夏だね」

 「梅雨の時期はもうどこにやらだね」


 そんな暢気な事を言っていられるのは、彼のおかげだろうか?

 超マイペースな彼がいるおかげで私の心もマイペースになっている。


 いわゆる感染だ。


 「じわじわと蝉が啼いていて、喧しいけど逆にこれも清々しいと言うか……」

 「それ松尾芭蕉の歌に無かった?」

 「あったね。たしか、岩に染み入る蝉の声だっけ?」

 「うん。それ」


 私は隣があいていることに気づき、彼の服を引っ張った。

 彼はそれに順じ、椅子に座る。

 彼の体温が離れていても分かる。まだ生きている。まだ動いていると証明できる体温は夏のせいで酷く暑苦しいものだった。


 「ねえ?」

 「なに?」


 そよそよと生暖かい風がなびく。


 「私たちはいつまで一緒にいられるのかな?」

 「んー、少なくとも僕は君と結婚するときまで生きていたいね」

 「うわ、結婚前提に付き合ってるのか私たち」

 「じゃあ、両親に言わなきゃいけないかな?」


 私はぴたりとブリキの発条が切れた人形のように止まった。


 「本気なの?」

 「本気じゃあ無かったら君とここまで一緒にいないさ」


 私はぴたりと止まったまま、彼を見ていた。

 うわ、なんかとても男前……。

 真直ぐ見つめ返してくる彼の目がとてもきれいだった。


 「僕はよければ君と最期までいたいけど……君は?」

 「うーん……」


 少し逡巡しているとバスがやってきた。私は話をはぐらかす様に立ち、バス停乗り口に立った。

 彼も私の後ろに付いて乗り込む。


 バスの中はきんきんに冷房が効いていて、肌寒い。しかし、これくらいが一番良いのかもしれない。


 「私も、君と最期までいても良いよ。よければ私が死ぬまで一緒にいてほしいかも」

 「……それはちょっと無理かもしれないね」

 「えー、がんばってよー。せめて子供まで」

 「え!? どこまで続いてるの計画!」

 「せめて五人はほしいよねえ」

 「ちょっと待って! 生きているのがやっとなのに子作りまで頑張らなきゃいけないの!? 腹上死しちゃうよ!」


 私たちは笑いあう。彼は少しだけ慌てているけどそれは気にしない。


 私はどこまでも旅をする。


 君の元まで、どこまでも……



     君の元が私のゴール。

終わった? 終わったの!?


 竜さんお疲れまでした! いろいろと迷惑をかけましたけどこれからもまたよろしくお願いします!


 ちなみにサークルとか何とかって言ってましたけど何かしてるんですか?


 まあ、気にすることありませんかw

 また会えることを祈って。

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