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【謎の研究所】B6F〜B4F

【シナリオ概要(前後編)】

 本シナリオは探索者達が囚われている謎の施設からの脱出を目指す前編と、施設内で手に入れた「光金の欠片」を狙う三つの組織の争いに巻き込まれる後編の二部構成になっております。

 前編は一般的な巻き込まれ型クローズドシナリオ、後編は現代日本を主に舞台としたオープンワールドシナリオとなっております。

 前編は一本道ですが、後編は合計で四つのルートに分かれ、それぞれで全く異なった展開になります。基本的には後編も一本道になりますが、特定のルートを選んだ場合は自由度の高いオープンワールドを体感できる筈です。一応、決められたルートそのものはありますが、KPの知識と裁量次第でどこまでも寄り道することは可能となっています。

 なお、本シナリオは【推奨事項】にも書きましたが、「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」と世界観を共有するポルナ=パルヴァド神話シリーズに属するクトゥルフ神話TRPGシナリオとなります。ある意味でポルナ=パルヴァド神話TRPGと呼ぶべき作品です。

 本作は「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」ほどポルナ=パルヴァド神話TRPGの要素は強くないですが、独自の解釈・オリジナル要素を含みますのでご理解のほどお願いします。

 後、毎度のことながら戦闘要素と正気度チェックが多めとなっております。今回も救済措置を用意していますが、この点を加味したPCの準備を強く推奨致します。


【KP情報(前編)】

 突如として日本に降り注いだ謎の黄金に輝く隕石、通称、『光金の欠片』はとある山奥の民家の畑に落下した。

 その謎の隕石を偶然的にした農家の佐竹(さたけ)紀夫(のりお)は見たことのない石の存在を村の仲間に教えた。そのうち噂が広がり、『光金の欠片』の存在は興味を持ったメディアの取材を経て全国に知れ渡ることになる。

 『光金の欠片』に興味を持った学者が何人か紀夫一家の家を訪問し、交渉の末に有名大学で『光金の欠片』の研究が行われることとなった。

 一方、『光金の欠片』の存在を狙う者達がいた。日本、ひいては、世界の既存秩序を根底からひっくり返すべく地下に潜り覇権を握るための研究をしていた非合法地下研究機構組織『殻』は『光金の欠片』の持つ莫大な力に目をつけて『光金の欠片』を手中に収めようと画策する。

 『殻』は下部組織である『秘密工作部隊』ヴァリアントを派遣し、紀夫一家を惨殺、『光金の欠片』を手中に収めた。

 しかし、組織の手足となって働くしかない立場に甘んじていることをよしとせず叛逆の機会を狙っていた『秘密工作部隊』ヴァリアントは『光金の欠片』を手に入れた瞬間に『殻』を裏切り、愛知県名古屋市中区栄の地下に存在するとある犯罪研究組織がかつて根城としていた研究施設に立て籠って秘密裏に『光金の欠片』の研究を開始する。

 ティンダロスの王の一体であるゼドフィアと協定を結んだ『秘密工作部隊』ヴァリアントは様々な実験を進め、その一環で名古屋市周辺に遊びに来ていた探索者達を攫った(別の場所で攫われてこの場所に連れてこられたという展開や、どこかで非合法組織に捕まって『秘密工作部隊』ヴァリアントに被験体として買い取られたという形でもいいだろう)。

 目を覚ました探索者達は施設からの脱出を目指し、行動を開始することとなる。


【注意事項(前編)】

 この手のシナリオにありがちな持ち込み不可の制限は特にありませんが、序盤は囚われの身なので装備の類は一切持っていない状態でスタートとなります。持ち物は前編中に回収可能な場所があるので、その場所を探索した際に回収できるかもしれません。

 ティンダロスの王であるミゼーアやムイスラと同格な力を持つゼドフィアの力によって研究施設は守られていて、そのおかげで『殻』を含めた敵対組織から逃れられている状況にあります。そのため、前編中は強固な時空魔法によって空間を操作する魔術が阻害され、魔術による脱出はできません。大人しく探索して脱出しましょう。




【導入】


 ――人は生まれ、生を全うし、そして死んでいく。


 人生を、そんな一筋の線であると錯覚する人が大半かもしれません。しかし、人生には無数の選択肢が存在し、その数だけもしもの世界があります。

 また、我々の知る宇宙とはかけ離れた性質を有する宇宙があるかもしれません。そんな全ての可能性を内包する概念として、オムニバースと呼ぶ者が存在するようです。


 皆様方はもしかしたら、いくつものそのような世界を渡り歩いた経験があるのかもしれません。

 砂漠の遺跡で短剣を探し求める邪神の化身と相対したことがあるかもしれませんし、何者かに捕らわれて毒入りのスープを飲むことになったことがあるかもしれません。

 動物園でドードー鳥を探し求めたり、脳の研究に囚われた狂った老婆に捕らわれたり、沼男や血の池事件を巡る大きな謎に立ち向かったり、滅びを迎えた世界を二人で旅したり、ニャルラトホテプの力で邪神の姿から人間になり、悪巧みをする旧神達と敵対したり、もしかしたら、潮の香りのする謎の研究施設で宇宙と交信できるほどまでテレパシーを強化された少女から逃走を図ったこともあるかもしれません。


 宇宙の中心、あるいは最果ての地では冒涜的な白痴の神、死霊秘法がアザトホートという名称で慈悲深くも隠した、あの角のある空間の向うのもの凄い原子核の渾沌世界などと呼ばれる存在が眠っているのではないかと囁かれています。しかし、その力が及ぶのは一つの宇宙に限るのかもしれません。

 もしかしたら、宇宙の数だけそのような強大な存在がいるのかもしれませんね。


 そんな全ての宇宙――オムニバースの中心と呼べるべき場所には何もない空間が存在していました。否、そこには光がありました。眩い、輝くナニカが存在していました。

 その光の一つが爆ぜ、小さな欠片が落ちていきます。どこまでもどこまでも落ちていきます。



 貴方は目を覚ますと、そこは鉄の匂いが香る冷たい床の上でした。牢屋のように鉄格子が嵌められたその部屋にあるのはシーツの敷かれた硬いベッドと簡易的な便器だけのようです。

 また、貴方達は簡素な病衣のような衣服に着替えさせられており、私物が一切無くなっていることに気づくでしょう。

 手首には「α-5」、「α-6」(探索者の数だけ5から連番になっている)と彫られた金属のタグがチェーンで巻き付いていました。


 こうなった経緯を思い出そうとしても、名古屋市に旅行に来て、(別の地で攫われて売られた場合は別の場所)散策していたところで終わっており、それ以上のことは思い出せません。

 牢屋の扉に目を向けると、音を立ててゆっくりと扉は開きました。どうやら鍵は掛かっていない様子。……どうやら杜撰な管理体制のようです。それどころではないのでしょうか? それとも、逃げられる筈が無いという確固たる自信でもあるのでしょうか?


 突然囚われの身になった皆様はきっと混乱するでしょう。少なくとも心穏やかで居られる筈がありません。

 <SAN値チェック:1/1D3>です。……まあ、この程度では流石に動じないという心の強い方は振らなくて、どうぞ。


 ここから探索開始となります。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


【KP情報(B6F)】

 B6F、正式名称は【生体保管区画】となります。

 詳細は添付資料の地図のB6Fを参照してください。

 牢屋の数は適当です。実際はもっと数があるかもしれません。その辺りはお好みでお願いします。一応、ここが長い長い旅路のスタート地点となります。

 実は攫われてからシナリオ開始まで実は数日経過しています。もしかしたら、捜索願を出すなど関係者達は心配しているかもしれませんね。

 どうやら、衣類持ち物を処分するほど残酷では無かったようで、B4Fの倉庫で回収可能です。詳細はB4Fの項目に書かせて頂きます。

 余談ですが、「狂える神々によるリアル脱出ゲームSHOW」の時とは異なり金属タグは本当にただの金属タグです。魔法的な何かとか、そういった類のものは一切ありません。技能を振っても何も情報は得られません。


【PC情報(B6F)】

 技能を使わないで分かるものとして以下のものがあります。それぞれ、探索する宣言があった場合に開示してください。


●牢屋の扉を調べる場合

 閂で開け閉めする簡素な牢屋の扉のようで鍵などはついていません。損傷などはなく本当にただ鍵をかけ忘れただけのようです。……どこのうっかりさんだよ。警備笊なのかよ、おい。


●牢屋の中を探索する場合

 扉に程近い牢屋の一室で白骨化した死体を発見することになります。

 <SAN値チェック:1/1D4>です。……まあ、この程度では流石に動じないという心の強い方は振らなくて、どうぞ。

 手首にタグなどは付けていないことが分かります。<医学>か<考古学>の成功、あるいは<目星>のハード成功(1/2)に成功すれば、この白骨化した死体は死後七、八年が経過していることが分かります。……もしかしたら、この情報からこの白骨化した死体が今回の事件とは全く関係ないことを悟ってくれる探索者がいるかも?


●付きあたりの扉を調べる場合

 鉄でできた扉のようです。技能を振らずともとても古い扉なのだと分かるでしょう。所々錆びています。

 こちらも鍵穴はありますが、そもそも扉に鍵は掛かっていないようです。……どこのうっかりさんだよ。警備笊なのかよ、おい。


●牢屋を出る場合

 部屋の外には廊下があり、突き進んでいくと上の階に進めそうな階段があります。この階段を上ることで【B5F】に進むことができます。




【KP情報(B5F)】

 B5F、正式名称は【研究区画】となります。

 詳細は添付資料の地図のB5Fを参照してください。

 この階からセキュリティクラスが設定された扉が増えてきます。セキュリティクラスが設定されている扉はセキュリティクラスが同等以上のカードキーの使用か、各扉に書かれている数字を因数分解した答えの数字を掛け算の形で入力するかのいずれかで解錠できる仕組みとなっています。各扉を調べることで情報は得られますが、くれぐれも解き方の詳細は教えないようにお願いします。

 解除する場合は、<数学>などの技能に成功することでヒントを出すこともできますが、PLのリアル知識を導入して解答することも許容して良いかもしれません。紙での手計算まで許容するか、電子機器の使用を含めありとあらゆる手段を許容するかといった点はKPの裁量に任せます。

 【B5F】以降は全て部屋番号ごとに情報を記載していきます。この番号は上から順に振らせて頂きましたので見にくいかもしれません。探索者達は最奥部から逆流する形で脱出を目指しているため、本来予想されている人の流れとは異なります。その反映でもありますので、ご理解のほどよろしくお願いします。

 【B5Fでの戦闘】の項目にもありますが、【エレベーター3】の前でティンダロスの偵察犬一体とのバトルが行われます。この勝負のタイミングは最初にエレベーターに近づいたタイミングでもエリアの探索を一通り終えてカードキーを入手してエレベーターに向かったタイミングや【43保管庫】で『光金の断片』を入手した後にエレベーターに向かったタイミングでも構いません。このシナリオの執筆者としては【43保管庫】まで全て探索を終えたタイミングでの戦闘を想定しています。

 このティンダロスの偵察犬との戦闘後、エリア探索の際にファンブルを出した場合はティンダロスの野犬一体と、100ファンブルを出した場合はティンダロスの野犬二体と戦うことができます。この子達もこのシナリオのために生み出したオリジナルの神話生物(既存神話生物の派生)です。可愛い子達なので目一杯遊んであげてください。ステータスはティンダロスの偵察犬と同項目に記載しておきます。

 なお、このエリアは無人です。探索者達以外の気配はありません。


【PC情報(B5F)】

 技能を使わないで分かるものとして以下のものがあります。


●部屋の構造について

 【B5F】に入ったタイミングで【B5F】のマップをPCに開示してください。

 階段からまっすぐ進んでそのまま右方向に視線を向けると、奥にエレベーターらしきものが一つ。その他に右側に扉が三つ、左側に扉が四つあることが分かります。

 扉に近づけば、鍵などが何も設置されていない銀色の扉と、扉に何かの数字が書かれ、扉の右隣の壁にカードキースキャナーらしきものと「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,×」という入力ボタンと液晶が設置された電卓を彷彿とさせる謎の機械が融合した見慣れないカードリーダーがついているものの二種類を発見することができます。

 ちなみに全ての部屋に部屋の内容が書かれたプレートが掲げられており、セキュリティクラスが設定されている部屋にはセキュリティクラスも表示されています。これらの情報は何番の部屋を探索するという宣言があった場合に公表してください。

 以下、部屋ごとに情報を記していきます。


【36実験観察室】

 セキュリティクラスは無し。部屋の左右の壁はガラス張りとなっており、【37生体実験室(動物)】と【38生体実験室(人体)】の部屋の様子を確認することができます。ただし、特殊なガラスが使われており、それぞれの実験室から【36実験観察室】の情報を得ることはできません。

 床には資料が散らばっており、机の上には1D3本のメスといくつかの試験管が置かれていることが技能を使わずとも分かる筈です。

 机か床の資料に<目星>が、試験管に<医学>か<目星>を振ることができます。


●机

 机を調査する場合は<目星>を振ってください。成功で以下の情報が開示されます。

 机の上は埃を被っており、長期間部屋が使われていないことが伺える。机の上には試験管の他に1D3本のメスが落ちており、<目星>に成功すればそのメスを回収することができます。

 武器として扱う場合のダメージは1D3、技能は<ナイフ>もしくは<投擲>で耐久値は4。ただ、ちゃんと戦える武器も用意してあるので、あんまり入手する意味はないです。


●床の資料

 <目星>に成功すると、以下の情報を得ることができます。


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モンスターウォーリア計画 計画概要 兼 経過報告書


研究概要

 独自のルートで複数の未確認の生物のサンプルを入手。

 このサンプルを元に強力な生物兵器を量産し、兵士として育成。

 第二次大戦では成し遂げられなかった日本国による世界統一を成し遂げることが本計画の最終目標である。


研究経過

20XY年【8年前/8月】

 「DE-SAMPLE」、「EL-SAMPLE」、「SH-SAMPLE」の解析を開始。

 いずれも僅かな大きさだが、驚異的な生命力を有しているようだ。

 栄養を与えつつサンプルを培養し、実験に使えるだけの量を確保する必要がある。

 それと並行し、実験用の生体を調達する必要があるだろう。


20XZ年【7年前/6月】

 実験に足りうる三つのサンプルの培養に成功した。

 研究の援助を申し出た星の智慧派教会日本支部から必要な実験動物と人体実験用の人間の提供を受け、いよいよ、実験を開始できる環境が整った。

 これより、日本国の栄光を取り戻すための最初の一歩を踏み出すことになる。


(以下、紙は破り取られており、その実験の結果を知ることはできない。また、他の場所を探索してもこの資料の続きの発見は不可能である)

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●星の智慧派教会日本支部について

 『モンスターウォーリア計画 計画概要 兼 経過報告書』を読了後、PCが更なる調査を希望する場合、<知識>のイクストリーム成功(1/5)か<オカルト>のハード成功(1/2)、<クトゥルフ神話>に成功した場合、星の智慧派教会日本支部とは最近、巷で噂となっている怪しげな宗教団体であることと、その支部が東京都荒川区西日暮里と愛知県名古屋市名東区一社にあることをPC達は思い出すことでしょう。後編に繋がる情報ではありますが、現時点では全く恩恵のない情報です。ついでに言えば、後編でもほとんど役立ちません。


●試験管について

 <医学>の成功か<目星>のハード成功(1/2)で、一つ目の試験管の中に僅かだが玉虫色の細胞のようなものが入っていることと、ほんの少し下水の汚濁のような匂いがすることが分かります。それが、我々の知るような生物のものではないことを直感的に悟ることになるでしょう。

 二つ目の試験管の中身は細胞というよりも植物の胞子に近いものであることが分かります。匂いは特にないようです。それが、我々の知るような生物のものではないことを直感的に悟ることになるでしょう。

 三つ目の試験管の中身は魚の鱗に似ているようです。嗅いでみると仄かな磯の香りを感じ取れるかもしれません。それが、我々の知るような生物のものではないことを直感的に悟ることになるでしょう。

 以上の情報を知った上でPCが望む場合、<クトゥルフ神話>に成功すれば、一本目の試験管の中身がショゴスの細胞であること、二本目の試験管の中身が古のものの細胞であること、三本目の試験管の中身が深きものの細胞であることが分かります。まあ、それを知ったところで特に利益もありませんし、正気度チェックもないんですけどね。


【37生体実験室(動物)】

 セキュリティクラスは無し。中は真っ白な部屋でかなり広めですが、【36実験観察室】と同様に長期間人が踏み入っていないからか、床には埃が溜まっています。

 部屋に入るとすぐに、争ったような形跡と破壊された壁と黒々としている渇いた血痕、堆く積まれた動物達の死骸の存在に気づくでしょう。ところどころ玉虫色になっていたり、魚の鱗が生えていたり、五芒星形の擬足が生えていたりするかつて動物だったものの慣れ果てを目撃したことで、<SAN値チェック:1/1D4>です。

 なお、この部屋で得られる情報は特にありません。


【38生体実験室(人体)】

 セキュリティクラスは無し。内装は【37生体実験室(動物)】と同じですが、【36実験観察室】や【37生体実験室(動物)】とは違いしっかりと清掃がされており、現在も使用されているようです。

 入り口から左手の方向には入り口と同じ金属製の扉があります。

 なお、この部屋で得られる情報は特にありません。


【39実験器具保管室】

 セキュリティクラスは無し。実験器具の保管や実験時に何かしらのトラブルが起きた場合に逃げ込むことを想定した頑丈な作りの部屋のようで、様々な薬品や医療器具が保管されています。

 技能を振らなくても、メスなどの医療器具がいくつかと塩酸(HCl)、水酸化ナトリウム(NaOH)、王水(HNO₃+3HCl)といった薬品、試験管などの実験器具が整理されて置かれていることが分かります。

 前述のものについては、PCの発言があれば持ち出すことが可能です。上記以外の実験器具については<医学>の成功か<目星>のハード成功(1/2)、上記以外の薬品については<薬学>の成功か<目星>のハード成功(1/2)で入手することができます。

 なお、この部屋で得られる情報は特にありません。


【40物理実験室】

 セキュリティクラスは無し。入り口は離れたところに二つあります。

 なんらかの実験に失敗して何かしらが爆発したのか瓦礫が散乱しており、ところどころ焦げているようです。

 なお、この部屋で得られる情報は特にありません。


【41武器庫(下級)】

 セキュリティクラスは1。扉には「15」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「3×5」ということになります。「5×3」でも問題ありません。要するに因数を全て「×」で繋げば大丈夫です。

 中には無数の棚があり、刀剣や銃火器などが棚に置かれる形で保管されています。また、中心部には金属製の机があるようです。

 調べられる場所は棚と机の二箇所になります。


●棚について

 棚を調べる場合は<目星>を振ってください。

 <目星>に失敗した場合は、ワルサーP38、ワルサーPPK、ベレッタM1934、ベレッタM92、ベレッタPx4、無銘の太刀を発見することができます。

 <目星>に成功した場合、追加でトカレフTT-33、FN Five-seveN、菊一文字を発見することができます。

 <目星>にハード成功(1/2)した場合、追加でPfeifer Zeliska、IMIデザートイーグル、和泉守兼定を発見することができます。

 <目星>にイクストリーム成功(1/5)した場合、追加でミ=ゴの電気銃、ミ=ゴの噴霧器、レーザーライフル、妖刀村雨を発見することができます。

 <目星>にクリティカル成功した場合、追加でマジカルピストルを獲得できます。

 各武器の詳細は以下の通り。


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・ワルサーP38……ドイツのカール・ワルサー社製の9mm軍用自動式拳銃。1発の火力は1D10で、1ラウンドに2発まで射撃が可能。最大装填数は8発で全弾装填済み。ただし、使用する際は1ラウンドにつき1回<幸運>の判定を行い、失敗した場合はリアサイトが外れて1D2のダメージを受ける。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。


・ワルサーPPK……ドイツのカール・ワルサー社が開発した小型セミオートマチック拳銃。1発の火力は1D10で、1ラウンドに2発まで射撃が可能。最大装填数は7+1発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。


・ベレッタM1934……イタリアのベレッタ社が軍用に開発した自動式拳銃。1発の火力は1D10で、1ラウンドに3発まで射撃が可能。最大装填数は7+1発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。


・ベレッタM92……イタリアのベレッタ社が開発した9mm経口の自動拳銃。1発の火力は1D10、1ラウンドに3発まで射撃が可能。最大装填数は15発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。


・ベレッタPx4……イタリアのベレッタ社が開発した9mm経口の自動拳銃。1発の火力は1D6、1ラウンドに5発まで射撃が可能。最大装填数は20発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。


・無銘の太刀……無銘の太刀。ダメージ1D16+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。


・トカレフTT-33……ソビエト連邦が1933年に正式採用した軍用自動拳銃。1発の火力は1D10+1D3、1ラウンドに4発まで射撃が可能。最大装填数は8発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。トカレフTT-33を選択時に<幸運>に成功するとサプレッサーを手に入れることができる。サプレッサーがある場合、状況によっては不意打ちが可能となる。


・FN Five-seveN……ベルギーのFN社が開発した自動拳銃。1発の火力は2D6、1ラウンドに2発まで射撃が可能。最大装填数は10発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。FN Five-seveNを選択時に<幸運>に成功するとサプレッサーを手に入れることができる。サプレッサーがある場合、状況によっては不意打ちが可能となる。


・菊一文字……鎌倉時代の後鳥羽上皇が御番鍛冶に鍛刀させ自らが焼入れした日本刀の一振りであり、沖田総司が愛用した刀としても知られる「菊一文字則宗」。ダメージ1D20+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。


・Pfeifer Zeliska……プファイファー・ツェリスカ。オーストリアのPfeifer Waffen社が開発した超大型の回転式拳。1発の火力1D20+1D6、1ラウンドに2発まで射撃が可能。最大装填数は5発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。


・IMIデザートイーグル……アメリカ合衆国ミネソタ州のミネアポリスにあるM.R.I.リミテッド社が発案し、イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ社とマグナムリサーチ社が生産している自動拳銃。1発の火力1D10+1D6+3、1ラウンドに2発まで射撃が可能。最大装填数は8発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。


・和泉守兼定……江戸時代の刀工・11代目兼定により作られた刀であり、新撰組副長である土方歳三が保有したことでも有名な刀。ダメージ2D10+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。


・ミ=ゴの電気銃……ミ=ゴが開発した電気銃。電撃を射出することができる。ダメージ2D6+10%の確率で全身麻痺(治療を受けるまで行動ターンに1D100を振って50以上が出なければそのターン行動できない)。強力だが、使用には電気エネルギーを必要とする。一度使用するとバッテリーが10%減少し、再使用のためにはバッテリーを充電する必要がある。拾った時点では30%のバッテリーが残っている。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。


・ミ=ゴの噴霧器……ねじ曲がった金属製の管の塊 のような器具。厚い雲状の凍った霞を円錐状に噴射することができる。この務に晒されているラウンドごとに1D10ポイントのダメージを受ける。暖かい服を着ている場合は1D3までダメージを低下させることが可能。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。


・レーザーライフル……レーザーを射出するライフル。ダメージ3D10の科学によるダメージ+10%の確率で部分火傷(治療を受けるまで毎ターン1D3のダメージを受ける)のバッドステータスを付与される。強力だが、使用には電気エネルギーを必要とする。一度使用するとバッテリーが10%減少し、再使用のためにはバッテリーを充電する必要がある。拾った時点では10%のバッテリーが残っている。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。


・妖刀村雨……江戸時代後期の読本『南総里見八犬伝』に登場する架空の刀とされてきたもの。「抜けば玉散る氷の刃」の異名で知られ、刀を抜くと刀身を激流が覆う。ダメージ2D20+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。


・マジカルピストル……魔力で強化されたマジカルな拳銃。弾丸を装填する必要はなく、魔力を弾丸に変換することができる。使用するとダメージ2D10の魔法によるダメージを与える。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

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 なお、1クリティカル報酬は用意していません。PLから要求があった場合はシナリオに不都合がない程度で要求を聞いてあげてください。


●机

 机の上には特に何もありません。引き出しに<目星>を振った場合、引き出しの中から様々な大きさの弾丸を発見できます。


【42研究室】

 セキュリティクラスは無し。本棚と机が置かれた至って普通な研究室ですが、右方向に分厚い扉があります。

 調べられる場所は本棚と机の二箇所になります。


●本棚

 技能を振らずとも装丁の焼け具合から少し古め学術書だと思われる本が並べられていることが分かるでしょう。更に本棚を調べる場合は<目星>を振ってください。

 <目星>に成功すると、洗脳技術に関わっていそうな題名の学術書の並べられている本の隙間から古ぼけたレコードのようなものを発見することができます。

 レコードを包む紙の表面には「技レコード<魔力掌>」と書かれています。裏面には「高度な洗脳技術を利用して技能や魔術を習得することが可能である」と書かれています。

 技レコードに対して<鑑定>や<目星>などの技能を振った場合、自分の理解し得ない何か特殊な技術をもってして作り出されたものであることに気づきます。<SAN値チェック:0/1>です。


 技レコードを使用する場合、正気度を3ポイント消費します。使用することで、技レコードに保存されていた技能や魔術を習得することができます。

 なお、技レコードは何度も使用可能です。


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<魔力掌>

 本シナリオのオリジナル魔術技能です。

 他シナリオで使用する際は、KPの判断を仰いでください。なお、技能としての獲得は<魔力掌>を100%の値で獲得するという形で技能の判定は行いません。

 毎ターンMPを2消費することで、自身の両手に魔力を纏わせることができます。手を使う戦闘技能を使用する際にダメージが+1D6される他、攻撃が魔法の武具を使った時と同様の扱いになります。また、腕を魔力で保護するため、直接触れることで生じる不利益を無効化できます。


 ここからはメタ的な話ですが、触れると青い膿の効果で面倒なことになるティンダロスの者達と戦うための救済措置的な意味合いがあります。

 <ポルナ=パルヴァド神話>を保有していて魔術を習得しているPCやティンダロスの猟犬と余裕で戦える類の化け物探索者にはぶっちゃけ無用の長物です。

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 机は引き出し付きの金属製のテーブルのようです。引き出しを調べることで「セキュリティクラス1のカードキー」を手に入れることができます。これに関して、技能を振る必要はありません。宣言だけで大丈夫です。


【43保管室】

 セキュリティクラスは1。扉には「36」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「2×2×3×3」などということになります。

 中は分厚い金属の壁に囲まれた正方形の部屋です。中心には丸い装置のようなものがあり、その装置から射出される光を浴びた黄金に輝く結晶のようなものの塊が浮いています。

 近くには床から伸びる直方体の機械があります。


 機械を調べることで、「ON/OFF」と書かれたスイッチがあることが分かるでしょう。

 現在は「ON」のスイッチが入っているようです。

 射出させている光に<目星>を振って成功すると、その光が極めて強力なエネルギーを内包しており、触れれば人間の人体など容易に消し飛ばされることが分かります。


 浮いている『黄金の欠片』は機械のスイッチを「OFF」にすることで回収可能です。

 この『黄金の欠片』に基本的にいかなる技能を振っても情報を得ることはできません。<クトゥルフ神話>などの技能を振って成功した場合は、少なくともその分野に該当するものはないことが分かってもいいでしょう。

 実は<ポルナ=パルヴァド神話>に1クリティカルすると、最古の文献に「全ての世界を観測する観測者と呼ばれる究極神、フェルマダ=ダ=アウルガダウタ」の存在を思い出すことができるかもしれません。


【エレベーター3】

 セキュリティクラスは1。扉には「27」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「3×3×3」などということになります。

 移動できる階層は【B3F】から【B5F】までです。ちなみに、入力するパスワードは全て共通していますが、解錠すると施錠はされないためあんまり関係ないです。

 エレベーターに近づいた場合、ティンダロスの偵察犬×1との戦闘になります。なお、ティンダロスの偵察犬と遭遇後、特に指定がない場合はファンブルの際にティンダロスの野犬×1と、100ファンブルの際にティンダロスの野犬×2と戦闘になります。こちらのステータスも次の【エネミーデータ B5F】の項目に書いておきます。


【エネミーデータ B5F】


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【エネミー】ティンダロスの偵察犬

耐久値(HP):30 魔力量(MP):15

STR:70

CON:150

SIZ:83

DEX:256

INT:90

POW:120

ダメージボーナス:+1D3

装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。

正気度喪失:1D3/1D20。ただし、既に他のティンダロスの偵察犬を見ている場合や、ティンダロスの偵察犬と同等の存在であるティンダロスの猟犬、ティンダロスの野犬、ティンダロスの闘犬とティンダロスの混血種、上位種であるティンダロスの騎兵、ティンダロスの魔人、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。


1ラウンドにつき1回行動

 戦闘では前脚、噛みつき、舌による攻撃を行うが、滅多に戦闘行動は取らず、基本的には情報収集を行う。


能力・魔術

<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。

<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。

<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。

<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。

<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。


技能(使用率90%)

<観察・情報収集:256%>対象を観察して情報を集積する。基本的に最初のターンに確定で使用する。

<分析・解析:256%>対象を観察して得た情報を分析と解析する。<観察・情報収集>を使用した次のターンに確定で使用する。

<逃走:20%>戦闘から逃走する。基本的に<観察・情報収集>を使用した次のターンから使用する。失敗した場合、次にこの技能を使用する場合は現在の数値に+10%した値で判定する。

<回避:80%>


技能(使用率10%)

<近接戦闘(前脚):50%>ダメージ3D3+DB+青い膿(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。

<近接戦闘(二連噛みつき):40%>ダメージ2D6+DB+青い膿。

<近接戦闘(三連噛みつき):30%>ダメージ3D6+DB+青い膿。

<近接戦闘(舌):40%>ダメージ3D6のPOW吸収(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。

<フェイタルクロー:10%>ダメージ3D10+10%の確率で耐久値の計算をせずに対象を即死させる。

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【エネミー】ティンダロスの野犬

耐久値(HP):40 魔力量(MP):10

STR:100

CON:140

SIZ:82

DEX:130

INT:40

POW:200


ダメージボーナス:+1D4

装甲:2ポイントの皮膚。原作に存在する耐久値の回復及び普通の武器によるダメージの無効化はない。

正気度喪失:1D3/1D20。ただし、既に他のティンダロスの野犬を見ている場合や、ティンダロスの野犬と同等の存在であるティンダロスの偵察犬、ティンダロスの猟犬、ティンダロスの闘犬、ティンダロスの混血種、上位種であるティンダロスの騎兵、ティンダロスの魔人、ティンダロスの狼姫やティンダロスの王ゼドフィアを見ている場合は正気度喪失は起こらない。


1ラウンドにつき1回行動

 前脚、噛みつき、舌による攻撃を行う。規律の取れた猟犬とは異なり野生の逸れ犬のため連携を取ることはないが、遠吠えで仲間を増やしてくる。


能力・魔術

<死体安置所の匂い>戦闘開始時に判定。10m以内にいる全ての人間はCONロールに成功しなければ吐いてしまい、1D6ラウンドの間無力化される。

<超視野>1ラウンドにつき1のMPを支払う。3mから5mの範囲で四次元にいるかのように周囲を見渡すことができる。全ての方向を障害物の有無に拘らず確認できるが、魔術で防御されている場所や球体の形をした場所の後ろを見ることはできない。この視野の効果でどの方向に対しても<回避>ロールが可能になる。

<角を通る> 1ラウンドにつき4のMPを支払う。5m以内に鋭い角度の角があれば、そこから超空間を経由して、最初にいた時空の別の角から現れることができる。角を開くのに1ラウンドを要し、開いた角から霧が噴き出し、2ラウンド目には出口の角から出てくる。

<空間をねじる>1ラウンドに5のMPのコストとして周囲の一部の時空に波紋を生じさせることができる。この空間の外側にいる者からは、全てが捩れ奇妙な方向に引き伸ばされて見える。内側にいる者は自分自身が捩れ引き伸ばされているのを見て、1/1D4正気度ポイントを失う。空間の内側の者がイクストリーム(1/5)のCONロールに成功しなければ、歪み引き伸ばされる効果によって完全に無力化される。空間の外側にいて内側に向かって遠距離攻撃を行う場合、ハード(1/2)の<目星>ロールに成功しなければならない。内側から攻撃するものはイクストリーム(1/5)の<目星>ロールに成功しなければならず、遠距離攻撃の場合はペナルディー・ダイズを一つを受け取る。空間の外側でも内側でも、<クトゥルフ神話>ロール(もしくはハード(1/2)の<科学(数学)>あるいは<科学(物理学)>ロール)に成功し、1正気度ボイントを支払えば遠距離攻撃のペナルティー・ダイスを無効化できる。

<位相転移>1ラウンドにつきMPを4消費して超次元空間に転移する。これにより、通常の武器で受けるダメージを無効化する(魔術的な武器な呪文の効果は受ける)。


技能

<近接戦闘(前脚):60%>ダメージ3D3+DB+青い膿(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。

<近接戦闘(二連噛みつき):50%>ダメージ2D6+DB+青い膿。

<近接戦闘(三連噛みつき):40%>ダメージ3D6+DB+青い膿。

<近接戦闘(舌):60%>ダメージ3D6のPOW吸収(詳細は『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』の294ページか『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1』の110 ページ参照)。

<フェイタルクロー:20%>ダメージ3D10+10%の確率で耐久値の計算をせずに対象を即死させる。

<遠吠え(仲間を呼ぶ):40%>ティンダロスの野犬を1D3体呼び出す。

<孤独な一匹狼:100%>成功すると自身の全てのステータスの値が+10%される。初期値は100%だが、仲間が増えるごとに技能値が-10%される。

<回避:60%>

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【KP情報(B4F)】

 B4F、正式名称は【資料区画】となります。

 詳細は添付資料の地図のB4Fを参照してください。

 完全なる寄り道エリアとなります。最速攻略を目指す場合や敵と戦えるだけの戦力が揃っている場合は探索しなくても特に問題はありません。

 このエリアはB5F同様に無人で、人の気配はありません。


【PC情報(B4F)】

 技能を使わないで分かるものとして以下のものがあります。


●部屋の構造について

 【B4F】に入ったタイミングで【B4F】のマップをPCに開示してください。

 エレベーター正面に扉が一つ、エレベーターから降りた位置で倉庫を正面に見て、右側に扉が二つ、左側に扉が三つあります。

 扉に近づけば、鍵などが何も設置されていない銀色の扉と、扉に何かの数字が書かれ、扉の右隣の壁にカードキースキャナーらしきものと「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,×」という入力ボタンと液晶が設置された電卓を彷彿とさせる謎の機械が融合した見慣れないカードリーダーがついているものの二種類を発見することができます。

 ちなみに全ての部屋に部屋の内容が書かれたプレートが掲げられており、セキュリティクラスが設定されている部屋にはセキュリティクラスも表示されています。これらの情報は何番の部屋を探索するという宣言があった場合に公表してください。

 以下、部屋ごとに情報を記していきます。


【29図書館】

 扉が二つありますが、どちらもセキュリティクラスは無し。

 ジャンルごとに膨大な量の書籍が納められています。

 探索場所は化学・生物学・物理学・数学に纏わる書籍が纏められたエリア、医学や薬学、心理学に纏わる書籍が纏められたエリア、世界各地のオカルトに纏わる書籍や民族伝承、説話など纏められたエリア、怪しげな魔道書が纏められたエリアの五つがあります。


●化学・生物学・物理学・数学に纏わる書籍が纏められたエリア

 調査には<目星>のハード成功(1/2)か<図書館>の成功が必要となります。ここで得られる情報は特段ありませんが、化学・生物学・物理学・数学に纏わる書籍を読んだことで知識が増え、<化学>、<生物学>、<物理学>、<数学>の技能値がそれぞれ3D10%上昇します。

 また、該当する知識を獲得したことでその分野に関わる技術や技能を身につけても構いません。(例えば、爆弾の作り方を学んだことで<爆弾作成>の技能を獲得するなど。ただし、材料や工具などが必要となります)。


●医学や薬学、心理学に纏わる書籍が纏められたエリア

 調査には<目星>のハード成功(1/2)か<図書館>の成功が必要となります。ここで得られる情報は特段ありませんが、医学・薬学・心理学に纏わる書籍を読んだことで知識が増え、<医学>、<薬学>、<応急手当>、<心理学>の技能値がそれぞれ3D10%上昇します。


●世界各地のオカルトに纏わる書籍や民族伝承、説話など纏められたエリア

 調査には<目星>のハード成功(1/2)か<図書館>の成功が必要となります。

 成功した場合、未確認飛行物体やツチノコ、オカルトに纏わる信憑性の薄い情報や妖怪などに纏わる民間伝承の中に全く聞き馴染みのない情報が紛れていることに気づくことができるでしょう。

 違和感を感じつつ調査を進めると、書籍に混じった薄いレポートをいくつか発見することができます。

 レポートの題名は「Tindalos」、「R'lyeh」、「Yuggoth」、「Nyarlathotep」、「Yog-Sothoth」、「Azathoth」、「Ferumada」の七つです。

 別項目に資料としてレポートの内容は載せておきます。

 資料を読んだことで<オカルト>の技能値が3D10%上昇します。また、レポートを読んだ場合、「Tindalos」、「R'lyeh」、「Yuggoth」、「Nyarlathotep」、「Yog-Sothoth」、「Azathoth」一つにつき<クトゥルフ神話>の技能値が1D10%上昇、「Ferumada」を読んだ場合は<ポルナ=パルヴァド神話>の技能値が1D10%上昇します。これについて正気度チェックはありません。


◆レポートの内容について

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「Tindalos」

 我々の暮らす世界、所謂「曲線の時間」の世界とは本質的に異なる「尖った時間」が支配する空間に存在するという文明都市と、そこで暮らす存在のことが書かれています。

 出現するときは鋭角から煙が吹き出し、悪臭とともに頭から徐々に実体化し、時間に干渉した存在を執念深く追いかけるといったことが書かれているようです。

 追記として、長年不明だったティンダロスの一面がボールペンで書かれています。ここで<目星>を振って成功すると、ティンダロスを支配する大君主や王と呼ばれる存在があり、ミゼーア、ムイスラの他に彼らと同格の存在としてゼドフィアの名が書かれています。この追記者曰く、かなりの変わり者のようです。

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「R'lyeh」

 南太平洋の、位置はニュージーランドと南米大陸と南極大陸の中間付近の海底に沈んでいるとされる都市と、そこに住まう存在について書かれています。

 頭足類に似た六眼の頭部、顎髭のように触腕を無数に生やし、巨大な鉤爪のある手足、水かきを備えた二足歩行の姿、ぬらぬらした鱗かゴム状の瘤に覆われた数百メートルもある山のように大きな緑色の身体、背にはドラゴンのような蝙蝠に似た細い翼を持った姿をしている邪神クトゥルフと、彼らに仕える半人半魚の生物である深きものや、彼らの上位種であるダゴンとヒュドラについて、その生態などが事細かに書かれています。

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「Yuggoth」

 冥王星、あるいは、暗黒星ユゴスに棲まうとある生物の情報が記されているようです。

 身体組織は菌類に近く、写真に写らず死体は数時間で分解して消えるという性質が書かれています。

 また、高い外科手術能力を持っており、 脳を摘出して、個別で生存させることも可能であると書かれています。

 地球にはいくつかの鉱石を得るために飛来するとも記されています。

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「Nyarlathotep」

 千もの異なる顕現を持ち、特定の眷属を持たず、狂気と混乱をもたらすために自ら暗躍するとされる科学と魔術に秀でた古き邪神に関するレポートです。

 詳細は不明ですが、彼を崇める集団として現在、星の知恵派というカルト教団が活動を強めていることが書かれています。

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「Yog-Sothoth」

 時空の支配者であると同時に、アカシックレコードと同一視される球形物質の集合体についてのレポートです。情報そのものが少ないですが、「一つ一つが太陽のように強烈な光を放つ玉虫色の球体の集積物」、「絶えず形や大きさを変える虹色の輝く球の集積物」といった表現がされることが多いようです。

 銀の鍵と呼ばれる秘宝を用いることで彼を通過して過去や未来に移動できることや、ティンダロスの者達と敵対していることも書かれているようです。

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「Azathoth」

 巨大な不定形生物についてのレポートです。

 無限無窮の宇宙の最奥、沸騰し湧き立つ原始の混沌の中心、あらゆる次元から切り離され、時間を超越した場所で無聊を慰め、白痴の夢という名の惰眠を貪る創造神であるということが書かれています。この神が目を覚ますと世界が滅び去るようです。

 また、原初の混沌の核と言われるように核エネルギーと同一視されることがあることが分かります。

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「Ferumada」

 強烈で膨大な光のエネルギーについてのレポートです。

 他のレポートとは異なり、「Ferumada-da-Aurugadauta」という名前以外の詳細は不明です。

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●怪しげな魔道書が纏められたエリア

 調査には<目星>のハード成功(1/2)か<図書館>の成功が必要となります。

 成功した場合、1D6冊の任意の魔導書の写本を見つけることが可能です。ただし、『新クトゥルフ神話TRPG』の第11章に載っている魔道書に限られます。

 なお、このエリアで成長する技能は特にありません。


【30資料室】

 セキュリティクラスは無し。図書館と行き来できる扉もありますが、こちらもセキュリティクラスはありません。

 膨大な紙ベースの資料が纏められた部屋のようです。

 探索箇所は本棚と机の二箇所です。


●本棚

 <図書館>を振って成功すると、この施設の運用が八年前から開始されたこと、日ノ本機関と呼ばれる組織によって各地で鹵獲された未知の生物の素体を元に人体実験を行い、生物兵器を生み出す研究がされていたことが分かります。

 しかし、特別高等警察の後継組織として始まった公安警察の捜査で非合法活動の情報が明るみになり、関わっていた者達は全員逮捕されました。

 その後、研究所はそのまま放置されて現在に至るようです。


●机

 技能を振る必要はなく探す宣言だけで大丈夫です。

 メモが挟まった「RSA暗号」と書かれた書籍を発見することができます。

 以下、その詳細です。


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RSA暗号とは

 桁数が大きい合成数の素因数分解が現実的な時間内で困難であると信じられていることを安全性の根拠とした公開鍵暗号の一つ。

 鍵生成、暗号化、復号の三つのアルゴリズムで定義される。

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 資料にはその後、具体的なRSA暗号に関する情報が書かれています。今回はあまり関係ないので割愛します。

 以下はメモに関する情報になります。


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ヴァリアント・セキュリティについて

 研究所を改築する際にいくつかのエリアにセキュリティ装置を設置した。通常は該当のカードキーが必要だが、万が一カードキーがない場合に備えてパスワードを用意しておく。しかし、RSA暗号ではあまりに複雑過ぎるためもっと簡単な暗号を導入する。

 各扉には数字が書かれている。その数字を因数分解し、生じた素数全てを掛け合わせることで扉は開かれる。

 桁数が大きい合成数の素因数分解は現実的な時間では不可能に近い。この点を上手く利用すればセキュリティ問題は十分に解決するだろう。

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 上記のメモはこの建物内のセキュリティシステムについての説明となります。

 ここまでで散々出てきましたが、施設のセキュリティは扉に書かれている数字の因数を全て入力すれば開けることができます。

 情報の開示についてですが、壁の数に対して<数学>の技能を使う場合、セキュリティクラスが1であればクリティカルで因数二つ、通常の成功で因数一つを開示、セキュリティクラスが2以上の場合はクリティカル成功のみで因数一つを開示となります。

 後に出てくる【PCルーム】で<コンピューター>の技能を使う場合、セキュリティクラスが1であれば技能成功で全ての因数が判明、セキュリティクラスが2以上の場合はクリティカル成功で因数が二つ、成功で因数が一つのみ開示されます。

 また、同じく【PCルーム】で<コンピューター>と<電子工学>、あるいは<コンピューター>と<暗号学>を二つ同時に振ることも可能です。この場合、両方クリティカル成功でセキュリティクラスが1と2であれば全ての因数が判明、セキュリティクラスが3であれば因数が三つ判明します。両方成功の場合はセキュリティクラス1であれば全ての因数が判明、セキュリティクラス2以上では二つの因数が判明します。

 その他、<コンピューター>、<電子工学>、<暗号学>を同時に振る場合、全てクリティカル成功でセキュリティクラス3まで全ての因数が判明、全て成功でセキュリティクラス1と2であれば全ての因数が判明、セキュリティクラス3については三つの因数が判明します。

 なお、一つの数字に対して一人のPCは<数学>と【PCルーム】での技能をそれぞれ一回ずつ行使できます。【PCルーム】で技能を振る場合は、予めどの技能の組み合わせで振るかを宣言した上で振ってください。なお、二つや三つの技能を宣言した上で片方のみ成功やクリティカル成功を出した場合でも情報の開示はありません。

 この情報はこのメモを発見した時にKPの判断で開示してもいいですし、開示しなくても構いません。

 パソコンに関する情報については【PCルーム】に入った時点で開示するなど分けて開示するのも良いでしょう。裁量はKPにお任せします。


【31倉庫】

 セキュリティクラスは無し。

 中は棚が並んでいて、様々な物品が無造作に置かれています。

 探索者が自身の所持品を探す場合はKP の裁量で持っていてもシナリオが破綻しないものに限り、処分されず発見できたことにしても構いません。その場合、<目星>か<幸運>で判定して成功した場合に限り回収することができます。

 その他、PLから提案があった場合、倉庫にあっても不自然ではないものに限り、<目星>か<幸運>での判定となります。

 なお、この部屋での探索でクリティカル成功をした場合、古ぼけたレコードのようなものを発見することができます。

 レコードを包む紙の表面には「技レコード<冥府の槍>」と書かれています。裏面には「高度な洗脳技術を利用して技能や魔術を習得することが可能である」と書かれています。

 技レコードに対して<鑑定>や<目星>などの技能を振った場合、自分の理解し得ない何か特殊な技術をもってして作り出されたものであることに気づきます。<SAN値チェック:0/1>です。


 技レコードを使用する場合、正気度を3ポイント消費します。使用することで、技レコードに保存されていた技能や魔術を習得することができます。

 なお、技レコードは何度も使用可能です。


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<冥府の槍>

 本シナリオのオリジナル魔術技能です。

 他シナリオで使用する際は、KP の判断を仰いでください。

 MPを8、1D6の正気度ポイントを消費することで巨大な闇の門を生成、その向こう側から1D10本の闇の槍を放ちます。発動までに必要な時間は1ラウンドです。

 槍は一本ごとに2D6のダメージで、槍の数だけ攻撃を向けられた側は<回避>を振ることができます。

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【32武器庫(上級)】

 倉庫側、シェルタールーム側共に侵入可能です。どちらもセキュリティクラスは2。

 倉庫側から武器庫(上級)に入る扉には「326128732519」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「4373×8039×9277」などということになります。

 シェルタールーム側から武器庫(上級)に入る扉には「10136978557」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「997×1013×10037」などということになります。

 中には無数の棚があり、刀剣や銃火器などが棚に置かれる形で保管されています。また、中心部には金属製の机があるようです。

 調べられる場所は棚と机の二箇所になります。


●棚について

 棚を調べる場合は<目星>を振ってください。

 <目星>に失敗した場合は、ブローニングM1918自動小銃(ブローニング・オートライフルM1918)、ビッカーズ・ベルチェー軽機関銃、ミニミ軽機関銃(FNミニミ)、無銘の太刀を発見することができます。

 <目星>に成功した場合、追加でラインメタル/マウザー・ヴェルケMG34機関銃(MG-34)、FN MAG 、AA-52を発見することができます。

 <目星>にハード成功(1/2)した場合、追加でヴィッカース重機関銃、シュワルツローゼ重機関銃、M134を発見することができます。

 <目星>にイクストリーム成功(1/5)した場合、追加でバレットM82、アキュラシーインターナショナル AW50、PGM ウルティマ・ラティオ ヘカートII 、祢々切丸を発見することができます。

 <目星>にクリティカル成功した場合、追加で南部式大型自動拳銃(南部大拳)を獲得できます。

 各武器の詳細は以下の通り。


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・ブローニングM1918自動小銃(ブローニング・オートライフルM1918)……アメリカ合衆国で開発された自動小銃。1発の火力は2D6+4で、1ラウンドに1発かフルオートの選択が可能。最大装填数は20発で全弾装填済み。判定は<射撃(MG)>で行われる。


・ビッカーズ・ベルチェー軽機関銃……1925年にイギリスで開発された軽機関銃。1発の火力は2D5でフルオートのみ。30発の弾丸が入った箱型弾倉を装填する方式。判定は<射撃(MG)>で行われる。


・ミニミ軽機関銃(FNミニミ)……ベルギーのFNハースタル社が開発した軽機関銃。1発の火力は2D6で、フルオートのみ。最大装填数は200発で全弾装填済み。判定は<射撃(MG)>で行われる。


・無銘の太刀……無銘の太刀。ダメージ1D16+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。


・ラインメタル/マウザー・ヴェルケMG34機関銃(MG-34)……1934年に制式化され製造されたドイツの機関銃。1発の火力は2D6で、フルオートのみ。最大装填数は50発で全弾装填済み。判定は<射撃(MG)>で行われる。


・FN MAG……1950年代にベルギーのFN社で開発された汎用機関銃。1発の火力は2D6+1で、フルオートのみ。ベルト給弾式で、一緒に250発の弾帯を1D4個発見することができる。判定は<射撃(MG)>で行われる。


・AA-52……フランスが第二次世界大戦後に開発した汎用機関銃。1発の火力は2D6+2で、フルオートのみ。ベルト給弾式で、一緒に250発の弾帯を1D4個発見することができる。判定は<射撃(MG)>で行われる。


・ヴィッカース重機関銃……第一次世界大戦と第二次世界大戦の両大戦を通じて運用されたイギリス軍の制式重機関銃。1発の火力は2D6+3で、フルオートのみ。ベルト給弾式で、一緒に250発の弾帯を1D4個発見することができる。判定は<射撃(MG)>で行われる。


・シュワルツローゼ重機関銃……オーストリア=ハンガリー帝国で開発された重機関銃。1発の火力は2D6+4で、フルオートのみ。ベルト給弾式で、一緒に250発の弾帯を1D4個発見することができる。判定は<射撃(MG)>で行われる。


・M134……通称はミニガン。GE社製の口径7.62mmの機関銃。1発の火力は2D6+4で、フルオートのみ。最大装填数は4000発で全弾装填済み。判定は<射撃(MG)>で行われる。使用にはビルドが最低2ポイント必要。


・バレットM82……アメリカ合衆国で開発された大口径のセミオート式狙撃銃。1発の火力は2D10+1D8+6で、1ラウンドに1発まで射撃が可能。最大装填数は11発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>で行われる。


・アキュラシーインターナショナル AW50……イギリスのアキュラシー・インターナショナルで開発されたL96A1を、50口径仕様に再設計した対物狙撃銃。1発の火力は3D10+1D6+1D3+2で、1ラウンドに1発まで射撃が可能。最大装填数は5発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>で行われる。


・PGM ウルティマ・ラティオ ヘカートII ……フランスのPGMプレシジョン社が開発、製造している狙撃銃。1発の火力は4D10+4で、1ラウンドに1発まで射撃が可能。最大装填数は7発で全弾装填済み。判定は<射撃(R/SG)>で行われる。


・祢々切丸……南北朝時代に作られたとされる日本刀。ダメージ1D100+DB。判定は<近接戦闘(刀剣)>で行われる。使用にはビルドが最低3ポイント必要。


・南部式大型自動拳銃(南部大拳)……1902年に南部麒次郎によって開発された日本初の自動拳銃。型式は大型(甲)。『殻』の象徴と呼ぶべき武器であり、魔法によって異常なほどに強化されている。1発の火力は本来の攻撃力である1D6に魔法強化の2D10+2D6+2D3+2を加えて判明する。物理と魔法のどちらにも分類されている攻撃。最大装填数は8発で全弾装填済み。判定は<射撃(拳銃)>で行われる。

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 なお、1クリティカル報酬は用意していません。PLから要求があった場合はシナリオに不都合がない程度で要求を聞いてあげてください。


●机

 机の上には特に何もありません。引き出しに<目星>を振った場合、引き出しの中から様々な大きさの弾丸を発見できます。


【33シェルタールーム】

 セキュリティルームⅡ側、武器庫(上級)側共に侵入可能です。どちらもセキュリティクラスは2。

 セキュリティルームⅡ側からシェルタールームに入る扉には「822486638」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「2×19157×21467」などということになります。

 武器庫(上級)側からシェルタールーム庫に入る扉には「10136978557」と書かれており、打ち込むべきパスワードは「997×1013×10037」などということになります。

 緊急時に避難するために作られた頑丈な構造の部屋です。

 この部屋で<目星>を振って成功した場合、部屋で保存されていた非常食などの防災用品を入手することができます。具体的な内容はPLの提案を元にKPが判断してください。


【34セキュリティルームⅡ】

 廊下側、器庫側共に侵入可能です。どちらもセキュリティクラスは2。

 部屋に入って正面の壁一面に二十個近いモニターが付けられています。

 どうやら監視カメラをモニターする部屋のようですが人の姿はありません。

 ここでは、【1F】か【B5F】まで【2セキュリティルームⅠ】、【3司令室】、【10所長室】、【エレベーター2】と【B3F】の私室と【27大浴場】、【28大浴場】以外の全てのエリアの状況を確認することができます。

 B3Fのエレベーター前に武装した研究員が二人、【7秘書室】に武装した研究員が一人、【1守衛室】に武装した研究員が三人いることを確認できます。それ以外に人影はないようです。


【35 PCルームⅡ】

 セキュリティクラスは無し。

 【29図書館】は紙ベースの資料が大量に保存されていましたが、この部屋ではインターネットでの検索や情報の管理などを行っているようです。

 パソコンにはカードキーの認証装置が付属されています。職員が持つカードキーを通すことでそれぞれに割り振られたのアカウントでログインできるようですが、本シナリオでは職員のカードキーの入手はできないためゲストでログインすることができます。

 探索者が何かしら調べたい場合は<コンピューター>を振ってください。補助として<電子工学>や<暗号学>も振ることができます。

 【30資料室】で説明したセキュリティ暗号の解読に使用するのがメインとなると思います。その他、PCからキーワードが提案されている場合は技能を振って成功した場合、秘匿されている情報をKPの判断で開示しても構いません。

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