親愛だって利用する
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
主人公の序盤の感情が生々しいのでR15です。
気持ち悪いと思われるかも知れません。
基本的に他は健全です。
親愛だって利用してでも手に入れる。
乙女ゲーにおいてガチ恋する位好きなキャラがいる。手を繋ぎたい、抱き着きたい、キスだってしたいし、それ以上の事だってしたい。そう思うくらいのめり込んだキャラだ。
けれどもいざ自分がその隣に立つ想像をすると、齟齬が生まれる。何かが違う。優しく笑いかけるのも、抱き締めるのも、キスするのも、全部、全部、私じゃない。私じゃ駄目だ。君の最上の相手はこのゲームにおける主人公なんだから。
それは例え画面越しであっても、主人公と寄り添う君を見てきたからだと思う。
君の最上の相手は主人公じゃなきゃ駄目なの。良いんですよ。アイドルは叫ばれる為にあるんだから。
それは例え君が目の前に居ても、変わらない事実。どれだけ焦がれても、それは変わらない。
何れ添い遂げる関係にある彼女は、ある特定の異性を見ると目を輝かせる。夜の猫のように瞳孔を開いて釘付けになる。憧れ、恋慕、そんな輝かしい何かを秘めて、じっと彼の事を見据えるのだ。
それを私はただ黙って見据える事しか出来ない。所詮は政略結婚という間柄であった。何なら幼少期の私に対して『外に愛人作るかも知れないけれど、仲良くしよう』と穏やかに言ってのけた程だ。親愛はあっても、恋愛はない。そんな……関係だった。
今日も口には出さないまでも、必要以上に接さないまでも、輝かしい双眸を隣で見る。彼を見る目は何時も楽しそうで、それだけが唯一の救いだった。君が笑顔でいてくれるなら、もう、何でも良い。
そう諦めにも似た感情は持ち合わせている筈なのに、どろりとした黒い感情が心に沸く。
どうして私じゃないのだろうか? 政略結婚の相手だから? そこに親愛はあっても恋愛はないから? 私にだって、君を笑顔にする事ぐらい出来るんだよ。だから、もっと、もっと……。
「どうしたの? そんな暗い眼をして。お腹でも空いてるの?」
「あぁ、そんな顔をしていたかな?」
張り付いた笑顔を浮かべて彼女を見る。この裏の焼けるような感情に気が付いて欲しいと思うのは、ただの我儘である。面倒臭いな恋心は。
自己嫌悪に落ちぶれるのを他所に、彼女は考え込む。
「うーん……。目だけかな? 君、あんまり感情が表に出るタイプじゃないから」
「少し……疲れてしまったのかも知れない。抱き締めても?」
「えぇ、勿論。頭を撫でてあげましょう。貴方が何時もしてくれる様に」
そう言って、彼女の方から抱き締めて背を摩って、髪を撫でる。自分よりも頭一つ分低い肩に顔を埋める。同じ様に強く抱き閉めると、女性特有の香りに包まれる。そうすると、例え偽りであっても自分の物になった気がして、気分が少し落ち着いた。
「茶会にしましょう。そうして何時ものように話していたら、きっと悩みの種も見つかるわ。そうしたら、一緒に解決しましょう」
彼女は優しい。偽善ではなく、きっと本心から。でもそれさえ利用してでも、君を心から手に入れたい。いや、手に入れる。それまで君は他の誰かに目を輝かせてると良いよ。
「あぁ、勿論」
この悩みは一人ではどうしたって解決出来ないのだから。
生々しい感情抱くぐらい、主人公とくっ付けたい攻略対象のことが好きなんですよ。
でもガチ恋特有の妄想を広げたら、
『なんか違う( '-' ) それはもう略奪愛……( '-' )』
となったので、素直に推してます。
それはそれとして自分にとっては付き合えなくともアイドルのような存在。
推しが目の前にいたら、半狂乱になりますよね?
そういう事です( '-' )
だからギラギラ双眸です。
でも傍から見れば推しと恋心なんて似たようなものです。
口に出してないことが滑車かけてます。
恋心抱いてる旦那は面白くないよねー。
ましてや『外に恋人作ることもあるけど、仲良くしようねー』なんて言われたら。
『自分は恋愛対象じゃないのに、相手はそうなんだ』って思いますよねー。
軽いヤンデレな気が来ます。旦那。