集会所に残されたメモ
Yより
各家や集会場
そして霊達の独り言、すみれの話でこの村の事がわかって来た
時代は戦後あたり
村の名前は富田村
名前のとおり、田・・・米の収穫量がすごい村だったそうだ
そのためか、この地方での村の権力者の発言力が高かったとある
周りの村では不作だったり水害がある一方
富田村ではまるで何かに守られるかのようにそういうものは無かったみたいだ
村では年に一度、収穫祭があった
その祭りでは来年の豊作を願い、村で一番器量の良い処女の娘が巫女として、生贄にされた
巫女に選ばれる事は大変名誉な事
巫女は「神踊り」という舞を踊りながら、池に沈んでいったらしい
(その池が恐らく 贄人の池と思われる)
以上が表立った情報
以降は裏の情報
生贄を捧げる事で村が豊かになるのは事実だった
コレは、村に崇め奉られた(自称含む)「神」がいたから
この神の名前は正確には記されていない
村人が「富神」様と崇めていた記述は多くあった
巫女が池に沈むと、そこから大量の蟲が這い出す
その虫が田畑の土に潜り、土地を豊かにしたそうだ
生贄を捧げる事で、神はちゃんと仕事をしていた
意外にもね
だがとある年の収穫祭で、不幸が起きてしまう
ある年に決められた巫女がとても美人で
その時の村長の劣情を刺激してしまった
(ちなみに村長=神を奉る宮司の家系)
事もあろうに、収穫祭の日に村長が巫女を強姦してしまう
村長としてはどうせ死ぬからバレないと思っていたんだろう
だが神はソレを許さなかった
非処女の巫女を沈めた池からは、いつもと違う蟲が湧きだす
それが村人と同化し化け物となり、神の力でこの村も隔離された
ちなみにその原因となった巫女が、贄人の池に居るすみれだ
あと、何故僕達のような外部のモノがココに迷い込むか
理由は定かではないが
「化け物となった村人達がいまだ収穫祭のように生贄を求める」
「生贄を捧げればいつか許しを得られる」
それが総意となり、外部から生贄として人々を招き入れている可能性が高い
文字どおり
僕達は贄人だったわけだ
池の水は廃坑の奥の水脈と繋がっていると聞いた
恐らくそこにくそったれな神がいるんだろう
そいつを殺せばここから出られると信じ
僕は廃坑へと向かう
もし貴方が追い付いたのなら
一緒に戦おう