↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
56/224

事故物件 ~エピローグ~

本日2話投稿しています


「ねぇねぇ、帰り、寄って行こうよ」

「うーん……ごめん、パス。肉以外ならいいんだけど」


本日の授業が終わり、各々の放課後を過ごし始める教室内。

荷物をまとめる眼鏡娘へ、ボーイッシュ娘が明るい口調で尋ねてくる。

だが眼鏡娘は顔を曇らせ、ボーイッシュ娘からの誘いを断った。


「あー……、もしかしてあの事件?」


世間を震撼させている、『食人家族』。

近所でも評判だった家族が、カニバリズムを信仰していたというおぞましいニュース。


事件の噂を調べていく内に、眼鏡娘はその狂気に触れたのだろうと。

ボーイッシュ娘は何となく理解してしまった。


「まぁあの事件、被害者が加害者だったって点も騒がれたからね」

「うん……、今日は大人しく喫茶店でも行こうか」

「そうだね!夢見羅観香のあの番組の事も話し合いたいし!」

「アレ、本当にフェイクなの?なんか全部リアルな心霊現象に見えたんだけど……」


今、『食人家族』とは別に世間を騒がせている話題。

それが、夢見羅観香が大活躍した『拝見させて貰えませんか?』と言う番組だ。


コレは毎週、有名な芸術家のご自宅にお邪魔する番組で、毎回リポーター役が変わる。

今回は人気沸騰中のアイドル夢見羅観香が、先日死亡した有名画家、豆屋三郎氏の豪邸を取材する内容であった。


だが、何故かスタッフ一同が、異変に襲われ始めた。

ラップ音とかではなく、明らかに殺意のある心霊現象。

スタッフ一同は命を諦めるも、意地でカメラを回していた。


結局は夢見羅観香が先導し、怪異を解決。

死者を出す事も無く、豆屋邸を脱出する事が出来たのだ。

途中、夢見羅観香の背後に加宮嶺衣奈の霊が色濃く見える事も含め、芸能関係の話題を独占していた。

なお件の豪邸は崩れ去り、美術関係者の多くが頭を抱えているという。


「実物じゃないでしょ!斧がどっから落ちて来るとか、影がどこまで伸びるとか、台本じゃないと無理でしょアレ」

「そうかなぁ……、本物っぽかったけどなぁ。……あ、彼岸花」


教室の花瓶に、クラスの女子が彼岸花を生けた。

この時期、畑の周りに群生する、赤くてきれいな花。


「あー、コスプレで口に咥える人が居て、問題になったっけ」


ボーイッシュ娘の言葉に、眼鏡娘が頷く。

彼岸花は毒を含み、口に咥えるだけでも危ないのだ。


「それとは別に、不吉な花として嫌う人もいるけどね」

「お墓にもいっぱい生えてるもんねー。あ、そういや彼岸花でも面白い話があったっけ」


ボーイッシュ娘がスマフォを弄り、都市伝説系の画面を出す。


「地方都市でね、道に彼岸花が一杯生えてて、それに沿って進んでいくと迷宮に入り込むんだって」

「あー、アレか。鈴が鳴ったり、能面つけた巫女が見えたりする奴ね」

「鈴は鈴でも甘寧様なら大歓迎なんだけどね」

「はいはい。迷宮に入ったら、誰も生きて出られない、か」

「毎回思うけど、何でそう言うのが解るんだろうね。実際脱出できた人がいるのかな」

「それ言い出したら、都市伝説全部に当てはまっちゃうでしょ……」


ふと、鈴の音が響いた。

二人は驚くも、クラスの女性のカバンに付いたキーホルダーだと解り、息を吐く。



その後ろでは、彼岸花が……夕焼けの色を、その身に受け止めていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
夢見羅観香の大冒険、1タイトルになるやつだ。
[良い点] すげえ羅観香サン、間宮邸、攻略してるー?! 名作だけど子供の頃、影が怖くなったトラウマがががが・・・・・・ でもたしか、「エクソシスト」みたいにガチの霊障がオリジナルフィルム周辺とかで起き…
[一言] 凄く読み易い作品です。 続きも楽しみにしてます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。