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【過去】

執筆再開は1月中旬ごろになるかも知れません

ご迷惑おかけします

感想はその後に順次返させて頂きます


ウオォォーオォォォ……


 ウウウウォォオオオオー……


「おぉ、島神様がお喜びじゃ! この度の契りで男船島はますます栄える事でしょうな!」

「これが、話に聞く……」

「えぇ! えぇ! 島神様の声ですじゃ! 島の皆も喜ぶ事でしょう!」





「宵、お前には島神様の事を話しておかねばならぬ」

「お聞かせ下さいませ、旦那様」

「うむ。この島には神様がおわす。我々は島神様と呼び、日々感謝を捧げておるのだ」

「それが、港にある祭壇なのですね」

「うむ。この島の炭鉱は島神様のおぼし召しだ。今後ますます発展するであろう」

「おかげで女港島の働き口が増え、兄も喜んでおりました」

「うむうむ。……ふふふ、島神様はたいそうお前を気に入った様子」

「……光栄でございます」

「これならば子供達も寵愛を受ける事が出来る。女としての役割、しっかりと果たせ」





「気に食わないねぇ、あの女」

「本当にね、余所者のくせにでかい顔して」

「ふふ、貴女の旦那もあの儚い様相に腑抜けてるものね」

「……ねぇ、子供出来なくしようか」

「あんた、何考えてるのさ」

「五百蔵の跡継ぎを生めば、あの女に手が出せなくなるわよ」

「それは嫌だわ」

「でしょう? おばばから教わった薬、使っちゃおうか」

「じゃあ、そうしましょう」





「喜べ、宵! お国がこの島を拠点化してくれるそうだ!」

「まぁ! おめでとうございます!」

「うむ! 石炭の量が増えたからな、本土から多くの人足が訪れる。忙しくなるぞ」

「……あの」

「もちろん、お前の故郷からも多くの者を雇い入れよう」

「ありがとうございます」

「うむ。しかし……なかなか子ができぬな」





「この石女め! さんざん目をかけてやったのに!」

「ぎぃっ⁉ おゆ、るし下さい! 旦那様!」

「俺が本土の連中から何と呼ばれてるか解るか? 種無し、だぞ! こいつめ!」

「げふっ! いだい! がふっ⁉ お腹、が!」

「喜助様! 奥様は島神様に愛される存在です、それ以上は」

「……ふん! 逆にそれが枷になるとはな」





「喜助様、よろしいでしょうか?」

「どうした、たま子」

「宵様ですが、要は子が生まれれば良いのです。ならば人足達に……」

「……止む無しか」

「宵様の血の繋がった子であれば、島神様も何も仰らないかと」

「うむ。……だが、それで生まれた子は跡継ぎにはせんぞ」

「えぇ。御跡継ぎはこのたまにお任せ下さい」

「はははっ、こやつめ! ただ、石女とは言え扱いには気を付けよ、島神様の怒りを買わぬようにな」

「……畏まりました」






「うん? なんだ、この汚い人形は」

「真っ黒じゃねぇか、汚いな」

「本土組のじゃねぇか? 残してきた子供が作った奴だったりしてな」

「大事なモノじゃないか。じゃあ、火種にしないとな」

「がはは! 燃やせ燃やせ!」



「……お兄、様」

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― 新着の感想 ―
何かしら有るとは思ってたがまさか薬で子供産めなくして更に虐げていたとはな。島が沈んだのも島神様が怒ったからでは?なんにせよ智彦よ、早く来てくれ!
年跨ぎゲンナリエピソード、智彦〜早く動いてくれ〜親友夫婦は怪異であっても常識()枠だぞ!(因習の)何もかも無茶苦茶にしてくれ〜。 今年もお忙しい中お疲れ様でした。
ドクズな連中やな。
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