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贄人の池奥の社に残されたメモ
本当にくそったれだ
神は殺した
正直、肩透かしだった
これで帰れると思った
黒幕はすみれだった
あの女
ふとしたきっかけで外の世界を見て
幸せそうにしてる現代人を憎み
こっちの世界へ迷い込ませ
必死に生き残ろうとしてる俺達を嘲笑って楽しんでやがった
絶望して死ぬのを見るのが愉快と笑ってやがった
本来であればこの世界はこのまま固定され
悠久の時を過ごす筈だったらしい
まぁべらべら喋った後すみれは悪霊化したが
相手にもならなかった
村長の所に連れて行き、打ち付けて、村長共々ずっと苦しむようにした
この世界がどうなるか解らない
だが、全ての化け物は駆逐したはずだ
化け物共が復活するかはどうかは解らないけどね
だが、すみれを弱体化させた事で、元の世界への扉が開いた
俺は今からすみれの被害者の遺品を持ち、外へと出る
願わくば俺が残したメモを読み、生き残れた人がいる事を信じて
あぁ
久々に陽の光を見れる