表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/990

98.倒壊

更新遅れましたー再開です

フリッツは、半壊に近い主城を仰ぎ見て、

己の見通しの甘さに怒りが収まらなかった。

兵士が動員されて、瓦礫の撤去が既に始まっていた。

ナーシャからの指示である程度、準備をしていたようであった。


 フリッツは、最も激しく倒壊している場所に向かい、

耳を澄ました。この男の五感は異常だった。

二人の微かな呼吸を感じ取り、

的確に瓦礫の撤去を始めた。

そして、リシェーヌに覆いかぶさるナーシャを見つけた。


 フリッツの眉間に珍しく皺が寄り、

凶悪な表情で二人を見つめた。

主城の兵士がフリッツの後を追ってきたが、

強烈な殺気ために遠巻きに待機していた。


「これは、どうゆうことだぁ。

おいおい、護衛が何で守られていやがる。

逆だろうがよう」

周囲は静寂が支配していためにフリッツの声は、

兵士たちにも聞こえていた。


「おい、聞こえているだろう。

さっさと、こっちに来い。

薬草や僧侶もいるだろうな」


兵士たちは極度の緊張を伴って、近づいた。

フリッツは、ナーシャの汚れを拭き取り、

兵士の持ってきたシーツでナーシャを包んで抱き上げた。


「フリッツ様、こちらの方はどういたしますか?」

兵士は指示を仰いだ。

そして、衝撃の光景に全員がその場で固まってしまった。


「ああっ、知るかよ。

たった一つの事すら、できない出来損ないのことなど、

貴様らで焼くなり煮るなり犯すなり好きにしろ。

ここなら、誰にも見られないだろうが。

ちなみにこいつは処女らしい」

そう言うと、リシェーヌの頭をつま先で

勢いよくこづいた。

普通なら、酷い怪我になるところだが、

ナーシャの精霊魔術のお陰で

然したる怪我の追加にはならなかった。


フリッツは、ナーシャを抱えたまま、何処へと去った。


呆然とする兵士たちであったが、四肢を酷く損傷し、

虫の息の少女に欲情する男はおらず、

一先ず、無駄だと思いつつも最低限の治療を施し、

現場を指揮する将軍の下に戻った。



 窓より射しこむ朝日により、誠一は眼が覚めた。

強い日差しが一瞬、彼の視界を奪うが、

徐々にその日差しにも慣れて、周囲を見渡した。

ここは自分の寝室であった。

確か、ファウスティノに感情の赴くままに

詰問し、戦い、意識を失ったはずだった。

どうやら、学院長の温情に助けられたようであった。

誠一は節々に痛みを感じるが、致命的な怪我は

見当たらなかった。

今日の日付を確認すると、どうやら昏倒してから、

4日ほど、経過しているようであった。

誠一は、ベッドから起き上がった。

ふと、誠一は屋敷が妙に静かなことに気が付いた。

無論、普段から静かではあったが、

それでも使用人たちの声や足音が

全く聞えないと言うことはなかった。

晴天の中、物音一つしない静寂を誠一は

不気味に感じてしまった。

ゲームの中で思うのもおかしいが、

実は自分はいまだに夢の中、最悪、

死んでしまったのだろうかそんな思いに

囚われていた。


よろしくお付き合いください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ