表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

942/950

947. 北関攻城戦3

激突必死!

戦場の最前線では、王国軍とジェイコブの軍勢が

正面から衝突していた。

ジュリアスは、防衛戦に秀でており、

それは現在の侵攻戦にも色濃く反映されていた。

王国軍の兵数はジェイコブと北関の総兵力を

上回っていた。

北関の抑えに一定の兵力を割き、誠一たちを

後詰めの軍として捉えて、左、右、中央と

3軍に落ち着いて展開し、突出してきたジェイコブ軍を

包囲殲滅するように陣形を構えた。

中央の構えは最も重厚で、どっしりと構えて

ジェイコブ軍を迎えうった。

左右の軍は突出し過ぎずにジェイコブ軍の左右から

挟み込みように動いた。


 季節は、誠一の元いた世界でいう秋であった。

快晴だったが、暑すぎず過ごしやすい気温であった。

北関近辺の乾いた地域は湿度も低かった。

それでも戦場は、兵士たちの熱気と殺気で、非常に熱かった。

 

 互いに矢や魔術が十分に効果を発揮する距離になると、

王国軍はそれらを放った。

王国軍の三方向から放たれる矢や魔術は、

ジェイコブ軍に豪雨のように降り注がれたが、

進軍の速度を鈍らせることはできなかった。

王国軍はジェイコブ軍に喰いつかれた。

予想外に早いジェイコブ軍の動きで王国軍は

対応が後手に回っていた。

遠距離戦から接近戦への切り替えが上手くいかず

中央部の前線は混乱してしまった。


 ジェイコブ軍は王国軍の中央部に喰いついた。

肉食獣が得物を食い破る様に王国軍を引裂いた。


「ぐぎゃああ」


「ぎゃああ」


「ころせコロセ」


悲鳴と咆哮が入り混じり、異様な声だった。

ジェイコブ軍の兵士たちは一応に目が血走って、

口から涎を垂れ流していた。

人とは思えぬ敏捷と耐力で王国の兵を叩き潰した。

ジェイコブ軍の兵士たちはモーニングスターや

フレイルといった打撃武器で人とは思えぬ膂力で

剣や防具ごと王国軍を叩き潰していた。

 致命傷を受けて尚、四肢が欠損していなければ

前進をやめない異常な兵士が王国軍の中央部を侵食した。


 島崎は居城の最上部から高みの見物を

決め込んでいた。

島崎に耳打ちをしていた文官が島崎に

鼻っ面を殴られた。

島崎に付き従っていた諸将は、

突然のことに息を呑み、黙った。


「おい、アレは王国軍じゃない。

ダンブル皇帝陛下に反抗する賊軍だ。

言葉遣いに気を付けろ。

後方に陣取っているのが佐藤の飼い犬の

アルフレートだな」

 

島崎は、本来の調子を取り戻していた。

殴られた文官はフードを深く被っており、

誰にも表情を読み取ることは出来なかった。


 「ぐううう、奴の陣まで崩すには遠すぎるか、

引き出して賊軍の混乱に巻き込むことも無理か?」

島崎が居並ぶ将を見回すが、目を合わせる者は

皆無であった。

島崎のすぐ左後ろに立つ無口な武官が島崎の前に出た。

「出来るのか」

その武官は頷き、右指で大きく弧を描いた。

島崎は理解し、にやりとした。諸将は理解したが、

その実現性には懐疑的であった。


「よかろう。やれ。あいつ、確かバッシュとかいったな。

奴から提供された丸薬が残っていたはずだ。

馬と兵に飲ませろ。

それと混乱に乗じて、賊軍の将を討つために

借り受けた暗殺者共は、全てアルフレートの方へ回せ。

奴以外は、他の連中は生死を問わずだいいな」


武官は深く一礼し、その場を去った。

隣の文官が再び島崎に囁いた。

島崎はニヤリと笑った。


昼間、暑くて、寝れない!何かいい方法、教えてー


『起きるとそこは、森の中。可愛いトラさんが涎を垂らして、こっちをチラ見!もふもふ生活開始の気配(原題.真説・森の獣)』


こちらも読んで頂けると幸いです。

良ければ、ブックマークと評価をよろしくお願いします。

★★★★★にしてくれると嬉しいです。

ポイント増えろー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ