81.策謀2
リシェーヌ!どうする???
「リシェーヌ、俺らは応接室に行くぞ。
さっさとしろ、俺はこれを終わらせて、
ナーシャの寝室に早く行きたいんだよ」
本音がだだ洩れの勇者だった。
リシェーヌは、呆れたようにフリッツを見たが、
何も言わずについて行った。
説明を受けたリシェーヌは、頷いた。
要するに失ってもよい駒を配置しておきたいのだろう。
何故、私なのかを冷静に考えると、私を生死に
関わらず入手したい組織が動く可能性が
あるからなのだろう。
つまるところ、私を囮にして、ナーシャ様が
精霊魔術を展開する隙ができればいいとのことだ。
「そうかそうか、やってくれるか、助かる。
だが、まあ、死ぬかもしれん。
おまえも恋仲の男がいるなら、さっさとやっとけ。
死んだら後悔もできないからな」
この男なりに気をかけていることは
伝わってきたが、優先順位を違えることはなかった。
そのために自分が死ぬことを言い含めて、
こんな言い方になってしまったのだろう。
「いえ、そのような人はいませんので。
お気遣いありがとうございます」
「ん?そうなのか。
最近、おまえさんの周りに纏わりつく
エスターライヒ家の小僧がいると聞いていたが、
小僧の1人相撲だったか!」
と言って、フリッツはげらげらと笑った。
リシェーヌの頬は紅く染まっていた。
悟られまいとしたが、上手く行かず、
この場にいる3人の大人に
見透かされることになってしまった。
「リシェーヌ、今回の件は本当に死ぬかもしれない。
思慕する人がいるなら、どのような形であれ、
伝えておきなさい」
司祭は優しい眼差しでリシェーヌを包んだ。
「リシェーヌ、この内容を漏らすことは
厳禁だが、アルフレートだけには何かしら
伝えておいた方がいいだろう。
死んだとしても王宮での事、秘密裡に
処理されるからな。
察しのいいあいつのことだ、
おまえが突然、消えたら、
必死になって探すぞ。
俺としては断って欲しいんだが」
バルドロは心配そうな表情であったが、
決して彼女の決意を否定することはなかった。
「おい、相手がいるなら、
さっさとそいつと寝ておけ。
まあ、どっちでもいいがな。
決めた以上、逃げ出すことだけはするなよ。
そうなったら、四肢を切り落としてでも
役に立って貰う。いいな」
フリッツは念を押す様にリシェーヌを脅した。
その瞬間、司祭とバルドロはフリッツに
殺気を放ち、それに気づいたフリッツは
頭を掻きながら、予定を話すと早々に退散した。
うーん、死亡フラグなのかな???




