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60.隊商の護衛4

昆虫系は苦手

「こりゃ凄いな。これが本職の力ってやつか」

心底、感心しているヴェルであった。

補助魔術を展開しつつ、前衛の討ち漏らしを

短槍で倒すヴェルであった。


リシェーヌと誠一も同じく中衛で蜂を倒していた。

「アル、大丈夫?」

なんとか倒しているが、生理的にどうも受け付けない

この状況が彼の体調を悪くしていた。

気持ち悪く今にも吐瀉しそうであった。


10分にも満たない戦闘で一掃されていた。


「キャロ、一匹に追尾のための矢を放ったか?」


「もっちろーん。問題ないよ。

すぐに向かわないと不味いけどね」

二人の会話から、どうやら巣の破壊に

向かうことになりそうだった。


「ここは中衛のメンバーで向かわせてもらう。

シエンナが戻り次第、巣の破壊に向かう」

ロジェがそう言うと、

「おいおい、ちょっとそれは危ないだろう。

そこの小僧は真っ青だぞ。戦力になんないだろう。

それに魔術師がいないとちときついだろう」

盗賊が反論したが、ロジェは意に介さなかった。


「この程度はこの子らにとっては良い経験だ。

死ぬようなら、あの魔術院を卒業などできないだろうよ。

それより、隊商の護衛に就いているより

リスクが現状、低い」


「そりゃそうだな。

最悪、人を殺すよりマシか、いいだろう。

おまえらが戻るまでこの死骸の処理でもしとくわ」

盗賊は納得したようだった。

そして、他のメンバーも了解したような仕草をした。


シエンナが合流すると同時にキャロリーヌを

先頭に巣に向かった。


 キャロリーヌを先頭に道なき道を進む一行。

たまに出現する蜂を倒しながら、一本の巨木の前にでた。

巨木の周りを蜂が不快な音を立てながら、

飛び回っている。


巣は、巨木へ纏わりつくように形成されていた。

始めて見る誠一は、その大きさに圧倒された。


ヴェルに代わり、先頭に出て、状況を観察するロジェ。

「ふむ、中型のサイズだな。

しかもかなりの働き蜂は倒したようだ」


ふと、誠一にとっての素朴な疑問を投げかけた

「あれも蜂って呼んでいるんだ?」

「むっ、アルは細かいことをきにするね。

正確には殺人蜂だけど、蜂でわかるでしょ」

リシェーヌが誠一の質問の意図と違ったことを

話したが、誠一は必要な情報を得られたので、

軽く頷いた。


「シエンナ、最大魔力であの巣を水で覆えるか?

維持する必要はない。奴らの機動力を削ぐことが目的だ」

ロジェが指示した。


「できます。では、その後、補助魔術を

かけて貰って、殲滅に参加します。

アル、よろしくね」

と言って、アルの手を握り、傍に引き寄せた。

若干、リシェーヌの眉間に皺がよった。


「キャロ、速射のみで撃ち落せ。

五月雨討ちや剛爆弓の広範囲殲滅系は使用するな。

標準的な解毒薬はあるが、刺されないように注意しろ。

まれにだが、刺されると一撃で死ぬ時がある。いいな」

ロジェは武器を握り直すと、シエンナに合図した。

普段より長い詠唱が始まった。

「集まれ集まれ、水球よ。

ここに集まれ。ウォーターボール」

ピシッ、魔力補充用の魔石の割れる音がした。


ウォーターボールの重ね掛けによりできた

巨大な水球がシエンナの頭上にあった。

ゆっくりと水球が動き始めた。

巣に近づくと蜂が纏わりつき、牽制するが、

効果なく、巣の頭上付近に到達した。


キャロリーヌが上空に向けて一矢、放った。

そして、それは巣の上部に大穴を開けた。

「シエンナ、やれぇー」

ロジェは叫ぶと飛び出した。


水球は破裂し、巣の外部と内部に流れた。

外部にいた蜂たちはロジェを敵と認識し、

向かってきた。

巣穴の出入り口から、比較的被害の小さかった蜂が

飛び出そうとするが、キャロリーヌの矢によって、

撃ち落されていた。


リシェーヌとヴェルも飛び出し、蜂と会敵していた。


ちなみに蜂の子は、くりーみーです。

経験者談

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