52.チーム戦6
ファブリッツィオ、ガンバれ!
精霊を纏ったまま、リシェーヌは、
戦士と対峙する誠一の元に向かった。
リシェーヌの戦闘を観戦していた3人は、
三者三様の感想を抱いていた。
「あれはよろしくないな。
少し導いてやる者がいないと。
次の護衛任務で少しその辺りを
指導するかな」
とロジェが呟くと、
それに反応したキャロリーヌが言った。
「それにしても恐ろしい才能ね。
どこまで伸びるか楽しみ。
それよりも戦闘中ですら彼女に注目せずに
いられないあの魅力。
次の護衛任務で少し女性の武器も
指導するかなぁ」
「馬鹿が!肌に傷が残ったら、
どうするつもりなんだ。
それより、おまえら、俺のフィアンセと
どこかに行くのか?勝手は許さないぞ。
どこに行くんだ、言え、おい、話を聞け!」
ティモールの喚き声を無視して、
ロジェとキャロリーヌがお互いの主張を
譲らずに睨み合っていた。
「おい、いい加減に諦めろ。
どうしたって、貴様じゃ俺は倒せんぞ。
何度、這いつくばれば気が済むんだ、
ストラッツェール家の二男坊」
「はぁはぁ、ノーマルランクが語るな。
守るべき対象に守られるようでは、本末転倒。
退けぬときがあるのは貴様も判っているだろう。
そして、己の信条すら守れぬ男が
リシェーヌの隣に並ぼうとするなど、
おこがましいだろうよ。剣閃二段切り」
何度も倒され、ふらつきながらも
ストラッツェール家の秘剣を放った。
しかし、放たれたその技は、到底、秘剣と
呼ばれるようなものでなく、単に技の型を
なぞっただけであった。
遠目でそれを見ていたティモールは、
吐き捨てる様にファブを罵った。
「恥さらしめ。なんだアレは!
訓練とは言え、奴は戦場で踊っているのか」
「ふん、追い込まれた時、最後の最後に
すがるには、少々、鍛錬が足りないな。
それは技とは言えないぜ」
容易く躱すと、そのまま、ファブを掴み、
大地に向かって叩きつけた。
「ぐげぇ」
ファブは咳き込んだ。
「終いだ。努力しろよ。
さてと、あの二人の戦いぶりを
楽しませて貰うかな」
気絶している二人の男と
苦しそうに咳き込むファブに祈りを
唱え、回復を促した。
己の信念に準じる男




