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45.初依頼報酬

ぎこちない二人

道端でリシェーヌの後ろ姿を眺めながら、

立ち尽くす誠一。

ゲームの冒険では触れられぬことであっため、

失念していた。

人には生理現象があり、冒険中であっても

戦闘中であってもそれは、人体が必要と

感じれば生じる現象であった。


察することのできなかった己の配慮の

無さに自己嫌悪に陥っていた。

頭を掻きむしりながら、屋敷に戻った。


 お互いによく眠れぬ夜を過ごした

誠一とリシェーヌだったが、二人とも

遅れずにギルドの前で落ち合った。

二人はぎこちない挨拶を交わした。


「その次回からは、ちゃんと取り決めを

しましょう。

お互いに誤解を招くことになるから。

そうでしょ、変態さん。

まあ、心配してくれたことには

お礼を言う。ありがと」


久々にリシェーヌから聞いたその言葉に

誠一は少しムッとした。

しかし、事実、少し興奮していたことに

後ろめたさも感じており、実年齢では遥かに

歳上のため、事を荒立てることなく、

リシェーヌの言葉を受け入れた。


 リシェーヌは受付に向かわず、

依頼の掲示されているところに向かった。


「リシェーヌ、そっちは受付じゃないけど、

どうした?気になる依頼でもある?」

誠一がリシェーヌに尋ねた。


「ええ、大有りよ。

何ために依頼以上に鑑定眼を用いて、

薬草や希少な物を集めたと思う?

市場に売るのもいいけど、手持ちの物で

カバーできる依頼を確認しているの。

そうすれば、すぐに依頼完了になるでしょ」


逞しいというか何というか、

誠一には全く無かった発想のために

感心してしまった。


「本当は市場での相場と報酬を

比較したいけど、今は、ランクと知名度を

上げたいから、依頼があれば、そちらを

優先するけど、いい?」


段々と会話からぎこちなさが無くなり始め、

それにホッとした誠一は、うんと頷いた。


「きょろきょろせずに、アルもちゃんと探して。

あっ、これはOKだね。3つくらいあるかな」

依頼表を取ると、相変わらず人気のない

受付の場所に向かった。


「おい、こら、小僧に小娘が若いうちから、

こんな手抜きを覚えるんじゃねえ。

ったく、ちったあたぁ苦労して身銭を稼ぐんだな」

ぶっきらぼうに言うが、依頼は受理され、

その場で完了した。


「違うし、手抜きって言うのは、

貴族様が市場で購入して持ち込むのでしょ。

私たちは、手際が良いって言うんだよ」

勝ち誇るようにリシェーヌが胸を張って

男に伝えた。


「ふん、物はいいようだな。まあ、いいい。

それより、リシェーヌ、今日はもう帰れ。

お前がここに出入りしていると

既にストラッツェール家の長子の耳に入っているぞ。

昨日、取り巻きとここに現れた。

面倒事は御免だ。さっさとか・え・れ!」


男の言葉を聞いて、減らず口を叩かずに頷くと、

リシェーヌは、誠一の手を取って、

足早にギルドを出ようとした。


その矢先、二人は、数人の男たちに囲まれた。

その中に2人、リシェーヌにとつて、見知った顔があった。


逞しい!

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