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175.悩み事1

誠一さん、熱い視線を感じる!

誠一は頭を悩ませていた。

シエンナがファブリッツィオを公開処刑した後から、

四六時中、誰かの視線を感じていた。

進級試験までの期間は短かった。

そのようなことを気にしている余裕はなかったが、

どうもむず痒く、講義に集中できなかった。


 くそっこのままじゃ不味い。

誠一の焦りがたまに態度に出てしまい、

ヴェルやシエンナにあたってしまった。


そして、そんな状況が1週間程続き、

流石のヴェルも積もりに積もった不快な気分が

爆発してしまった。

ちょうど、最終の講義が終わり、

講堂には誠一、ヴェル、シエンナの三人だけであった。


「アル、最近、おまえ、ちょっとおかしいぞ」


「ちょっと、ヴェル。

言うにしてもそんなにいきり立たって言わないでよ。

喧嘩腰じゃない」

シエンナは、言い方を注意するだけで、

ヴェルの意見を否定することはなかった。


誠一も心当たりがあるだけに心穏やかに

とはいかず、語気を荒げてしまった。

「おかしいって何のことさ。

君の問題点を指摘しただけだろ。

そんなにキレてるは、

図星を突かれただけだからじゃないの?」


「おまえ、言うに事を欠いて、それかよ。

マジでありえねー」

青筋を立てて、怒り出すヴェルを

落ち着かせようとするシエンナだったが、

どうも逆効果だった。


「ちょっと、ヴェル、落ち着てよ。

アルの指摘がちくちくと嫌味を

言われている気分だったんでしょ。

ちょっとした行き違いだからね」


「うるせー。シエンナ。おまえだって、

イライラしてたじゃねーか。

なんでアルの肩を持つんだよ。

そんなことしたって、アルの気は惹けねーぞ」


今度はシエンナがこめかみと豊かな胸を

ぷるぷるさせていた。

どうにも収拾がつかない状況に陥ってしまった。

何故かシエンナとヴェルの間で壮絶な言い合いが

始まっていたが、誠一にはどうすることもできず、

途方に暮れていた。


「ふむ、一体、どういうことかね。

誠、いや、アルフレート君、説明しなさい」

突然、講堂に現れたファウスティノだった。

誰かが騒ぎを聞きつけて、講師に連絡したのだろうか、

それとも講堂を監視するための何かしらの

魔術が発動したのか分からないが、

とにかく学院長が現れた。


「学院長、この色ボケが!」


「学院長、このアホウが!」


ファウスティノの一瞥が

シエンナ、ヴェルを一瞬で黙らせた。


誠一は要約して、事の経緯を説明した。


「納得、納得じゃ。

しかし、侵入者探知の警報に引っ掛かるほどの

喧嘩となると、流石におどろきじゃのう。

殺気が籠り過ぎだったかのう。

殺し合いでも始める気だったのかな?」


 二人は抗弁せずに黙っていた。



誰だっ!犯人は誰だっ!


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