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130.次の訓練2

訓練はまだまだ、先ー

「本当にラムデールは、一言多いですね。

何事もさっと行動に移せるようになれば、

一皮むけるのですが、困ったことです。

して、アルフレート様、本日は、

謹慎中の哀れな弟君にお会いに来たのですか?

もしや私と再戦に?」


全く己のペースを崩さずに話すこの剣豪に

若干のイラつきを誠一は感じていた。


ペースを乱された誠一は、少し語気を強めてしまった。

「どちらも違います。

書庫で少しこの地域のことを調べようかと。

失礼」


特に何をされた訳でもない筈だが、

苛つきを悟られまいとこの場を素通りしようとした。


「まあ、待ちなさい。

年長者の話に耳を傾けることも多少は、

君の今後に役に立ちます。

ラムデールもお茶を用意していますしね」


誠一は、この剣豪の表情を見て、

苛つきの原因が分かった。

言葉使いは丁寧で言っていることも

至極まともだが、態度がそれを否定していた。

常に上からの目線で答えを強要さている気分であった。

それが苛つく理由であった。


「おや?どうやら、少しは理解しているようですね。

では、少しゆっくりしましょう。

まあ、世間話のようなものです」

不快であったが、ラムデールが

差配した使用人たちが準備したテーブルについた。


「さてさて、まず、アルフレート様の

愛しい弟君のリゲル様ですが、

お屋敷の一角に監禁されています。

当主の代理は正妻、いわゆるアルフレート様の

母君が代行しています」

誠一にとって、馴染のない連中のことであったが、

記憶のページに頻繁に出てくる人物たちであり、

少し興味をそそられていた。

「それが何か?」


「うーん、興味の無い様な口ぶりですけど、

実際はおありでしょう」


誠一は、自分の口調も悪かったと思ったが、

一々、この男は人を苛たださせる才能でも

あるのかと疑ってしまった。


「話を続けてください」


「素直で宜しい。

先日の件は、あなたの母君が処理しています」


誠一は彼の言わんとすることが理解できた。


「つまりはそう言うことですか。

俺に罪を被せるつもりですね」


「ええまあ、そう言うことです。

母君はあなたのことを気味悪がっているのですよ。

あまりに出来過ぎで隙の無かったあなたにね」


用意されたお茶を互いに一口、飲んだ。

誠一は無言で話を促した。


「今の話を聞いて、この茶に致死性の毒が

含まれていることへ思い至らなかったのですか?」


「さあな、弟が用意した茶だ。

無下にはできないと思ったのさ」

誠一はそう言うと茶を飲み干した。


「剛毅なお方だ。

魔術院に行く前と後で随分と

お変わりになったようですね。

私は魔術院に行く前のあなたを知らない。

失礼ながら、今のあなたは隙だらけで

これからの成長に期待を抱かせる青年だ」


剣豪もお茶を飲み干した。


誠一さん、何かイライラ

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