え?..........は?
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「無理」
「.....理由を聞いてもいいですか?」
あ、佳織泣きそうな顔してる。
理由が理由なだけに言いづらいな。
「まず、俺と佳織が釣り合っていない。もし、佳織とつきあって俺がなんか言われるのはいいが、佳織が何か言われたらいやなのが一つ」
「そんなことありません!私こそ先輩と釣り合っていないか心配なくらいです!」
「佳織から見たらそうなのかもしれないが、世間一般的にみるとどう見ても釣り合っていないんだ。」
明らかに納得してない顔をしているな。
「第二に、俺は佳織のことをよく知らないし、佳織も俺のことをそんなに良く知らないと思う。そんな中で付き合っても、中学生カップルみたいにすぐに別れる」
「それは..........。」
「そして、隠しているんだが俺実は小説家なんだ」
「え?そうなんですか?」
「ああ。もしお前と付き合っても佳織との時間をあまり取れないし、楽しくないと思う」
「..........。」
「ごめん。自分が身勝手なのは十分分かっているつもりだ。俺の事情で佳織の気持ちを無下にした。ほんっとうにごめ..........。」
「ふふ。へへへ」
あれ?
「か、佳織?」
「せんぱーい。先輩は優しすぎますー。大好きですー。」
「うん?.....は?」
こいつは、佳織は何をいっているんだ?
「大丈夫か?佳織。熱でもあるのか?」
「大丈夫ですよー。先輩。あいしてますー。」
「..........。」
こいつは本当に大丈夫なのだろうか。若干頬が赤いし
「先輩は私のことを第一に考えて断ってくれました。それがうれしいんですー。」
「でも、俺が不甲斐ないばかりに佳織の気持ちを無下にして..........。」
「それでも、私のことを考えてくれてるじゃないですか。そこがたまらなくうれしいんです」
なるほど。わからん。
てっきり「先輩..........帰ってください」か「先輩の自己中」と言われてビンタされるのかと思っていたんですが。
「先輩、私先輩のことが好きで好きで大好きなので、私決めました。」
「お、おう」
急に真剣な眼差しになる。さっきまで頬を赤く染めてくねくね?していたのに。
「例え、先輩がどれだけ忙しくても、私は先輩のそばにいたいです。仮に先輩に好きな人ができたとしても、私は絶対にあきらめません。受けて立ちます。その逆の場合もです。それに先輩のことをもっともっと知って、先輩にももっとわたしを知ってもらえば付き合ってくれますよね?私は先輩がダメな人とは微塵も思いません。さっきも言いましたが、逆に私のほうが心配になるくらいです。
だから、先輩。私は先輩のそばにいます。もし先輩が私のことを好きになってくれたら、今度は先輩から告白してくれませんか?私はいつでも待っていますから。」
「..........つまらないと思うぞ。それに楽しくないかもしれない。」
「それでもです」
「高校の青春を棒に振るかもしれない。」
「そんなことありえません!」
「つらいかもしれない。それでもか?」
「はい!それでもなんです」
佳織は笑顔で言ってくる。
ここでうじうじしてたら佳織の決意も無駄になる。それは、 いやだ
「わかった。佳織。その時が来たら、お前に告白するよ。その時が来たらだけどな。」
「はい!よろしくお願いしますね。先輩!」
「ああ、よろしく頼む。」
そして、やっと物語が始まった。
♢
あのあと、私と少し喋ってから、先輩は帰りました。
はぁーーーーー。
先輩、優しすぎるよ。好き。大好き。聞きました?
「俺が何か言われるのはいいけど、佳織が言われるのは嫌。」
とか
「もし佳織と付き合ってもあまり時間が取れないし、楽しくないと思う」ってようするに
「佳織との時間が取れなくて、佳織を悲しませちゃうから」
ってことですよね。
それに私のことよく知りたいって言ってくれました。
もう。先輩ってば私を悶え死にさせる気なんですか。あとちょっとで身を乗り出して先輩に抱き着いてしまうところでした。
明日からもっとアプローチをかけて先輩に好きって言ってもらいましょう。