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ちょ、チョロインじゃないですーー。

47件になりました。本当にありがとうございます。

 「先輩、一年三か月くらい前のお正月の日のことを覚えていますか?」

 

  一年三か月前のお正月?うーん..........確か初詣っていうか高校受験の合格祈願をしに結構大きな神社に行ったと思う。今年は俺の家の近くで済ませたが。


 「確か、合格祈願に結構大きな神社に行ったよ」

 「そうです!私と先輩はそこで初めて会いました」

 「え?ほんとに?」

 「はい。ほんとです。」

 「マジで?」

 「マジです。」


 えーーー。俺の頭はこんな美少女を忘れるほど、老朽化が進んでいるみたいだ。

 いくら記憶を探っても見つからない


 「先輩。そんなに落ち込まないでさい」


 目に見えて落ち込んでいるのだろう、佳織が助け舟を出してくれる。


 「あの時の私は今の私と全然違いますから、気にしないでください」


 あー。佳織。ほんとにいい子に育ったな。


 「それで、その日、先輩一人の女の子を助けませんでしたか」

 「あー。うん。確かお財布を無くして困っていた子を助けたな。」

 「やっぱり。覚えててくれてるじゃないですか」

 「え?えーーーーーーーーーー!」

 「はい。その時先輩が助けたのが私です」

 

 え?まじか。あの時とマジで印象が違うじゃないですか。でも、確かにこの子の目はあの時と同じ


 「あの時の髪が肩くらいで若干ぼさぼさで、眼鏡かけてたあの子?」

 「はいそうです。私ですよ。」

 「佳織。ずいぶんかわい....印象が変わったな。」

 「はい!先輩のためにきれいになったんですよ」


 まじか。あれ?でもそれだけで好きになったりしない....よな?


 「佳織よ。それでまさかその、好きになったりはしないよな?」

 「え?それで結構私は先輩のこと好きになりましたよ。」

 「え?」

 「え?」

 「まさか、佳織って..........ちょろいの?」

 「っな。先輩。それは少しひどいですー。あの時先輩は見知らずの子困っている女の子を一生けん命になって助けてくれました。私を不安にさせないためにいっぱいしゃべりかけてくれましたし、いろんな人に声をかけてくれました。そんな姿を見せられたら誰だってキュンっときますよ」

 

 確かに明らかに不安そうな顔だったから、俺なりにしゃべりかけたなー。あれ?でも待てよ?


 「その時、俺緑清高校入るって言ったっけ?」

 「いえ。言ってませんでしたよ。」

 「それでなんで俺と同じ高校にはいれたの?」

 「それはー、この家から緑清って近いじゃないですか。それでたまたま緑清の制服を着た先輩が見えたので、もうこれは運命だなって思って緑清に入りました。」

 「へー。」

 

 なるほど。それで俺のことを好きになったのか..........。佳織ってちょろいかもな。


 「先輩。だから私はちょろくないですー。あれから先輩のことが気になってちょくちょく緑清に行きましたし、入学説明会にも行きました。そこでも先輩が困っている中学生を助けていましたし、通学していた時泣いている小学生の面倒も見ていました。別に先輩がやらなくても誰かがやってくれるかもしれないのに。

 そんな先輩を好きになった私は決してちょろくありません」

 

 と熱弁される。って結構俺こいつに見られていたんだなまったく気づかなかった。


 俺が困っている人を助けるのはあの母親が俺が小さいころにこう言っていたからである。


 『困っている人がいたら助けなさい。もしかしたらフラグが立つかもしれないし。立たなくても人を助けるって大事なことよ。何より気持ちがいいじゃない。人をいっぱい助けることができるのなら、君も主人公だ!』


 とかなんとか、笑顔で言いながら俺の頭をなでながら言っていたのを覚えている。


 途中は見ないことにして、最初と最後はいいことを言っている。


 「先輩?どうかしました?」

 「ん?ああ、なんでもない。」


 昔のことを思い出して少し顔を緩ませていたらしい。


 「大体、事情はわかった。」

 「はい!わかってくれましたか。それでは私と付き合ってください」

 

 その問いに対する答えは決まっていた。


 


 「無理」

 

 

 

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