忘れてはいけない。君〇名は。
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あれから、ホームルームが終わり、始業式が終わり、ショートホームが終わりそれぞれ帰る時間になっていた。
はぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
やっと終わった。やった、やったよ。母さん。みたいなことを言いそうになるが抑える。
なぜこんなに疲れているかというと、トイレに行っただけで「あっ例の人だ」みたいな目を向けられるし、ひそひそ声が聞こえるし、まだ納得してなかったであろう姉妹(バカ双子)には執拗に迫られるし。
ただ、そんな中唯一の友である涼太はそれとなく朝の真実をクラスに伝えてくれている。
はぁ。お前ほんっとかっこいいな。うっかり惚れそうになるじゃないか。
うっかり惚れちゃった場合、薄い本が一冊できるだろう。タイトルは「人気声優と作家の非日常」ってところだろうか。安直すぎか?まあいいや。
それより、さっさと校門に行って例の後輩を待たなければ。
また明日、同じことを繰り返さぬように。
「涼太、じゃあな。愛してるぜ」
「ああ。またあし.....うん?」
教室を出て、足早に昇降口に行き下駄箱から靴を取り出し校門に行く。
そこにはなぜか、例の後輩が先に待っていた。
「先輩!一緒に帰りましょ?」
「.....。まあそうだな聞きたいことたくさんあるし」
「先輩が私に興味を持ってくれた//」
いや、あなたが強制的に興味を持たせたんですけどね。
それよりどこで話をしようか。ここら辺のファミレスとか行ったら、うちの在校生に出くわすだろうし。
うーん。あ、あった。俺の家があるじゃん。
っと思ったけど、ここから十分ぐらいかかるし、俺一人で住んでるし、何よりも家に入れたくない。
なぜ、俺が一人暮らしかというとうちの母親である母さんが漫画家であり、父が小説家である。
そして母親兼漫画家である母さんに
「高校生になるんだし、マンションの部屋借りてあげるから、フラグの一本ぐらい立つでしょ」
みたいなことを言って本当に借りてしまったのである。そして父もそれに反対せずノリノリで賛同していた。二人そろって
「「おいしいネタ頼むわよ」」
って言われたときはこいつらほんとに両親かって思ったほどである。
まあそんな訳で部屋を借りているのである。
それより本当にどこで話そうか、と悩んでいる時
「先輩。どうかしました?」
「いや。お前とどこで話しをしたほうがいいなかなって」
「ああ。なるほど。それでしたらいいところがありますよ」
ほう。そんなところがあるのか。その提案にありがたく乗ろうとしよう。
「へぇー。じゃあありがたくその話に乗っかるとしよう。それより君の名前は?」
「.....。やっぱり覚えてないですよね」
後輩はなんかぼそぼそっとしゃべりこういった
「赤坂佳織。先輩のことが好きで好きでたまらない後輩です」
その名前を聞いた瞬間僕に電流が走ることはなく、こう思った。
誰ですか、と
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