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三日月の幻想  作者: 保志野 奏汰
高校編
5/28

4話 今できること

私の通う高校は修学旅行は2年の時に行くので、部活をしてなければ受験やテストのイベントばかりとなる。

私は陸上部に所属していて、中距離の選手ではあるが、今まで勝つどころか入賞したことすらない。私以外に中距離の選手もいないのである程度好き勝手にできる。

「結希、今日は部活いくの?」

「うん。そのつもり。」

「そう。じゃあ明日ね。」

と帰宅部の詩織は下校していく。

私は部室に向かっていると、修一がいた。

「これから部活か。」

「そうだけど。」

「俺も。途中まで一緒にいかね。」

「別にいいけど。」

修一はサッカー部のレギュラーである。

文武両道で勉強もいいほうであり、時々勉強を教わることもある。

修一といると若干卑屈になる自分がいる。修一が悪いわけではないが、だからと言って簡単に割り切れるほど私はまだ人としてできてはいない。

「県予選は勝てそうなの。」

「どうかな。やれるだけやるだけじゃね。」

「そう。」

「足立は?」

「不本意ながら同じ。」

「そっか。お互い頑張ろうぜ。」

「そうね。頑張りますよ。」

そんな話をしている間に部室に着いた。


部室に着き部員のみんなと挨拶を交わしたあと、着替えグラウンドにでる。

準備運動をして、走りだす。

「「今日は基礎トレじゃないんだ。」」

「「来月タイム測定するから、そろそろ何本か走ってペースを

「「じゃあ、暫くは話かけないほうがいいね。」」

「「そうね。そうしてくれる。」」

そうして、何本か走ったあと

「「いい感じじゃない。もう少しラストに余裕ができればなおいいけど。」」

「「始めとばしすぎかな」」

「「いや、あれくらいでいいと思うよ。」」

「「今年は8位入賞くらいはできるかな。」」

「「それはなんとも言えないな。みんな最後の大会だから追い込んでくるから前回よりは厳しくなるからね。」」

と言ったあと、私の首元をみて、

「「というより、つけて出られるかね。」」

「「最後だし、最近は五月蠅く言われなくなったし大丈夫じゃない。」」

「「だといいけど。」」

「「出られなかったときはそれはそれでいいし。そこまで思い入れがあるわけでもないから。

やってる以上はできることはできるだけやってるだけだし、勝敗が全てじゃないしね。」」

「「出られないは勝敗以前の話なきがするけど。まあ、頑張ってみたら別のことや、気づかぬところで役にたっててりはするね。」」

「「そうしょ、さてもう少しがんばりますか。」」

勢い良く立ち上がり、走り出す。

「「何かご機嫌だね。」」

「「そう。…不必要なことはないよね。」」

「「え、どういうこと。」」

それには答えず全力で走っていく。

そう、やれることをやるだけなのだ。

お読み頂きありがとうございます。

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