表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

異変-余波

 導入噺につき、説明多し。比例して読みにくさ増量中。ごめんやっしゃあ


 最近はずっと屋内ばかりで、ゴーグルに搭載されたGPSの位置調整をやっていなかったから、コンビニへ行くついでにと2ch同時対応のゴーグルにかけ直した。あえていおう、2ch対応といっても某掲示板のコトじゃないので念のため。


 通常は複数人以上で組んでやるゲームで、ソロでやると補正が掛かり難易度が下がるのだが、それほど操作が難しいゲームじゃないので2台用意して一人でやっている。

 ボッチなんだよ。文句有るのかよ。(泣)


 デバイス2台を腰のポーチへ入れ、別立てにベアリング済みのコントローラを持ちパーカーのぼけっと内で操作する形だ。

 ふと先日手に入れた新型デバイスを予備として入れておこう。これは先日のアプデで搭載された新機能に対応しているモデルだ。


 ARゴーグルにはカメラが左右に正面と横、後方を捉えて周囲の立体画像をワイヤーフレームでデバイスに送り透過光式のレンズディスプレイに風景と合成された実態のないARとして投影される仕組みだ。そうシースルー機能を搭載したHMDの発展系だ。

 しかし技術の進歩で小型化され外観は少し分厚いセルフレームのメガネぐらいにしか見えない上位機種を奮発してゲットしていた。


 そしてVR・AR兼用の重ね掛けで跳ね上げ式レンズを取り付けておく。以前は重ね掛けレンズはクリップでメガネの鼻当て付近挟むように留めるのが普通だったけどしばらく前から業界がユニバーサルジョイントを取り入れてから装着と着脱が統一されて楽になり、また視野内に無駄な影を取り込まないで助かる。

 これで3chに対応できた。


 屋外では"ながら事故"を考慮してTPSモードの一択だけど、VRモードでなら、自宅に"()ながら"にしてFPSがでけるのだ。まぁそのための地形情報集めなわけだが。


 フル充電じゃないがコンビニへ行くぐらいだからバッテリーも十分持つ。F立てしてないよな。


 玄関から外に出て周囲の頂点座標と水平をカメラに認識させるようにぐるりと首を回す。もちろん人間の可動域でだぞ。真後ろになんか向けっこないからな。よく言うキャリブレーションってヤツだ。


 瞬くうちに周囲の地形をポリゴン化して取り込んでいく。クラウド式のアプリとかでGPSとカメラの測距から頂点の座標をクラウドに送り地形を取り込んで、その上にアバターが形成される。

 まさに今、お隣の屋根の上に飛び上がった女性型アバターの一体が近辺に敵がいないか索敵を始め、残った男性型一体が随時送られてくるハンドサインを読み取り、即駆逐していく。

 コーグルを通してのみだが等身大のアバターがARとしてリアルの風景に溶け込みアクションするのだ。

 後から追加したのはまだレベルが低く実践には難があり操作が目的じゃないので、学習モードで二体の行動見させ情報を蓄積させている。まだ名前も確定させていない養成中での試用だ。


○女性型アバター

・Name:mus@shi

・Heiaht:155cm

・Job:kunoichi


○男性型アバター

・Name:[koj-iro]

・Heiaht:185cm

・Job:kengho


 アバターの行動は、マニュアル(M)、オート(A)、プログラマブル(P)、学習(I)の比率を変えて行っている。厳密な意味でのマニュアルなんて無く、どれも軽くオートと学習が掛かっているのだ。でなきゃ簡易なUIだけで操作できないよね。

 そこで先達の二体は、A>P>M>Iな比率で、補欠さんはI>P=A>Mとして、各アバターにはプレヤーの動きに追従するように指示をしている。


 オレの動きに合わせて体型にフィットした衣装を着けた[mus@shi]が屋根の上、電線、屋上を渡っていく姿を下から眺める。


 移動するたび風景にチカッと光点が現れるのは、先にも言った座標を更新した証しだ。新規か更新かで色が違ってくる。

 こうしてクラウド内にゲームの戦場となる精密なジオラマが形成されていく。


 目的のコンビニは直線では近いけど、迂回して少し回り込む形になる。もっと道のりが少ないトコにもコンビニはあるけど、そらスイーツ系はココとか有るでしょ。また同じような揚げチキンの味もチェーンによって微妙に違うしね。口の中は、商店街の入口にある店に合わせている。

 商店街の中央ぐらいにもお気に入りはあるのだが、人手が多くていきたくないのだ。


 今日12日は、私的な記念日でプリンの日だ。あそこが扱ってる銘柄が欲しいんだよ。


 角を曲がって、光点が瞬きはじめて違和感を覚えた。更新で光ると思っていたトコロが光らなかったのだ。

 考えられる理由は一つ、少し前にこの辺りをプレヤーが通過したのだ。


 想定しておくべきだったが、失念していた自分に毒づく。このゲーム、相手のランク差など関係なくPK可なのだ。ふっかけられたらどおしよう。普段、引きこもって対戦などしてこなかったツケが回ってきたのだろう。


 設定変えようか? 

 立ち止まって相手にこれ以上接近しないようにしてから考えることにする。


 地上の[koj-iro]はギリギリ[mus@shi]が確認できる後方に移動させ位置を保持させる。

 屋根の上の[mus@shi]は斥候に徹して、プログラマブルに条件を加え、身を隠して相手のアバターとプレヤーを探させるとナニカを見つけたようだ。


 オレは道端により、[mus@shi]を先行させる前にFPSにして見下ろしている視界を借りると映像には捉えていないがどこかで戦う音を拾っている。TPSに戻して少しずつ近寄らせていく。

 心臓の動悸が聞こえているのに気がついた。


 コントローラーをちょいちょいって前に少しだけ倒す。先っちょだけだからダイジョウブだよ。


 ターゲットのプレヤーを見つけたようだ。プレヤーかどうかはゴーグルで分かる。カット写真を送らせると、その対戦している相手がまだ未確認のようだ。

 まだどちらがPKでそうでないのか。それともどちらもなのか分からない。

 ただ、このプレヤーの雰囲気では、こちらにちょっかいを出してくる余裕はなさそうだ。



 巻き込まれたくない。いい迷惑だ。



 あー、タイミングが悪い。デバイスを持ち出さなきゃ良かったんだと自己分析が終わり、"一度帰るかな"の迷いに怖いもの見たさの好奇心が勝ってしまった。


 目的地のすぐ近くのようだから可能な限り近寄ってみよう。


 引き続き[mus@shi]には偵察を任せる。ジョイスティ久が滑る。ポケットの中で蒸されてきた手のひらを一度ズボンでぬぐって、コントローラーを握り直した。すこし力も入って指の腹が段になっていたようだ。なんかこそばがゆい。


 場所を移動していく。すれ違う歩行者に不審者に見られないようにも気をつけてね。


 戦場は、少しの間に商店街の入り口付近に移動している。

 巻き込まれて乱戦になったらどおしようかと胃液がたぷつくメンタルのの弱い自分を呪う。


 そか、最悪ログアウトすりゃいいんだ。準備だけはしておこう。


 角を曲がると商店街の入り口が見えるところで立ち止まる。も一度、掌をフキフキ。


 二体居ると悟らせないように[koj-iro]をオレの背後に回らせ、[mus@shi]に戦況を動画で送らせると、腕を出血させたプレヤーがもう片方で押さえ逃げるようにどこかの角にさしかかった。

 えっ この角って、ここだ。


「「!!」」


 ぶつかってきた。男だ、JKでもない、食パンを咥えても居ない、幼なじみでもない20代ぐらいの男だ。ぶつかった拍子にお互いのゴーグルがずれ、相手の表情が恐怖と絶望に近いものだと思われ・・・・・・なにっ。


 ゴーグルを掛けていないのに未知の敵からの追撃エフェクトがプレヤーを捉えた。オレはきびすを返しながら即ログオフして帰宅を選んだ。


 頭の中は理解できない現実に混乱している。リアルに、ましてやプレヤーにまで影響しないはずの攻撃がプレヤーを傷つけている。そしてゴーグルがずれて見えるはずのないエフェクトの謎、どれをとってもあり得ないことばかりだ。


 デバイスに残っているカットシーンと動画を検証してみることにしよう。


 でも、あのプレヤーがどうなったかなんて知る気にならないのは勘弁して欲しい。


 ここまで読んでいただいてありがとうございます。


 プレヤーとして登場した[Episode 2]の別パターンだと思ってください。基本「箱庭」との接触はコーグルとモニターを介してデス。

 昔『電脳コイル』というアニメの世界観に、「おぉー」となった覚えがあります。心に残る作品でした。


 手に汗にじます表現をしたかったのですが、擦りもしてませんね。力不足を実感しています。


 [koj-iro]のジョブを最初"assassin"にしていましたけど、アレと被るなと変更しました。そうそうアサシンクリードにも手を出してました。もちろんスネークさんもね。


 他の[Episode]などを区切りのいいところまで進めるつもりなので、次回更新は現時点で予定していません。

 軽くイチネンぐらいは、・・・・まぁ反響次第ですがね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ