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プロローグ

この世界はとても平和だと思っていた。


少なくとも、5年前までは。



「ねぇ、父さん、母さんはいつ帰ってくるの?」


「まだまだ先だよ。ほら、見てごらん、あの海の向こう側に母さんがいるんだよ」


「父さん、、僕が見えるワケないじゃん」


「そうでもないぞ、父さんはいつも言ってるだろ、音を聞き、匂いを嗅ぎ、感覚を研ぎ澄ませるんだ。第一、お前は普通の人と同じように生活出来ているじゃないか」


「だけど……見えないものは見えないんだ!」


「うーん、あっ、流れ星!じゃあな、母さんが早く帰ってくるようにおねがいしよう!」


「母さんが?」


「あぁ、落ちる前に急いでおねがいしよう!」


母さんが無事に帰ってきますように…………………


ーーただ、それだけだったのに、


「あれ、少し大きくなってる?」


「えっ、どうしたの父さん?」


その流れ星は段々大きくなりながら親子が望む地平線の向こう側へと落下していった。



ドゴォォォオオオオオン!!!



それは凄まじい音と共に爆風を放ち、親子を、その家を、日本全土を、そして世界を震わせた。


「うわぁぁあぁぁあ!!」


「何!?父さん、何が起きたの!?」


ーー僕は何もしてないじゃないですか、


その震えは徐々に収まっていった。


「ねぇ、父さん!何があったの!!?ねぇ、父さん!」


「…… 」


父がそれ以上息子の言葉に応えることは無かった。


ーー神様、貴方を、そしてマオウを……


しんと鎮まりかえる世界のなかで少年は漠然と感じていた。自分はもう2度と母には会えないのだろうということを。


ーー怨みます。一生。


その日、世界は滅びた。少年が感じていた通り、母のいた地は、消滅していた。


ぐああああああ!!!クッソ、

殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!

ああああああああああああああ!!!!!


ーー母さん…………………………




*************




「父さん、僕も行かせてくれ!」


「だめだ!危険過ぎる!!」


「嫌だ!僕も行く!」

「来るなと言っただろう!」


「その前に父さん、何が起きているんだ!?」


「解らん!少年が………とにかく!お前は逃げろ!!一刻も早…ぎッ!?」


「父さん!?父さん!!

……………!お前はッ………誰だ!!?」


「邪魔をするな。邪魔をするなら殺す!!」






*************






「マオウはどこだ……?ここらで出没したと聞いたんだが………デマだったか………」


青年は近くに転がる缶を蹴った。コーヒーが、中から少量飛び出した。


「……最近のものだな……いずれにせよここらに誰かがいることは間違いないようだ」


青年はポケットから楕円形の物体を取りだした。


「行くか」

色々と変更したかったので改稿しました。

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