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 うぅ、いい加減毎日投稿は辛いぜ。限界は近い。

 

 ポポポポッっと、手の上に乗ったダークボールが上下左右に動かす手に合わせて付いてくる。

 まあ、実際はついてくるんじゃなくて、ガスバーナーの炎のように俺の魔力を糧に発生しているから、正確には俺の魔力の一部なんだが。

 

 ポポポポッ、ポポポポッ、ポポポポッ、

 

 ………なんか、楽しくなってきた。

 

 

 えっ、目元が赤いって? いえ、なんのことです?。黒歴史の加筆なんて知りませんよ。…ぐすんっ。 

 

 

 

 

 

 あれから、さらに一時間経った。

 

 ダークボールは検証の結果、一度詠唱すれば意識して魔力を流すかぎりだし続けれることが判った。

 そして燃費、これが滅茶苦茶良い。まず発動に魔力1、でさらに魔力を籠めてバランスボール並の大きさにしてもステータス上の魔力は減らず、直径3メートルの大玉にしたところで、ようやく魔力を追加で1消費。べつにバランスボールの大きさにするときも魔力は消費していたのだが、おそらく消費量が0.1とか少な過ぎてステータス上に表記されないんだろう。

 で、これが一番重要なんだが、このダークボール、なんと攻撃力をもっていない。

 試しに近くの岩に押し付けてみても、ダークボールがポヨンっポヨンっとスポンジみたいな弾力で押し返すだけ、岩には傷一つ無し。

 今度は放り投げてみても、フワフワ~っと漂って、手から離れたことで魔力供給が途切れ、ポっポっポッて霧散していった。

 

 結論、ダークボールは手品ぐらいにしか使えない。

 

 

 ………え、えぇぇ~~!?(愕然)。

 

 あっあんなに頑張ったのに。うぅぅ。

 

 心が、折れそうです。

 

 

 …………………いや、まだだ。まだ終わってねぇー!!。

 

 ほら、あれだ!、俺の使い方が悪かったんだ!!。

 こんなの本来のダークボールじゃねー!!!(迫真)。

 

 よしっ、俺はダークボールを極めるぞォーー!!!。

 

 

 

 まず俺がとりかっかたのはダークボールの圧縮だ。

 大きさ自体は魔力を籠めるだけデカくなる、でもそれじゃあ触り心地抜群のフワフワ弾力に変化はないので、圧縮して強度を高めれば、攻撃力獲得の第一歩になるはず。

 

 ダークボールに魔力を注ぎながら、ダークボールの中心部へモヤモヤの方向性を向けていく、

 すると一定以上の闇の靄は反発するように、フワぁんフワぁんって蠢いただけ。

 あれぇ?、上手くいかない。

 

 あー、そもそも魔力の圧縮てどうやるんだ?。

 それも魔力から発生した闇の靄なんてどうやって操れば……………。

 

 

 う~ん、取り敢えず他の魔術を試してみたら、何か解るかな?。

 

 で、俺はダークショットとダークアンカー、ヒールにキュアの詠唱の検証に取り掛かった。

 

 急がば回れってね。

 

 

 検証の結果、4つの魔術の詠唱と効果、そして呪文の詠唱に乗せて自動で運用される魔力の使用法方が理解できた。

 

 ダークショットの詠唱は、「(あん)集波衝(しゅうはしょう) ダークショット」で、任意の方向に闇の靄が推進エネルギーに変化し、黒ずんだ衝撃波となって飛んでいく、というもの。

 詠唱にただ身を任せた素の効果で、射程5メートル、範囲直径1メートル、威力は軽自動車並みの岩に当てたら表面がまんべんなく砕けた程、速度はそれなり。

 もちろん魔力を追加で籠めれば、射程範囲威力速度共に自由に上昇出来る。しかも、ダークショットの面白いところが、全身のいたるところから発動出来るのだ。

 両手はもちろん、腕も足も胴体も頭部からでも好きな位置から発動出来る。全身からいっぺんに発動して全方位に向けて打ち出すことも可能で、地味に実戦に役立ちそうだ。

 それに足の裏から射程0、範囲足の裏と同じ面積でダークショットを打ち出すことでジャンプの飛距離が増した。そしてそれを上手く空中で発動すると二段ジャンプができちゃった。これが超ぉ~楽しい。

 

 ダークアンカーの詠唱は、「(あん)集刺打(しゅうしだ) ダークアンカー」で、かなり強度のある15センチ程の黒い杭を生成し、杭の片方の尖っていない平面からダークショットと同じ推進力が発生し、その勢いで真っ直ぐかっ飛んで行った。

 形状からして空気抵抗が少ないのか相当な速度で飛翔。ノーマルなダークショットが亀に思える。

 さっきまでダークショットの的になっていた岩に当たると、音も無く全体の8割が岩に刺さった。

 対象を貫いて地面に縫い止めるのが目的の魔術なだけあって、岩から抜こうと刺さらなかった部分を引っ張ってもなかなか抜けない。どうやら杭を生成するときに、杭の周りにわだかまっていた黒い靄が、銛の反しみたいな役割をしているらしい。

 当然、魔力の籠め次第で、杭の鋭さ、長さ、強度、反し、スピードはアップ可能。

 でもダークショットのように全身からは出せず、両手両足、両肘、両膝、額と、何故か尾てい骨の辺りからも出せた。どうやら突くという動作の可能な部位しかダークアンカーが出せないらしい、そこにヒップアタックが含まれてるのが謎だが。

 

 ヒールの詠唱は、「(めい)治療(ちりょう) ヒール」で、………まあ、ぶっちゃけ役に立たねえ。

 大樹さん以外のその辺の木の枝をへし折り、それを繋げる為にヒールを発動、一分経って折れていた枝を押さえていた手を離すと、一応元通りになっていた。

 でも消費魔力30と効果に対して燃費最悪。これじゃあ、使い物にならない。

 ちなみに、土魔術のヒールは5秒かからなかった。

 …闇魔術、脳筋過ぎだろ。 

 

 キュアの詠唱は、「(めい)快療(かいりょう) キュア」で、説明によれば状態異常回復らしいが、試す相手がいない。

 その事を大樹さんに告げると、明後日の方向に枝が伸びていき、戻って来ると枝の先にはヤバそうな色のキノコと、泡吹いて痙攣している栗鼠っぽい小動物を巻き付けていた。キノコには小さくかじった痕がある。

 ふむ、どうやら毒キノコをかじって体が麻痺してる小動物を吊れてきてくれたようだ。

 ナイス、大樹さん。最高の実験体です。

 その小動物にキュアをかけると、相当複雑な魔力変換が起こり、正直自分じゃよく解らない。

 でも、行使の遅い闇魔術のキュアなのが、ここに来て役に立たった。ゆっくりとしか効果が浸透しないので、観察する時間が思いの外あったのだ。

 う~ん、で俺は医者じゃないから憶測でしかないが、魔力から変換されたエネルギーが一時的な免疫力の追加? 強化? になってる? っぽい?。

 まあ、魔力の運用方法は理解出来たので、効果の詳細が解らなくての、実験体無しで再現できるからいいかな?。

 

 あと土魔術のキュアも試したいので、麻痺から回復した小動物くんにもう一度毒キノコを食べてもらいたかったんだが、めっちゃ泣きそうな顔をされたので、可哀想だから逃がした。残念。

 大樹さんに追加の実験体はいるか聞いたところ、流石にもう近くに状態異常にかかったお間抜けさんはいないってさ。残念。

 

 

 と、いうわけで。4つの魔術を構成する魔力の運用方法は理解できたので、いよいよダークボールのパワーアップに取り掛かろうと思う。

 

 その前にいい加減魔力が減ってきたのでマナポーションを飲んでおく。

 魔力を一度に大量に消費したり、残量が少なくなると貧血と眠気が同時に襲ったような倦怠感を感じた。俺の魔力残量が50辺りで集中力が持たないくらい酷くなるので、これじゃあ実戦で使える魔力量は5分の4が妥当だろう。

 ゲームみたいに0まで使おうものなら、どうなるか知れたもんじゃない。気を付けないと。

 

 

 さて、魔力は全快。ダークボールの特訓じゃあ!!。

 

 まず、さっきは出来なかった圧縮を成功させよう。

 最初に俺は魔力とそこから発生する闇エネルギーの圧縮は、綿を握りこんで丸めるようなイメージで行っていたのだが、どうやら熱した鋼を叩いて鍛錬するような、分子と分子の隙間を無くしていく作業に近い。

 まあ、俺は鍛冶屋や物理学者じゃないので、詳しい理屈は知らないが、こうして呪文の詠唱の補助無しにやっていると、パズルのテトリスによく似ている。ただし、落ちてくるコマは全て1マス、複数同時に落ちて来て、どんなに積んでも消えず、画面は3次元立体の全方位同時、だけどね。

 さらに面白いのが、隙間無く詰めた闇の分子をさらにその上から詰めば詰む程、その下の分子が圧力で縮むのだ。で、この分子の縮小現象に限界が無ければ、圧縮すればするほど、際限無く密度が高まり、強度を高められる。

 闇魔術ってスゲ~。

 

 その応用でダークボールを圧縮して、ビー玉程の小さな球体に出来た。元は5メートルの大玉が、だ。

 

 よぉしっ!、成功だぁーーー!!。

 

 でも、圧縮しただけじゃ何もできないので、せっかくだから弾丸として打ち出してみようと思う。

 火縄銃の丸い弾丸じゃなくて、現代のような円錐形を取り入れた形に形成していく。ただ一度圧縮した闇と魔力は、その強度故にそれ自体を変形させるのは大変だ、だから外ずけで追加で圧縮した方が早い。

 

 こうして出来た真っ黒な銃弾がポツーン、と掌に浮いている。

 うん、成功。

 近くの岩、ただしダークショットとダークアンカーの的にして、ボロボロズタズタになったのとは別の岩だ。

 掌を闇の銃弾ごと向けて、射出!。

 銃弾の尖った円錐とは反対側、本来の銃弾なら火薬と信管が付いてる場所には、推進力用に圧縮した闇魔力がくっついている。

 元の世界の銃弾のように音速でかっ飛ぶ銃弾。『深淵(アビス)ダークエルフ』である俺の動体視力でも追いきれないそれは、轟音と共に岩に着弾。

 ………そのまま弾丸は反対方向に突き抜けて飛翔、貫通した岩は一拍置いて、風船みたく、弾けた。

 

 

 ……………ポカーンっ(唖然)。

 

 ………えっ?。 威力、ありすぎじゃね?。

 

 

 遠くから、突き進んだ弾丸に当たって砕ける岩とへし折れる樹木の倒壊する音が、静かな森にやたら響いた。

 魔獣? にも当たったのか、怪獣みたいな悲鳴も響いて来て、

 

 その時点で俺は大樹さんの中に逃げ込んだ。

 

 だって、気まず過ぎる。

 

 

 

 大樹さんの中の部屋で座り込んだ俺は、精神を落ち着ける為にもステータス画面をチェックすることにした。

 

 あれだけ頑張ったんだから、闇魔術のレベルも10くらいは上がっただろうと……………、

 

 

◆―――――――――――――――――――――――――――◆


名前 アーク

種族 深淵アビスダークエルフ

性別 女

年齢 14

称号 鬼畜外道の悪鬼

職業 死体漁り


生命力 1120/1120

魂力  700/700

筋力  88

体力  85

敏捷  198

器用  113

魔力  546/546

精神力 297

魅力  410

運   -10 ※闇関係限定 +1000


状態 良好(夜間活性化中)


<能力>

【深淵の瞳】【常闇の皇族】【暗黒星の寵愛な加護】【魔王候補】【樹海の主】【紋章-闇-】【詠唱声帯】【反射魔力】【精霊化】【不老長寿】【才能-統率-】


<スキル>

【闇魔術Lv80】【土魔術Lv3】【精霊魔術Lv1】【補助魔術Lv1】【幻惑魔術Lv1】【魔力強化Lv1】【魔力増加Lv5】【魔力精密操作Lv25】【身体能力強化Lv11】【大剣Lv1】【大槌Lv1】【大鎌Lv1】【アームLv8】【レッグLv15】【格闘Lv1】【突進Lv6】【隠蔽Lv9】【探知Lv3】【毒薬調合Lv1】【】


<控えスキル>

〔・アクロバットLv1・立体感覚Lv1・空中戦Lv1〕

◆―――――――――――――――――――――――――――◆

 

 

 ゑっ?。

 

 …………………うん、何これ?。

 

 何故に闇魔術が80レベなんて一気に跳んだんだ?。

 

 ひとまず、闇魔術をタップしてウインドウを確認したら……………、

 

 あ~、はいはい。原因わかった。

 

 レベルが80になった事で使用出来る闇魔術の数が大量に増えてるのだが、その一覧の一番下、ソコには、

 

 

▼―――――――――――――――――――――――――――▼


・ダークマテリアルバレット ――超高密度の闇の弾丸で対象     を粉砕する。最大射程視界全て。消費魔力50。


▲―――――――――――――――――――――――――――▲

 

 

 うん、さっきのアレだね。

 

 つまり、本来ならレベル80にならないと修得出来ない魔術を、ダークボールで再現してしまったから、強制的にレベルがそれに合わさった。

 この辺りが妥当な推論だろうか。

 

 しかし、ダークボールでレベル80の魔術を発動出来てしまうとは、しかも消費魔力50の筈が、実際に使った魔力は15ほど。

 

 ん?。まてよ、このままダークボールで高レベル魔術を再現しまくれば、一気にレベルが上がるんじゃね?。

 

 ………………………、


 だ、ダークボール万能説!!!。

 

 

 あと、スキル欄のセット枠が、1つ増えていた。

 

 ゲームの頃、転生以外でのスキル欄の枠の増やし方が、自身のスキルの総合レベルを一定以にするとゆうことで、『深淵(アビス)ダークエルフ』は総合レベル100で1つ増加のはず。

 現在のスキル総合レベルは177なので、あと23スキルレベルを上げれば、また1つ増えるだろう。

 

 取り敢えず、アクロバットLv1をドラックしてスキル欄にセットしておいた。

 

 

 

 ………はぁ~~ぁ、今日はもう色々ありすぎて疲れた。寝よう。

 

 大樹さんおやすみ~。

 

 


 

 

 

 

 大樹さん視点の話を書こうか検討中。

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