表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

 我ながら短けぇ~。長くなくてすんません。

  

 夜だ~、落ち着く~。

 

 

 今、俺は地面に大樹さんから降り立ち、大樹さんの根元で屈伸運動をしている。

 

 なに、ただの準備運動さ。

 

 フッフッフッ、何を隠そうこれから魔術スキルの特訓をするのさ!!。

 

 

 何てったて、俺の種族『深淵(アビス)ダークエルフ』は魔術をはじめとした遠距離攻撃の得意な種族なのだ。

 思えば俺はチート種族の癖に、今まで逃げてばかりいた………、だが!!、これからは迫りく不埒者どもを魔術の雨で全員蜂の巣にしてやるのだー!!!。

 

 ふふふっ、だがそう慌てるな、俺。

 大樹さんがさっきから俺の不可解な笑い声に若干引いてるっぽいし…。

 

 とにかく、まずはステータスチェック!!。

 

 

◆―――――――――――――――――――――――――――◆


名前 アーク

種族 深淵(アビス)ダークエルフ

性別 女

年齢 14

称号 鬼畜外道

職業 死体漁り


生命力 1120/1120

魂力  700/700

筋力  88

体力  85

敏捷  198

器用  113

魔力  280/280

精神力 135

魅力  510

運   -10 ※闇関係限定 +1000


状態 良好(夜間活性化中)


<能力>

【深淵の瞳】【常闇の皇族】【暗黒星の寵愛な加護】【魔王候補】【樹海の主】【紋章-闇-】【詠唱声帯】【反射魔力】【精霊化】【不老長寿】【才能-統率-】


<スキル>

【闇魔術Lv1】【土魔術Lv1】【精霊魔術Lv1】【補助魔術Lv1】【幻惑魔術Lv1】【魔力強化Lv1】【魔力増加Lv1】【魔力精密操作Lv2】【身体能力強化Lv11】【大剣Lv1】【大槌Lv1】【大鎌Lv1】【アームLv8】【レッグLv15】【格闘Lv1】【突進Lv6】【隠蔽Lv9】【探知Lv3】【毒薬調合Lv1】


<控えスキル>

〔・アクロバットLv1・立体感覚Lv1〕


◆―――――――――――――――――――――――――――◆

 

 

 はい! 恒例の称号と職業はスルー!!。

 

 

 気を取り直して、【闇魔術Lv1】をクリックする。

 すると闇魔術に関する情報が新ウインドウでポップして表示された。

 

 

▼―――――――――――――――――――――――――――▼

 闇魔術・Lv1

 

 闇を扱う魔術。基礎6種類の属性の中で、最も攻撃力が高く、最も扱いずらい。暴発には注意が必要。

 

・ダークボール ――闇の球体を生成。消費魔力、操作任意。

・ダークショット ――闇属性の衝撃波を発生。消費魔力任意          。最低消費魔力5。

・ダークアンカー ――闇で構成された半実体の杭を打ち出す        。刺さると抜けずらい。最低消費魔力8。

・ヒール ――生命力回復。消費魔力任意。

・キュア ――状態異常回復。消費魔力必要量。

▲―――――――――――――――――――――――――――▲

 

 

 まあ、レベル1ならこんなもんか。

 

 何故に闇魔術の中にヒールとキュアなんて回復系魔術があるのかというと、この世界があのゲームのシステムと似たルールでできているなら、この世界に単体で『回復魔術』の存在はなく、光闇火水風土の基礎6種類の属性のすべてに回復系の魔術が含まれている。

 ただし、属性ごとに効果の差があって、

 光>水>土>火>風>闇、の順番に回復の効果が高く、効率が良く、覚える回復スキルの量が多い。そして他の魔術スキルには回復魔術は存在しない、この6つからの派生魔術スキルでも無理だ。

 

 なら当然、俺の闇魔術は回復魔術は最低効果で非効率の、あるだけ意味のない無用の長物。だが俺はそれを見越して土魔術を取っていたので大丈夫。

 ちなみに、最も回復性能の高い光魔術だけが、スキルが成長すると蘇生(リザレクション)を修得できるらしい。

 ソイル

 

 まあ、そんなコトはどうでもいいから早く魔術を使いたい!!。

 

 ふぅ~、落ち着け~、俺。

 初っぱなから失敗とかやだからな。

 

 精神集中ぅ~、………よしっ!!。

 

 

 「ダークボール!!」

 

 しーん。

 

 ………あれ?。

 

 発音がいけなかったのかな?。

 も、もう一度。

 

 

 「ダァーークゥボォォォォーールー!!!」

 

 しーん。

 

 な、なんでぇ~~。

 

 ステータス画面を見ても、魔力量に変動はないので、効果が見えないとかじゃなく、一切何も起こっていないということ。

 進展の一切無い事態に口をパクパクさせ……、

 

 ん?。パクパクと無意識に開閉していた口を手で抑える。

 

 ……………あっ、まさか。

 

 試しにもう一度ダークボールを唱えてみる。

 そして、よ~く集中していると、俺の頭の中のイメージ? に違和感が………。

 

 うん、解った、不発の原因。

 どうやら、呪文の詠唱が必要らしい。

 だが、どんなにウインドウ画面を探しても魔術の呪文だなんて何処にも載っていない。

 

 つまるところ、呪文を知らない俺は、魔術が使えない。

 

 

 あ~、あれだ、憶測でしかないがこの世界の魔術を使う者と、俺ら異世界に召喚された者の魔術スキルの取得のしかた、これが原因だ。

 まず、あるべきスキルの修得方法が、その修得したいスキルにまつわる行動をすること。俺が森の中を一晩中跳び跳ねまくったお陰で、アクロバットと立体感覚のスキルを手に入れたように。

 ならば、魔術のスキルを修得したかったら、魔力を操り、呪文を詠唱して発動、当然スキルがないなら不発だろうが、何度か練習するうちにスキルを修得で出来るだろう。

 つまり、魔術スキルを修得している者は、魔術の呪文を知っている。これがこの世界の常識だろう。

 

 だが、異界から召喚された俺らは、キャクタークリエイトなんてふざけたシステムでこの肉体にスキルを宿した。

 故に、本来は魔術スキルの修得の前提条件である呪文の知識を俺はもっていない。


 だから俺は魔術が使えない。

 

 俺はあまりの絶望に目の前が真っ暗に………、

 

 

 ならない!!!。

 

 まだ、まだ希望はある!!。

 

 勘だ。勘で呪文を唱えるんだ。

 

 それっぽい呪文を言い続けて、当たるまで試す!!。

 それにヒントだってある。あの無意識に口がパクパクした原因、頭の中に浮かんだイメージ。あれが呪文だ。

 どういう理屈か知らんが、本来呪文を覚えてた上に成り立つスキルを呪文無しで修得した異世界人の俺らは、呪文の知識は無いが、呪文の感覚は知っている状態なんだろう。

 

 つまりその感覚に沿って特定の言葉を紡げば、いけるかも。

 

 そうと決まれば………、

 

 

 「暗黒の胎動よ、集え! ダークボール!!」

 

 しーん。

 

 ………、

 

 ……………、

 

 …………………、

 

 …………………恥ずかしい(赤面)。

 

 お、俺は中二病じゃないからな!!!(焦燥)。

 

 うぅ~、負けね~ぞぉ。

 

 

 「常闇の使者よ、球となれ! ダークボール!!   地獄に集いし魂よ! その姿を示せ!! ダァークボォール   暗黒よ時は満ちた!! 我が手に力を!!! ダァーークゥボーーォル   暗寧の苦痛!!! その闇を示せ!!! ダァッークボォォーーールゥ」

 

 

 

 

 

 ―1時間後―

 

 

 

 

 

 「…………………(あん)集球(しゅうきゅう) ダークボール」 

 

 

 俺の手の上に、暗さを凝縮したような靄がポポポポッっと集まり出した。

 

 これで成功。俺はダークボールを修得した。

 

 

 …………、

 

 …………………、

 

 ………………………、

 

 ……………………………こんだけ?。

 

 ………俺が、あんだけ叫びまくった恥ずかしい呪文、意味無し?。たったの漢字3文字って、まじ?。

 

 ………泣いて、いいよね。

 

 

 

 こうして、小一時間に及ぶ検証の結果。ダークボールの詠唱と、未知の詠唱を当てはめるコツを掴み、俺の黒歴史が厚さを増す成果(?)となった。

 

 



 

 この異世界はベリーハードモードなので、都合良く呪文が頭に浮かんだりしません。

 よくある異世界物の作品みたいなご都合主義が無いのだぁ~。

 

 ちなみに、アークはぼっちだから知りませんが、ストーンサークル跡地に残った大多数の人達は、βテスターさん達のお陰で呪文に困っていません。

 

 アークがそれを知るのはいつになるのやら。( ̄▽ ̄;)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ