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 『こんにちは、異世界にようこそ。皆さん』

 

 

 

 何処からか声が聞こえた。

 上から?横から?

 わからない。周囲を見てもそれらしき人物は見当たらない。

 

 ん?

 

 そこで違和感。

 

 何と言い表せばいいのやら。なんか、周囲の人達がやたら美形揃いとゆうか。それも日本人じゃなさそう。  それに服装もデザインが大体いっしょで、何処かの制服かと思ったが、それにしてはやたらシンプルでラフな感じ、多分私服だと思われる。

 似たような私服を着た外国人の集団……駄目だ、余計訳が分からん。

 

 取り敢えずさっきの声は日本語だったので、何処かに日本人がいるはず。

 

 探そう~と思い、一歩踏み出した所で、また違和感が。

 

 今度は自分の脚。なんかスースーする。

 

 自分の体を見下ろすと自分も周囲の人達と似たり寄ったりな服を着ていた。なんで?

 

 でもって、スースーしていた原因だが、足首までの伸びる白い腰布の両側に深いスリットが入っていた。その腰布の下にズボンの類いは履いていないようだ。

 ………………これスカートじゃね?、俺は男だぞ?。

 

 もはや色々ありすぎて、男なのに女の格好をしていることにたいして羞恥心を感じきれない。

 

 それに俺の肌やたら黒くね?と思いつつ、これ等の事態に妙なデジャヴを感じ不快になっていると――

 

 

 

 『此度において皆さんをお呼びしたのは他でもありません、』

 

 

 

 また声が響いた。やたら透明感があって耳通りのよすぎりる女性の声。

 でもどんなに耳を澄ましても発生源が解らない。頭の中に直接~、とかじゃなくて、確かに音が耳に届いている、それなのに音源が辿れない。耳掃除は昨日したはずだから聴覚は良好なはず。

 ならば、この一帯の空間そのものが声を発信しているとでも?

 

 

 

 『この世界に新な風を吹き込んでほししいのです』

 

 

 

 風? 意味が分からん。

 

 

 

 『今の世界は安寧を得すぎました、此のままでは緩やかな腐敗ののちに無様に滅ぶでしょう』

 

 

 

 ふ~ん、革命?的なもんかな。

 

 

 

 『そこで別世界の要素をこの世界に招き入れ、世界を刺激し再びかつての活気を取り戻そうと』

 

 

 

 あ~なんだろう、嫌な予感がしてきた。いや、よく考えてみれば、この状況になってから嫌な予感しかしてないや。

 

 

 

 『わたしは別世界の要素としてあなた方をこの世界に顕現させました。

 わたしがあなた方に求めるコトは1つだけ、

 ただひたすら生きてください。

 異界の知識と常識を身に付けたあなた方が生活をするだけで、世界によい刺激になるのです。

 何をしても構いません、どんな尊いコトでも、どんな残虐なコトでも、自らの生きたいように生きてください。』

 

 

 

 …………まさかと思うが。

 

 頬っぺたをつねったら跡が赤くなるので耳を引っ張って見た。

 結論、耳尖ってて長かった。ガチのエルフ耳。あと引っ張ったら痛かった。

 え~、てことは俺今はダークエルフの女の子?(14歳)

 

 ……マジでか。

 

 

 

 『あなた方はわたしが用意したダミーのネットゲームにログインし、この世界でのあなた方の肉体のデザイン――キャラメイクと言うのですね。それが完了した時点でこの世界に顕現させました』

 

 

 

 え"え"え"えぇぇえぇえ"え"ぇ"ぇ~~っ!!!?!??!、うっそあれ偽物だったの? 恐らく存在事態が全部?

 …マジかよ(レイプ目)

 

 

 

 『あなた方の元の世界の本来の肉体はダミーのネトゲを起動したままのパソコンの前に座ったままです。

 ですがご安心を、この世界での一年は向こうの世界での約0.1秒に、結果的に相当します。

 故に、この世界で100年過ごしたとしても、向こうの世界では10秒程度しか経っていないということです。

 ね?、安心でしょ』

 

 

 

 ざけんな。

 

 

 

 『さて、多くの方々が冷静になるにつれ気になり始めたでしょう、元の世界への帰りかた。それもこの場でお教えしましょう。

 まず1つ目は、このわたしの元にたどり着き、直談判し了承を得るコト。

 そして2つ目は、この世界にに座す最上位格の神を一柱でも殺すコト。

 最後に3つ目は、この世界を攻略するコト。

 

 これ等のどれか1つでも満たせば元の世界に帰れるようにし、願いをなんでも1つだけ叶えましょう。わたしのできる範囲で、ですが。

 ただ、わたしは神よりも高位の存在なので大抵のコトは叶えられますよ?』

 

 

 

 リスク高そうだな~。

 

 

 

 『ああ、そうそう、いい忘れる所でした。

 この世界での死は、きちんと現実の死です。

 この世界で死んでしまえば、元の世界の肉体も生命活動を停止するのであしからず。

 

 …それにもし、この世界に永住したくて、何かの間違いで元に戻りたくなかったら、ウインドウ機能のゲームならログアウトボタンのあった所の~、

 ああっと、ウインドウ機能の使い方は、まず左右どっちかの指で空間を裂くような気持ちで縦に振ると半透明のウインドウ画面が空中に現れるから。で、ウインドウ画面は開いた本人にしか見えないし、開いたウインドウ画面は閉じるまで開いた時の本人との距離を保つから。ウインドウ画面の操作方法はタッチパネル式だけど練習すれば目線や思考のみで扱えるようになりますよ。

 ぁ あ~…、 で、 そのウインドウ画面の一番下のコマンドに<永住>ってのが在るから。 そこをタッチして次のページにある<了承>ボタンを確固たる意思でもって押せば、 元の世界での肉体は消滅して名実共にこの世界の住人になれるからね。待ってるよぉ~♪。

 

 では、最後になりますが、皆さんがこの世界を楽しんでくれることを切に願っております。

 

 また会う日まで』

 

 

 

 そこで言うこと全部言ったのか、辺り一帯の空間に充満していた《何か》が急速に薄れていく感じがした。

 

 …と言うか、さっきまでの《何か》かからの一方的な話しに対して、1つばかしすっごく思ったことがあったんだが。

 

 ね こ か ぶ っ て い や が っ た 

 

 えっ? なんなの? えっ、最初あんなにカリスマ性たっぷりだったじゃん。それなのにウインドウ機能の説明に入る頃にはボロボロとボロがでる。挙げ句のはてには一気に喋りすぎて息切れしてるし。

 カリスマブレイク。きっと鳴き声はうー☆だろう。

 

 

 と、ふと気が付く。

 

 あれ?、今の俺の思考、ちょっとした現実逃避じゃね?

 

 いかんいかん、現実から目を背けちゃ駄目だ。

 いや、一番いけないのは、夢だろうと現実だろうと関係なく、《今》から目を背けちゃ駄目だ。

 背けたら最後、待ってくれない《現実》に引き殺される。

 

 例えるなら、あまりの非現実的な現象を目の当たりにして、これは夢だ!って言ってる奴から真っ先に死んでいく死亡フラグ的な。(ガンツ的な)

 

 そうだ、ここが(うつつ)だろうが泡沫(うたかた)だろうが異世界だろうが俺が女だろうが、この意思がある限り、自らの幸福と自由と安全を追及するのだ!!!。

 

 ならまずは安全だ。安全が最優先で欲しい!!。

 と言うより屋根が欲しい。いつまでも今みたいな青空の下は御免だ。

 ふむ、ならば夢はでっかくシェルターが欲しい。

 

 よし、異世界での第一目標は安全(シェルター)に引きこもるコトだっ!!!。

 

 

 こうして俺が1人決意を固め、がんばるぞいっなんて言って小さく拳を握りしめた所で事態は動いた。

 

 

 《何か》が去っていった数分後、

 

 

 ドオォォンッ、と前方の少し先で爆発が起こった。

 

 

 人が沢山吹き飛んで、宙をゴミのように舞うのが、ここからよく見えた。


 

 




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