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 デスゲームって、知ってるか?

 

 中身の種類は数あれど、共通するのは扱う(ライフ)が実際の(ライフ)であり、失敗するなり負けるなりすれば死んでしまうと言うこと。

 

 最近ではVRMMO物のデスゲームが流行りだろうか?

 

 だがまあ、俺の生きている時代じゃVR何て技術はまだまだ夢物語の領域。もし、実用化して一般に広まるまでには、きっと自分は初老一歩手前の中年がいいとこだろう。

 

 てな訳で、俺はVRでもない、ましてはデスゲーム何て(えん)(ゆかり)もないクリーンな大手メーカーの新作MMO、いわゆる普通のネトゲにログインした。

 

 サービス開始の遥か前から各所のネット掲示板で話題をさらってきた話題作にして問題作。さぞやログイン合戦も熾烈を極めるだろう―、と思いきやあっさりと入れた。

 

 あれ~?、と思いつつも棚ぼた感覚でありがた~くキャラメイクを開始。

 

 やたら細かいとこまで調整できたからか地味に時間がかかって、気が付けばもう窓の外は夕暮れになっていた。

 

 あ~、此はスタートダッシュは出遅れたなあ~。

 

 と、若干焦りつつも渾身の力作となった自キャラの姿に自然と笑みが零れる。

 もう愛着も湧き湧きだった。子供を思う思う親の気持ちみたいだ、とは言い過ぎだろうか?

 

 そんな自慢の自キャラのステータススペックはこんな感じ。

 

 

 

◆―――――――――――――――――――――――――――◆

名前 アーク

種族 深淵(アビス)ダークエルフ

性別 女

年齢 14

称号 ――

職業 無職


生命力 1110/1110

魂力  700/700

筋力  30

体力  30

敏捷  140

器用  60

魔力  280/280

精神力 135

魅力  710

運   -10 ※闇関係限定 +1000


状態 ――


<能力>

【深淵の瞳】【常闇の皇族】【暗黒星の寵愛な加護】【魔王候補】【樹海の主】【紋章-闇-】【詠唱声帯】【反射魔力】【精霊化】【不老長寿】【才能-統率-】


<スキル>

【闇魔術Lv1】【土魔術Lv1】【精霊魔術Lv1】【補助魔術Lv1】【幻惑魔術Lv1】【魔力強化Lv1】【魔力増加Lv1】【魔力精密操作Lv1】【身体能力強化Lv1】【大剣Lv1】【大槌Lv1】【大鎌Lv1】【アームLv1】【レッグLv1】【格闘Lv1】【突進Lv1】【隠蔽Lv1】【探知Lv1】【毒薬調合Lv1】

 

<控えスキル>

〔・なし〕

◆―――――――――――――――――――――――――――◆



 う~む、何度見てもチートを疑う内容だわコレ。

 

 そもそもスタンダードな種族である『ヒューマン』の基礎ステータスが、生命力と魂力が100で、それ以外は一律10になっており、そこにスキルによる基礎ステータス値の底上げしたものがそのキャラの基礎スペックなのだ。

 基礎ステータス値の底上げと言うのは、キャラ本体や職業にレベルがないこのゲームの仕様で、スキルを育てる事がキャラを育てる事になる。

 例えば、【大剣Lv1】は武器の大剣を扱う為のスキルなだけでなく、生命力を5、体力と筋力を3上げる効果がある。

 この基礎ステータス値の上昇効果は、例えスキルを<スキル>の欄にセットしておかず、<控えスキル>(ここに置かれたスキルは余りとゆう扱いであり効果を発揮しない)に送られても基礎ステータス値の上昇はそのままなのだ。

 そしてスキルのレベルを上げる事でスキルの効果だけで無く、基礎ステータス値の上昇効果も強化させる。【大剣Lv2】に成れば、生命力を6、体力と筋力を4上げるという効果に変化する。

 だからこそ、スキルを手にいれ育てる事が、自キャラを育てることになる、そういったシステムのゲームなのだ。

 

 ちなみに、<スキル>欄に入る数には限りがあれど、<控えスキル>欄は実質無限。なので序盤は一つでも多くのスキルを手に入れて、<スキル>欄に入りきらない分は<控えスキル>に突っ込みまくる――とゆうのが大半のネトゲユーザー達が提唱するプレイスタイルだ。

 

 とはいえ、そんなやり方は序盤でしか通用しそうにないが、それでも俺の自キャラのステータスは異常だろう。

 

 このゲームのキャラの取得内容はギャンブル性が高く、ヒューマン以外のエルフやドワーフ、ドラゴニュートなどといった、本来ゲーム内の転生システムでないと成ることのできない他種族をゲーム開始時のキャラメイクにおいて、ランダムに低確率で取得できる。

 基本的にはヒューマンのほうが<スキル>欄の数が多いのだが、他種族にはステータスの種族補整――エルフなら敏捷と魔力と魅力、ドワーフなら筋力と体力と器用に補整――が入る。だが、そのヒューマンご自慢の<スキル>量にも全個体ごとにばらつきがあり、多いものだと10個以上、最低でも5個となっていて、種族と<スキル>欄に不満があれば、初回無料で以降1回300円の課金ガチャ――キャラメイク時のみ使用可能――で新なキャラデータに更新するしかない。

 

 そして俺が課金ガチャを回して手に入れたのが超レア種族である『深淵(アビス)ダークエルフ』だ。

 本来ならヒューマン>エルフ>ダークエルフ>アビスダークエルフ、と転生を繰り返さなくては成れない最上位格の種族で、ネット上ではキャラガチャの出現率は0.01%を下回ると言われたそいつ。そして何と、それを俺は5回目のガチャで引き当てたのだ!!。

 

 さすがゲームの後半クラスの存在なだけあって色々ととんでもない奴だが、中でもヤバいのが<スキル>欄の多さ、その数何と30個。ヒューマンの平均の3倍だ。

 そして選択できる<能力>の数も質も半端無い。

 <能力>とゆうのは、キャラメイク時か転生時に選択できる、アバターの才能もしくは身体的特徴の事――~の才能とか魔眼とか――で、<スキル>欄の枠を一つ消費することで一つ取得可能だ。

 この<能力>は一度セットすると取り外し不可能だが、スキルでは得られない効果を発揮し、使い込むと進化可能性がある。

 また、<能力>はさほど数が無く――スキルは初期の数だけで1000以上あった。――ヒューマン以外の他種族は<スキル>欄が少ない傾向にある代わりに、種族限定能力があるが、それでも選択肢は20を越えない上、能力の初期の効果も微妙なものが多く、手っ取り早くスキルを育てたほうがいいと思ってしまう。(能力にはスキルのようにレベルがなくて、成長度合いがわかりずらい。それにスキルより成長が遅いと言われている。)

 だが、俺の『深淵(アビス)ダークエルフ』の<能力>の選択肢は100個以上。それも幾つかヤバそうな内容の能力があって(魔王候補とか暗黒星とか)、面白そうだからそうゆうのを積極的に突っ込んでいったら、気が付けばとんでもないステータスに成っていた。

 

 ちなみに、大多数の真っ当なプレイヤーならこういったステータスになると思われる。

 

◆―――――――――――――――――――――――――――◆


名前 

種族 ヒューマン

性別 

年齢 

称号 ――

職業 無職

生命力 115/115

魂力  300/300

筋力  36

体力  48

敏捷  15

器用  15

魔力  13/13

精神力 26

魅力  10

運   10


状態――


<能力>

【才能-剣術-】【才能-盾術】【忍耐】


<スキル>

【長剣Lv1】【盾Lv1】【格闘Lv1】【身体能力強化Lv1】【補助魔術Lv1】【探知Lv1】【チャージLv1】


<控えスキル>

〔・なし〕

◆―――――――――――――――――――――――――――◆

 

◆―――――――――――――――――――――――――――◆   名前 

種族 エルフ

性別 

年齢 

称号 ――

職業 無職

生命力 105/105

魂力  400/400

筋力  13

体力  10

敏捷  40

器用  33

魔力  38/38

精神力 37

魅力  235

運   10 


状態 ――


<能力>

【精霊の瞳】【森の親族】【才能-精霊魔術-】【才能-弓術】


<スキル>

【弓Lv1】【風魔術Lv1】【隠蔽Lv1】【調合Lv1】


<控えスキル>

〔・なし〕

◆―――――――――――――――――――――――――――◆

 

 

 …………こうして見るとよりいっそう『深淵(アビス)ダークエルフ』の異常さがよくわかる。

 

 このヒューマンとエルフのステータスは俺がアビスを引き当てる前に仮組してみたもので、ガチャを新に引いた事でデータは消えている。

 このゲームはアカウント1つにつきアバター1つなので新しいデータに上書きされるのだ。

 

 しっかしまあ、我ながらよく当てたもんだとしみじみ思う。一応、予算は3000円あったが気に入らないものばかり出ていたら全部使いきっていただろう。

 1500円でこのキャラ性能とか超お得だろ。大金星。

 

 さて、たっぷり準備もしたことだしいよいよゲームを始めますか!!。

 ふっふっふっ、明日は休日、完徹の準備もバッチリ。

 

 いざっ、ゲームスタァーートォ!!!

 

 

 

 気が付けば視界が真っ暗に成っていた。

 

 は?

 

 そして、意識から零れ落ちるように暗闇が晴れ、視界が元に戻った。

 

 いや、それは正確ではない。確かに視界は開けたが眼前の景色が全然全くこれっぽっちも違っていた。

 

 自分の部屋のパソコンの前じゃなかった、

 

 外だった。

 

 あと視点が低かった。

 

 あと四方八方から感じる人の気配。

 

 1人じゃなかった、という安心感と。人混みは苦手なんだよな、といううんざりとした感じ。

 

 そんな風に思考が詰まったようにうまく回らない。

 

 こんなときなのに、いや、こんな時だからこそ。

 

 訳が分からん。

 

 そうしているうちに本格的に混乱してきて、意識が遠くなりかけたとき――、

 

 

 

 『こんにちは、異世界にようこそ。皆さん』

 

 

 

 何処からか声が聞こえた。



 この作中のゲームのタイトル考えてなかったので募集中。

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