99話:続々と現れる敵
(!あの猫耳…!)
トレイシーは、顔の表情が険しくなっていた。
「ここは私に任せて!あの女は私がこ…いや、倒すわ!」
「何言ってるにゃ?誰一人として、ここから通すわけにはいかないにゃ。」
No.8が人々―No.8はそれをゾンビと呼んでいる―の隊列を整理しながら言った。それを聞いた中原が言った。
「どうやら、簡単な相手ではなさそうだな。」
「お前たちは確実に仕留めるにゃ。」
No.8は冷たく言い放った。すると、トレイシーが返す。
「それはこっちのセリフよ…」
どうも、No.8と出くわしてからトレイシーの様子がおかしい。かなり殺気立っていた。
「おい。トレイシー、やけに殺気立っているな。知り合いか?」
中原が棺を出現させながら言った。
「仇ってやつよ…それ以上は聞かないでちょうだい。」
No.8は笑っていた。
「仇?…何かしたかにゃぁ?」
No.8はしばらく笑っていた後、ゾンビたちに命令した。
「いくにゃ!ゾンビども!まずは第一編成:ゴールドフィンガー!」
ゾンビは規則的な隊列を組みながら、3人に襲いかかる。中原は、棺を出現させ、ゾンビを閉じ込める。
(多いな!ゾンビども!)
トレイシーはNo.8の心拍を下げるため、集中している。しかし、それをゾンビが邪魔してくる。
「くっ!邪魔ね!」
トレイシーに近づくゾンビは、七郎次が倒していた。
「トレイシーさん!こいつらは僕に任せてください!」
「ありがとう。助かるわ。」
トレイシーは再び集中し始めた。No.8は、ゾンビに指示をしながら3人の行動を見ていた。
「コフィンテイカーにハイレッグかぁー。あの女は何を使うんだにゃ?」
倒せど倒せど、ゾンビの数が減ることはない。ゾンビは規則的にやってくる。中原と七郎次は、ひたすらゾンビを狩っていた。
1階部分を探索していた菊千代たちも、五味川茉莉を見つけ出すため、アダムス、五郎兵衛の班と菊千代、智子、久蔵の班に分かれていた。
アダムスと五郎兵衛がしばらく走っていると、2人の人影が見えた。それは、兆能力ファイトクラブに参加していたミスターYとスモーキー石田であった。
「通さないぜ。ここは。」
「マリアンヌ様に手を出す不貞の輩は、俺たちが許さない!」
スモーキー石田が白い煙を発生させた。アダムスと五郎兵衛はそれにむせ始める。また、煙が白いため、前が見えない。
「これは...白い煙を辺りに発生させる『ホワイトスモーク』ですね!」
2人が立ち往生しているところに、砂が飛んできた。
「!砂!?」
2人は、砂が目に入ってさらに前が見えなくなる。また、アダムスには小豆が飛んできていた。
「痛い!痛い!小豆!?」
五郎兵衛が目を拭いながらコレクターを発動して、煙を引き寄せる。すると、砂や小豆を飛ばした犯人たちの姿が現れた。それは、砂かけ婆と小豆洗い…つまり妖怪であった。
「妖怪を召喚する『妖怪召喚士』か…!」
「!妖怪ども!あいつらを殺せ!」
ミスターYが妖怪を使役しようとしたそのとき、煙が立ち込めた。五郎兵衛が反射蒐集壁でミスターYに向けて煙を発射したのだ。
「ぐぇ!前が見えねぇ!」
「島田さん、お互い倒れないように善処しましょう。」
「ああ!敵たちを調理開始といくよ!」
アダムスが紫色のオーラをゆらゆらさせていた。
菊千代らの班では、久蔵が召喚した恐竜・ユタラプトルが、嗅覚をもとに人の多い場所を探していた。
「どうやら、この先に構成員がうじゃうじゃいるらしい。ってことは、五味川茉莉がいる可能性が高いな。」
久蔵がユタラプトルの頭を撫でながら言った。
「わかった!センキューベリーマッチ!行くわよ!皆!」
菊千代が率先して先に進んだ。皆もそれに続く。
しばらく進んでいると、目の前に白い猫が現れた。
「にゃー。」
「かわいい!猫だわ!」
それは、SOCIOLOGIのNo.1・オーベルハウザーが膝に乗せていた猫であった。しかし、菊千代たちはそれを知る由もない。普通の猫だと思い、近づいたそのとき、
「ふしゃー!!」
人間をも恐怖に陥れるような威嚇をした。菊千代は思わず後ずさりした。その猫は紫色のオーラを出現させている。
「嘘だろ…?猫が兆能力を持っているなんて聞いたことがないぞ!」
「それも、レベル3だよ!自分の兆能力を自在に操れる証拠だ…」
久蔵や智子は、驚きを隠せなかった。菊千代は覚悟を決めたようだ。
「かわいい猫ちゃんだけど、敵である以上加減はできないわ。」
そう言って、菊千代はダーツの矢を出現させていた。




