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兆兆発止  作者: ぱんろう
精鋭暗殺部隊来襲編
90/150

90話:2種類の液体

「!」

五郎兵衛は反射蒐集壁で、ライオンの液体をデュルケームらにめがけて発射し、飛んできた別の液体を引き寄せた。

「危ねぇ!」

ライオンが反射された液体をかわす。その液体は、近くにあったあらゆる物体を溶かしていた。

「…!…なんでも溶かす液体を生成する『覇王水』か!五郎兵衛!…その液体が何かわかるか!?」

デュルケームに目を合わせないようにしていた雄康は、ライオンの兆能力を特定した。そして、五郎兵衛がコレクターした液体についても分析しようとした。

「これですか!?とても澄んだきれいな水です…試しに反射してみます!」

そう言って、五郎兵衛は水をライオンにめがけて発射した。

「危ねぇ!なんか俺ばっかり狙われてないか!?」

その水は、地面についた瞬間激しく燃え、そのまま消え去った。

「!…『拝聖水』だ!…触れた瞬間に燃えるぞ!」

「おやおや、とんでもない兆能力博士がいたもんだ。私たちの兆能力があっという間にばれてしまったよ。」

デュルケームがやれやれといった感じで言った。横にいたゲルフが笑っている。

「兆能力勝負は、ばれてからが本番ですぞ!」

ゲルフが紫色のオーラを発しながら、聖水を生成する。

「無駄ですよ…何度やっても。」

五郎兵衛が眼鏡をくいっと上げる。

「ふふ。レベル2のコレクターごときが…レベル3の拝聖水をなめるな!」

聖水が五郎兵衛のもとに向かっていく。五郎兵衛はそれを引き寄せるが、量があまりにも多い。引き寄せきれていなかった。

「ま、まずい!」

聖水に飲まれそうになったとき、「永」が飛んできた。


挿絵(By みてみん)


「永」の②勒が五郎兵衛を引っ掛けて、そのまま智子のもとに飛んでいった。五郎兵衛が立っていた位置には聖水が飛びかかり、激しい炎をあげていた。

「大丈夫?」

「ええ、なんとか…ありがとうございます。」


「ゴローちゃん、助かってよかった!」

「こらこら、よそ見はダメだよ?」

「!」

アダムスが五郎兵衛の安心をしていたとき、懐にデュルケームが潜り込んでいた。動揺したアダムスは、ついデュルケームの目を見てしまった。

「しまった!」

「君は、高い崖から飛び降りて、自殺するのが似合いそうだ。そうしなさい。」

「!」

周りにいた皆が焦燥した。アダムスはしばらくぼーっとしていたが、じきに口を開いた。

「そうだな。死んでくるよ…」

「!しっかりしろ!アダムス!」

周りの制止も聞かず、アダムスはどこかに向かおうとする。すると、糸がアダムスに絡まった。伊里のストロング・ストリングだ。

「アダムスはうちが止めとく!」

伊里はアダムスの目を見て驚愕した。

(!なんちゅう目しとんや!)

アダムスは、死んだような目をしてどこか遠くを見ていたのである。

雄康が叫んだ。

「…完全催眠は使い手を倒せば解除できる…!皆、集中的にあの男を狙うんだ!」

それを聞いたみつねは、クラウチングスタートの姿勢をとるが、あることに気がつく。

(!聖水や覇王水が辺り一面に!これじゃあ、迂闊に行動できない!)

「僕の出番だね!」

「私の出番よ!」

七郎次は兆能力を発動させ、蹴極足裂破を使った。同時に、智子が①側によって、一画目の点を銃弾のように発射していた。それらはデュルケームを狙っていたが、2種類の液体がデュルケームを防御した。

「!」

「俺たちの液体は、防御にも使えるんだなぁ!」

ゲルフとライオンはそれぞれ液体を発生させ、辺りに散らす。覇王水は、あらゆるものを溶かし、聖水は激しく燃える。五郎兵衛が可能な範囲で引き寄せるが、やはり全ては難しい。メンバーの行動範囲は限られていた。

それぞれがそれぞれの兆能力で防御しながら、デュルケームを攻撃しようとする。しかし、真剣を持っていない雄康は、何もできない。

(...刀を中原首都警部に預けたままだ...!...今の俺はただの荷物だ...!)

どうしようもないと思ったとき、伊里の糸が雄康を捉える。糸はそのまま伊里の方に引き寄せられた。

「園田はん、うちの側におり!うちが守ったるけん♪」

「…すまない…頼む…」

伊里は明るい表情をしていた。七郎次は対照的に暗い表情をしていた。

「伊里!僕もハイレッグだけで身を守れるか不安だ!」

「あほ。蹴極足裂破でなら、かろうじて守れるやろ。」

善俊は辺りを見回していた。

(くっ!皆自分の身を守るので精いっぱいだ!辺りは危険な液体が散らばっているし、動けない!)


すると、一人の男が口を開いた。

「やれやれ、どいつもこいつも…」

久蔵であった。久蔵は一枚のカードを掲げ、声高に言った。


「プテラノドンを召喚!」


カードが光り、翼竜・プテラノドンが出現した。


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