87話:リベンジ暗殺部隊
(おやおや、皆勢ぞろいじゃないか。これは狩るチャンス!)
十兵衛らを尾行しようとした、そのとき、
「待ちなさい。No.4。」
No.4は後ろから声をかけられた。そこにいたのは、No.7であった。
「No.4じゃないか。どうしたんだい?」
「警告だ。」
「警告?」
「そうだ。あいつらには、お前一人で勝てないというな。」
「なんだって?」
No.4はにこやかな表情をしている。間髪入れず、No.7が言った。
「手を組むぞ。No.4…いや、カール・ウェーバー!」
「!…手を組む?もともと僕たちは同じ精鋭暗殺部隊なんだろ?」
No.7の意外な提案に少し驚くも、No.4は笑いながら返した。
「それはそうだ。だが、向こうのチームと私たちのチームでは明確に違うところがある。」
「ほう?」
「『結束力』だよ。ウェーバー。」
「!」
No.7から意外な言葉が出てきた。No.4―ウェーバー―はしばらく呆気にとられていたが、そのうち大笑いした。
「結束力だって?君らしくもないね。No.7。」
No.7はしばらく間を置いて、口を開いた。
「No.5、ランビナント・センがやられた。」
「!」
ずっとにこやかとしていたNo.4の表情が変わった。
「なんだって…?あのNo.5が…?」
(まさか、あの後か…?あいつらがやったというのか!?)
「私だって驚いているさ…あのNo.5がやられてしまうとは…そうなったのも、あいつらが数人がかりで相手をしたからだ。」
No.4はしばらく考えこんだ。No.4は公園でNo.5と対峙したときのことを思い出す。あのとき、自分の勝手な行動があって、No.5を振り回してしまった。そう思ったNo.4は決心した。
「わかった。No.5の死は僕の責任でもある。やろう、No.7、いや、、ゲオルグ・デュルケーム」
No.4とNo.7、もといウェーバーとデュルケームは握手をした。
そこに2人の男が近づいてきた。2人とも、身頃が青いクレリックシャツを着ている。
「話は聞かせていただきました。どうか、私たちにも協力させてください。」
「え?誰?」
ウェーバーが困惑している横で、デュルケームが驚いていた。
「君たちは、聖マリアンヌ教団の精鋭戦闘兵…!なぜこんなところに!」
「ええ、私がゲルフ、横にいるのがギベリンです。No.1より、精鋭暗殺部隊に手を貸せとのご命令をいただきました。マリアンヌ様に手出ししようとする輩は、排除せねばなりませぬ。」
「これは、嬉しい助け舟だ。」
2人は聖マリアンヌ教団の精鋭戦闘兵2人を歓迎した。そこに、別の2人組が近づいてくる。
「俺たちも加えろよ。」
「え?誰?」
今度は、デュルケームが困惑して、ウェーバーが驚いていた。
「君たち、兆能力戦闘訓練を実施した、中東のテロリストじゃないか!なぜここに?」
「あんたらのボスに用があってな。その帰りに温泉でもと思っていれば、あんたがいたんだよ。それより、面白そうな話だ。訓練のこともあるし、協力させてくれ。俺はノア、こいつはライオンと呼ばれている。」
ウェーバーたちは何も言わず頷いた。こうして、様々な人間が入り混じった五味川茉莉救出メンバー暗殺部隊が改めて結成された。
そんなことも知らずに、メンバーはゆったりと温泉に浸かっていた。
「ね、ねぇ、園田君。」
「…ん?」
温泉に浸かっていた七郎次が、雄康に声をかける。
「君って、伊里のこと、どう思う?」
「…どうって…何が?」
「あ、いや!なんでもない!いい湯だよね!」
「…?」
近くで湯にどっぷり浸かっていた善俊だが、暗い顔をしている。不思議に思ったアダムスが尋ねる。
「せっかくのいい湯なのに、晴れやかじゃないね。彼のことかな?」
「…うん。本当にいいのかなって。」
曇らせた眼鏡をくいっと上げながら、五郎兵衛が言う。
「川路さん、私たちはチームでやっています。自分勝手な行動は、チームのバランスを悪くする…仕方のないことだと思いますよ。」
「それに、彼のことだ。何か考えでもあるんじゃないか?実は、どこかに潜んでたりして。」
「!」
善俊は辺りを見回す。アダムスがくすっと笑った。
「冗談だ。まあ、彼にいい報告ができるように、頑張ろうじゃないか。」
「…そうだね。」
善俊は暗い表情のまま温泉から上がるのであった。
一方、女湯では、智子以外の女性メンバーが入浴していた。智子は疲れのあまり、部屋に入ってすぐに眠りについたのである。女性の同期は智子としか会話していなかったみつねにとって、気まずい空間であった。
(こういうのって、声かけてもいいのかな?でも、ゆっくり浸かりたい人かもしれないし…)
みつねは同期である伊里の顔をじっと見ていた。すると、伊里の方から声をかけてきた。
「あの、うちの顔になんかついとる?」
みつねはそれに驚いた。
「ひえっ!?あ、えーと、すごく落ち着いた様子で入浴するなぁって思って…」
「ふふっ。何それ。」
その後、2人は打ち解けていったようだ。温泉から上がって、部屋に戻る途中も談笑していた。
しかし、そんな女性陣についていく3人の怪しい人影があった。ゲルフ、ノア、そしてデュルケームである。




