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兆兆発止  作者: ぱんろう
精鋭暗殺部隊来襲編
86/150

86話:Ζへの道

「秀助…お前、どこでそれを…!」

秀助は全て話した。十兵衛との出会い、首都警察になったこと、そしてレベルΖ(ゼータ)を知った経緯など全て。

「事情はわかった。だがな、秀助、俺はそんなことのために、お前の旅を認めたんじゃない。母を探すと言ったから、旅を認めたんだ。」

「だから、そのためにレベルΖが必要なんだ!頼む!教えてくれ!」

秀助は頭を下げて頼み込む。勝はそれでも断ろうとする。

「頼む!この通りだ!」

秀助は土下座までした。

「何がお前をそうさせるんだ…」

秀助は頭を上げて言った。


「母を助けるためには仲間の力も必要だ!そして、その仲間を守るためにも、レベルΖ(ゼータ)は取得したいんだ!」


「仲間…だと?」

秀助から意外な言葉が出てきて、勝は驚いた。身寄りもなく、自分以外を信じようとしなかった秀助が、「仲間を守る」と言った。勝はそれに心を打たれたようだ。

「そうか…お前がそんなこと言うなんてな…」

それは子の成長を実感した親のようだ。

「無色オーラや壱極集中を教えなかったことも許す!だから、この通りだ!」

「それは別にいいじゃないか…」

勝はしばらく間を置いて言った。

「…わかった。ただし、やるからには、本気だぞ。」

そう言って、勝は表に出た。嬉しそうな顔をしながら秀助もそれに続く。

「レベルΖ(ゼータ)を習得する方法は、俺もよくわかっていないのが正直なところだ。なんせ、そこまでは教えてもらえなかったからな…だが、確実に言えるのは、レベルΖ(ゼータ)とは別の大技を習得する必要がある、ということだ。これを『Ε(イプシロン)技』と呼ぶらしい…これの習得することがこの修行のゴールだ。実戦でやるから覚悟しろよ。」

Ζ(ゼータ)の前だからか?安直なネーミングだな…それなら、あるぜ。」

そう言うと、秀助は芥小町をお披露目した。塵の塊が発射される。勝はそれを感心した様子で見ていた。が、勝は芥小町の軌道上に立ち、分解させた。

「な!」

「確かに悪くない技だ…だが、大技ではないな。」

勝は散らばった塵を見ながら言った。

「兆能力で発生したものを分解させる『婆羅芭螺(バラバラ)』…相変わらず強いな、師匠。」

秀助は頭をかきながら言った。

「いいか、秀助。レベルΖ(ゼータ)使用時、オーラがとてつもなく大きくなる。オーラを大きくするためにも、Ε(イプシロン)技が必要になるんだ。」

「!」

秀助は、フェルナンド伯爵がレベルΖ(ゼータ)を使用したときを思い出す。

(確かにあのとき、オーラが大きくなっていた...)

勝が腕を組みながら、秀助を見つめる。

「秀助、この修行では、俺を殺す気でかかってこい。」

「!」

秀助は動揺する。勝は続けた。

Ε(イプシロン)技にしろ、レベルΖ(ゼータ)にしろ、もともと戦闘向けに生み出された技術だ。それも、人を殺すためにな。殺す気でなければ習得できない。さあ、こい!」

こうして、Ε(イプシロン)技、そしてその先のレベルΖ(ゼータ)を習得すべく、秀助の過酷な修行が始まるのであった。

秀助は塵を集め、勝めがけて発射する。しかし、勝はそれを容易に分解した。

「殺気がこもってないぞ!秀助!」

勝が怒鳴る。

「んなこと言われたって、できるかよ!師匠と殺す気で戦うなんて!」

秀助は苦い表情で言う。秀助にとって勝はただの師匠ではない。それ以上に、母が失踪して以来の育ての親だった。攻撃を続けても、殺気を込めることは到底できなかった。勝はそれを叱責する。

「甘ったれるな!母を、仲間を助けるために必要なんだろ!?」

「!」

秀助ははっとする。それでも、すぐに実行することなどできるはずもない。しばらくは、普通の攻撃が続くのであった。


一方、十兵衛ら五味川茉莉救出メンバーは、長い時間バスに揺られ、目的地の温泉街に着いていた。そこは、人々で賑わっている。

「ミスター・リード首都警総監、本当にこの近くに、SOCIOLOGIの本拠地があるのでしょうか?」

中原が聞いた。

「意外かもしれないが、そういうところにこそ、大事なものが隠されているってものさ。さあ、指示があるまでは、あそこの旅館に滞在してもらうぞ。」

十兵衛はある旅館を指差しながら言った。それはかなり風情のある、老舗の旅館であった。皆はそれに少し浮かれた様子で向かっていくのであった。

「すごいなぁ。まるで修学旅行に来たみたいや。温泉は混浴なんかな?」

「こ、こ!?」

伊里の発言に、七郎次がわかりやすく動揺した。

「冗談や。」

メンバーは和気あいあいとしていた。

「敵の本拠地に乗り込むというのに…」

善治が呆れた様子で言った。

「でも、ずっと厳かな雰囲気も嫌じゃない?ミスター・リードは、きっとリラックスしてほしいのよ。特に、秀助君のこともあるしね…」

隣にいたトレイシーが呟くように言った。善治はそれを聞いて、神妙な表情になった。そしてそのまま、旅館の方に向かっていくのであった。


その一行を、一人の影が近づいていた。No.4である。


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