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兆兆発止  作者: ぱんろう
精鋭暗殺部隊来襲編
81/150

81話:変幻自在

No.5は宙に浮き始めた。

「!パイロキネシスでも、雷之為神でも、ウインドユーザーでもない!?」

アダムスが驚く。No.5は宙に浮いたまま、あぐらをかき始めた。そして、独特なポーズをした。すねとすねを重ね合わせた坐臥をし、体を前方に倒している。それを見て、五郎兵衛があることに気がついた。


「あれは、薪のポーズ、アグニスタンバーサナですよ!」


「アグニ…なんだって?」

善俊が困惑しながら聞いた。

「ヨガです!ヨガ!それのポーズです!」

「なんにせよ、危なそうだ!」

アダムスが包丁を出現させ、アグニスタンバーサナのポーズをしていたNo.5めがけて発射した。しかし、No.5はそのポーズの状態でかわした。

「!それで、かわせるのかよ!」

No.5はポーズを維持して、目をつむっていた。瞑想をしているかのようだ。しかし、次の瞬間目を見開いた。すると、炎の弾がNo.5の背後から飛んできた。

「!」

五郎兵衛がコレクターを発動し、炎の弾を集める。

「お返しします。『反射蒐集(はんしゃしゅうしゅう)(へき)』!」

五郎兵衛の技、反射蒐集(はんしゃしゅうしゅう)(へき)は、引き寄せたものを発射し返す。炎の弾はNo.5のもとに向かっていく。No.5はポーズを変えながら、それをかわした。

「今度はなんのポーズだ!?」

No.5は、足の裏をくっつけた坐臥をし、手を合わせている。

「ヴァジュラーサナです!雷のポーズ!」

No.5が目を開くと、雷が落下してきた。3人はそれぞれかわす。

「ヨガのポーズに合わせて攻撃をする兆能力か…聞いたことないね。」

善俊が雷をかわしながら言った。

(何よりも、ビジョンジャックが使えない。彼は基本目をつむってしまう。)

善俊は、アダムスや五郎兵衛のように遠距離で攻撃するのは難しい。だからといって、懐に潜り込んで戦える相手ではなさそうだ。善俊はただ攻撃をかわすことしかできなかった。そうしている間にも、No.5は別のポーズをとっていた。それは、猿神のポーズ、ハヌマナーサナだ。両足を前後に開き、合わせた手を挙げていた。

「今度は、猿でも呼び出すつもりですかね!?」

結論から言うと、そうであった。しかし、3人が想像していたような可愛らしい猿ではなく、体長およそ10mにもなる巨大な猿であった。3人は愕然としていた。

(想像してたのと違う!)

猿はその巨大な手を3人に振りかざした。3人はそれをかわす。しかし、五郎兵衛がかわした先に、No.5が新たなポーズをしていた。

「!」

「お前は、どうもヨガに詳しいらしい。標的でもないし、攻撃が読まれてしまう以上、邪魔な存在だ。」

そう言っているNo.5は風を放つ、ヴァーユ・ニシュカサナのポーズをとっていた。すると、強風が吹き、五郎兵衛は遥か彼方へ吹き飛ばされていった。

「五郎兵衛君!」

善俊が五郎兵衛の方を見るが、猿が攻撃してくる。

「くっ!」

善俊はビジョンジャックを発動し、猿の視界をジャックした。そのまま猿の死角に潜り込み、壱極集中のパンチをぶつける。

「ぐぉぉぉぉ!」

猿は痛みに苦しむが、それでも倒れる様子はない。

「固いね…壱極集中なら象や熊くらいは一発で倒せるんだけど…」

猿は辺りを見回して善俊を探す。だが、真っ先に目に入ったのはアダムスだ。猿はアダムスにハエを叩くように、手を振りかざす。

「近づくな。」

アダムスはただじっとしていた。すると、猿は振りかざす手を止めた。そして、猿は、あちち、と言わんばかりに手を振っていた。

「ふむ。兆能力範囲の温度を急激に高める技『ブロードボイル』か。」

アダムスはブロードボイルという技によって、猿が近づけないようにしていたのだ。この技は、兆能力範囲の温度を100℃近くにまで上昇させる。料理における茹での技だ。

(通常、茹でるという作業は食材を柔らかくするために行う…ブロードボイルは、同様に敵の体を柔らかくすることができる!)

アダムスは、猿の手に壱極集中のパンチをぶつけようとした。が、そのとき、アダムスはNo.5の不穏な動きをしていたのに気がついた。

No.5は再びヴァーユ・ニシュカサナのポーズ(風を放つ)をとろうとする。しかし、アダムスは包丁を投げてそれを阻止する。

「おっと、そうはいかないよ。」

「手際がいい料理人だな。」

No.5はそれをかわす。

「でも、周りをもっと見た方がいい。」

すると、善俊がアダムスめがけて飛んでくる。どうやら、猿に掴まり、そのまま投げつけられたらしい。

「としちゃん!いつの間に!」

(さっきまで、俺が相手していたんだよ!?一瞬のうちに対応するとは、なんて素早い猿なんだ!)

アダムスはそれを受け止めるが、その隙をついて猿が回し蹴りをしてくる。もうダメかと思ったそのとき、遠くから水が勢いよく噴射され、猿の動きを止めた。その場にいた皆が噴射してきた方向を見る。


「よくも…よくも俺の弟に攻撃してくれたな…」


そこに立っていたのは、善治とトレイシーであった。


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