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兆兆発止  作者: ぱんろう
精鋭暗殺部隊来襲編
77/150

77話:消えたガソリン

しばらく車を走らせていると、中原があることに気がつく。

「あれ?ガソリンがやばい…」

ガソリンがエンプティ状態に近づいていたのである。すぐに、近くにあったガソリンスタンドに車を入れた。中原の車をつけていた車も同じガソリンスタンドに入る。

「おかしいなぁ。本部を出発する頃は結構あったんだがなぁ。」

ノズルを給油口に入れて、ガソリンを入れる。しかし、どうも入っている様子がない。店員を呼んで確認してもらう。

「おかしいですね…ノズルが壊れている様子もありませんし。タンクを見てきますね。」

そう言って店員はタンクを見に行った。しばらくすると、焦った様子で店員がやってきた。

「すみません!タンクのガソリンがなくなってました!」

「え!そんな!」

「すみません…でも本当におかしいですよ…ついさっきタンクローリーで補充したはずですが…」

「!」

中原が辺りを見回した。車で待機していた善俊が、窓から顔を出す。

「どうしたんですか?」

「車から出るな。何かおかしい。」

中原はガソリンスタンドに停まっていた車のドライバーに声をかけ始めた。そのうちの一人が、中原をつけていた車のドライバーである。

ついに、中原がそのドライバーの乗っている車に近づく。ドライバーは車の窓を開けて、中原の聞き取りに応じた。

「突然声をかけてすみません。首都警察の中原といいます。」

中原は首都警察手帳を見せて言った。

「どうしました?」

そのドライバーは日本人ではなさそうであった。

「いや、どうも少し様子がおかしくてですね…」

「何があったんです?」

「はい。ガソリンが枯渇しているとのことなんですよ。」

「はぁ。どうりで給油できないわけだ…」


「それで…私は、石油を自在に操る兆能力『ペトゥロリアムムーバー』の使い手が周辺にいると睨んでいるんです。」


男の目の色が変わった。中原は続けて言った。

「身分証明書を。」

男は身分証明書を取り出し、中原に渡した。

「レオン・ランドリューさん…しばらく、お待ちください。兆能力情報の照合をします。」

中原は車に戻り、3人に言った。

「しばらく時間がかかりそうだ…店内で待ってもらおうか。」

中原は車に乗り込み、預かった身分証明書を照合しようとした。

「ふーむ。この人の兆能力は…と。」

中原が情報の照合をしていると、後ろから強烈な石油臭がした。振り返ると、車からガスがあふれている。危機を感じた中原は、すぐさま車を出た。車を出た瞬間、大爆発が起きた。

「!!」

店内にいた3人が驚く。

「中原首都警部!」

3人は中原のもとに駆け寄る。中原は衝撃で吹き飛ばされ、倒れていた。

「しっかりしてください!」

「どうなっている!誰がやったんだ!」

アダムスが辺りを見回しながら叫ぶ。中原がかすれそうな声で言った。

「ペトゥロリアムムーバーだ…この男が怪しい…」

中原がランドリューの身分証明書を善俊に渡した。そしてそのまま、気絶した。善俊は店内に中原を運び、そこで休ませるように店員に頼んだ。

「この男を探すよ!」

3人は店内から、辺りを見回す。それをしながら、アダムスが言った。

「ペトゥロリアムムーバーは、石油を瞬間移動させることができる!さらには、任意のタイミングで着火させることも可能だ!かなり厄介な相手だよ!」

「あっ!」

善俊は身分証明書の写真と同じ人物...ランドリューを見つけた。

「あそこだ!行くよ!」

「待ってください!」

ランドリューのもとに向かおうとする善俊を、五郎兵衛が止めた。

「ペトゥロリアムムーバーの使い手には、むやみに近づかない方がいいです!石油を爆発させる可能性がありますからね!」

すると、ランドリューの近くで大爆発が起きた。まさに、五郎兵衛の言った通りである。大惨事の有様に、人々は逃げ惑っている。

「それじゃあ、どうするの!?」

善俊の問いに、五郎兵衛が眼鏡をくいっと上げて答えた。


「私の兆能力に任せてください。とりあえず、川路さんは消防を呼んでいただけないでしょうか?」


五郎兵衛から青色のオーラが出現していた。


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