64話:顔合わせパーティ
レストランに入店した秀助たちは、広い個室に案内された。
「おおー。広いね。」
七郎次が部屋を見回しながら言った。十兵衛はまだ到着しておらず、メンバーの中で最年長の菊千代が仕切った。
「せっかくだから、最初はメンバーごとに分かれましょ!」
皆言われた通りに分かれ、テーブルにつく。すると、店員がお通しを持ってきた。そのまま、店員に飲み物を注文し始めた。未成年が多いため、ほとんどがソフトドリンクを頼む中、菊千代はビールを頼んだ。秀助がそれを流し目で見ながら言った。
「あんた、酒飲んでも大丈夫なのか?」
「えっ!もしかして、未成年に見えるってこと!?嬉しいわぁ!」
「そういうわけじゃなくてだな…」
飲み物や一品目の食事が行き渡り、乾杯の挨拶をした。
「それじゃぁ、首都警部に乾杯!」
「乾杯!」
飲み物を手に、それぞれのメンバーで食事や談笑を始めた。
「この唐揚げ美味いよ!としちゃん!食ってみ!」
「サラダの方が体にいいですよ。川路さん。」
善俊はアダムスと五郎兵衛の勢いに押され、苦笑しながら言った。
「ははは…どっちも頂こうかな…」
「園田はん、兆能力に詳しいんやって?」
「そうなの?好きな兆能力を教えてよ。」
伊里と七郎次の2人は、どこか落ち着いた雰囲気がある。雄康は比較的喋りやすいと感じたようだ。
「…えーと…好きな兆能力か…それはやっぱり、サイコキネシスだな。おそらく一番有名な使い手はハンフリー・デイヴィッドだが、個人的に好きなのは…」
早口で喋り始めた。伊里はそれに追いつけず、目を見開いていた。
「好きなことになったら止まらんタイプか…」
一方、七郎次は雄康の話に合わせて相槌をうったり、話を広げたりした。
「ははは。わかるよ。サイコキネシスといえば…」
伊里は飲み物を口にし、雄康を見ていた。
みつねは、主に智子と話していた。いや、久蔵が、話しかけるな、と言わんばかりの圧を発していたのである、もともと人見知りしやすいみつねは、声をかけようにも声をかけられなかったのだ。それでも、勇気を振り絞って声をかけた。
「あ、あの…久蔵君?」
「なんだよ。」
久蔵は、料理を口に運ぶのをやめ、みつねの方を見た。声をかけたはいいが、話の内容が思いつかない。
「えーと…久蔵君は、好きな食べ物ってある?」
「は?」
久蔵は呆気にとられた。しかし、
「木の葉丼」
とだけ答え、再び料理を口に運び始めた。一連の流れを見ていた智子がみつねに言った。
「彼はかなり無愛想な人でね…あまり話しかけない方がいいよ。」
「そうなんだ…」
みつねが再び久蔵の方を見る。そんなことより、と冒頭に置いて、再び智子が口を開いた。
「みつねちゃんって、今何歳?」
「え?15歳です。」
智子は小さい体を揺らしながら言った。
「なんで私より年下なのよー!もういい、私も飲む!」
そう言って、智子はビールを注文した。
「えぇっ!?智子ちゃ…さん、成人してたんですか!?」
みつねは、驚きを隠せなかった。
秀助は菊千代と2人きりである。相手は年上の女性。秀助は緊張気味である。そんなこともお構いなしに、菊千代はジョッキを次々と完飲していった。
いずれ、菊千代はテーブルに突っ伏す。秀助が困惑していたところ、十兵衛が到着した。




