63話:精鋭暗殺部隊結成
ある国のある町、以前とは別の場所で、SOCIOLOGIの緊急会合が開かれていた。
No.1が、No.11の訃報を伝える。
「悲しいお知らせだ。No.11ことヴィットーリオ・パレートが死亡した。幹部がやられるとはな。」
No.1は続けて言った。
「しかし、悲しいことばかりではない。五味川茉莉の兆能力が優れていることを、改めて認識できた。五味川茉莉を教祖に仕立て上げ、一つの宗教を作り上げる。その信者を利用して、世界各地でクーデターを実行するという計画だが、着実に漸進している。聖マリアンヌ教団への入信者が確実に増えてきているし、話も広がっていっている。都合のいい駒が増えてきているのだ。No.2、だからこそ、お前の失敗は見逃すのだよ。」
No.2は頭を下げて言った。
「心より感謝いたします、No.1。」
「しかしだ、No.2。兆能力ファイトクラブに潜入した首都警察を排除できなかったことだけはいただけない。この前、一人の首都警察に対して数人の殺し屋を向かわせたが、あっという間にやられた。奴らは必ず五味川茉莉を狙っているし、私たちの計画を知ってしまっている。特にミスター・リード。奴はテレパシーが使えるのだろう?SOCIOLOGIの本拠地も知ったに違いない。なんとしてでも、排除するのだ。」
すると、一人の人物が手を挙げた。No.7だ。
「その件について、私から提案がございます。」
「なんだ?No.7。」
No.7が立ち上がり言った。
「首都警察の暗殺は、私…いや、私たちに任せてもらえないでしょうか。」
「話を聞こう。」
No.1が興味津々そうに聞いた。
「SOCIOLOGI精鋭暗殺部隊の結成を提案します。以前から我々は、離反者や裏切り者排除のため、暗殺部隊を編成してきました。その実力を、首都警部に見せつけてやりましょう。」
「それで、誰がその指揮をとる?」
「相手はNo.11やNo.2を追い詰めています。私、No.4、No.5の幹部3人でやらせてください。」
No.1はしばらく考えこんでいたが、承諾した。
「いいだろう。リソースをどう割くかの権限を委譲する。精鋭の殺し屋たちを自由に使いたまえ。」
No.7は深く頭を下げた。
「感謝いたします。No.1。」
「それでは、閉会だ。各自、これからの奮闘を祈る。」
そう言って、No.1はどこかへ去っていった。No.1がいなくなった途端、No.5が口を開いた。灰色のスーツを着こなし、頭にターバンを巻いている。顔立ちを見るに、インド人のようだ。
「No.7、聞いていないぞ。」
No.4も便乗する。
「そうだよ。せめて、予め相談してほしかったな。」
No.7は2人を見ながら言った。
「すまないな。ただ、早めに動きたいと思ってな。」
「何をそんなに焦っているのにゃ?」
No.8が不思議そうに聞いた。
「あのNo.2が、私に救助要請をしたんだ。それほどの強者、放っておいていいわけがない。」
No.4が、ため息をつきながら、口を開く。
「わかったよ。それで、誰を向かわせる?もちろん、僕が行ってもいいけど。」
「相変わらず考えなしだな。幹部が真っ先に行ってどうする。まずは、SOCIOLOGI腕利きの殺し屋を向かわせるさ。」
「考えなしだって?君も大概だろう。」
No.4とNo.7は見つめ合い、バチバチさせていた。
「はぁ~。相変わらずしょうもないことで争ってるにゃ。」
No.7がNo.8の方を見る。
「いつもNo.1の猫と争っているお前には言われたくないな。」
「はぁ~?だってあの猫がおかしいんだにゃ!私だってNo.1の膝に上に乗りたいにゃ!」
「お前ら、いつもそんな感じだな…」
No.5がため息をつきながら、その場を去ろうとする。
「待て、No.5。もう帰るのか?」
「暗殺部隊の指揮権は私も持っているのだろう?知り合いのタギーに声をかけようと思ってな。」
そう言って、No.5は改めてその場を後にした。
「僕は、SOCIOLOGI精鋭殺し屋で呼びたいのがいるけど、いいかな?」
No.4がNo.7に聞いた。
「もちろん。お前も指揮権を持っている。自由にしろ。」
「わかった!それじゃあ、ニールス&ペーターに声をかけてくるね!」
「ちょっと待て!それは俺が声をかけようと思った奴らだ!」
「早い者勝ちだよぉー。」
No.4はスキップしながらその場を後にした。それを追うようにNo.7も姿を消した。
「騒がしい…俺も帰る。」
一人の男が立ち上がった。ローブを着ており、顔が見えない。
「あ、いたんだ。No.10。」
顔こそ見えないが、No.10と呼ばれるその男は不機嫌になったようだ。近くにいたデイヴィッドに八つ当たりするように話しかけた。
「どうしたNo.2?今日はずっと浮かない顔をしているな。」
「話しかけるな。No.10。」
デイヴィッドは冷たく言い放ち、その場を後にした。
(リード…!)
デイヴィッドは十兵衛への恨み節を心の中で連ねながら、ただただ歩いていくのであった。




