61話:同期メンバー+年配
ある夜、仕事を終えた中原は、帰宅の路にあった。暗い道にさしかかったとき、中原は何者かの気配を感じた。中原は立ち止まって辺りを見回したが、誰もいない。
気のせいかと思い再び歩き始めたとき、後ろから何者かが襲いかかってきた。それは一人だけではない。黒い服を着た男が、3人もいた。
「なんだ!てめぇら!おやじ狩りか!?俺は首都警察だ!悪いことは言わねぇからやめときな!」
3人は中原の警告に耳を貸す気はなかった。むしろ、3人とも青色のオーラを発生させていた。
「てめぇら…兆能力使用違反だ…」
中原は3人の背後に棺を出現させ、あっという間に捕らえた。無色オーラであったため、不意打ちに成功したのだ。
「やれやれ、残業は勘弁だぜ…」
中原が踵を返して職場に戻ろうとしたとき、
「!」
異変を感じた。棺を出現させると、煙が出ていた。3人を閉じ込めた棺を開けると、真っ黒こげになった3人が出てきたのだ。
「これは…急いで報告しなければ…!」
中原は走って職場、つまり首都警察本部に向かっていった。
「というのが、昨日の夜、中原君に起きた出来事だ。」
その場には、兆能力ファイトクラブに潜入していたメンバーが揃っていた。
「つまり、SOCIOLOGIの刺客ってことね?」
「そうだな。報復と口止めが目的だろう。」
十兵衛が重々しく言った。
「中原君だったのが不幸中の幸いだ。首都警察学校を出たばっかりの4人では、多数を相手にするのはさすがに厳しい。」
十兵衛は続けて言う。
「そこでだ、私たちも手を打とうと思う。あっちがその気なら、こっちも乗ってやるんだ。」
「先手だと?」
「ああ。SOCIOLOGIの本拠地がおおよそわかったからな。」
「なんだって!?」
秀助は驚いた顔をした。十兵衛は続けて言った。
「五味川茉莉はそこに囚われている。そこで、五味川茉莉を救出するためのメンバーを結成しておきたい。」
「メンバーだって?今この場にいる人でか?」
「いや、他にもいる。今連れてこよう。」
十兵衛が部屋から出ると、新メンバーを呼び出しに行った。しばらくして、十兵衛が帰ってきた。
「さあ、この7人だ!」
7人の首都警察官たちが部屋に入ってきた。男女男男女男女。
「ああ、君たちは!」
善俊がはっとするような顔をしたが、秀助はピンときていない様子であった。
「誰だ?知り合いか?」
すると、一人の首都警察官がずどーっとこけた。
「おい!俺たちのことを忘れないでくれよ!」
「ごめんなさい。本当に知らないです…」
秀助は他人行儀に言った。
「おい!同期を忘れたのかよ!?ついこないだ警察学校にいたよ!?」
「同期?」
相変わらず秀助はピンときていなかったが、雄康やみつねらも思い出したようだ。
「…修了式にいたな…名前は忘れたけど…」
十兵衛は呆れながらも言った。
「同期の顔ぐらい覚えてやりなさい…諸君、自己紹介してくれ。」
十兵衛に言われて、一人一人が自己紹介し始めた。
まずは、サングラスをかけ、自身に自信がありそうな男。
「島田アダムスだよ!よろしく!」
次に、あどけなさの残る小さい女。
「岡本智子です!よろしくね!」
黒い帽子を被った目つきの悪い男
「鰤崎久蔵…」
眼鏡をかけた、礼儀正しい男。
「飛山五郎兵衛です。どうぞよろしくお願いいたします。」
落ち着いた雰囲気を感じさせる、狐目の女。
「林田伊里。よろしゅう。」
ぼさぼさの髪が目立つ男。
「やあ。僕は播口七郎次。」
他の6人よりかは歳を感じる女。新メンバーの中で、秀助たちの同期ではない人物である。
「諌山菊千代よ!よろしくぅ!」
「無理すんな…ばばくさいぞ菊千代…」
中原が呆れた顔で言った。
「何よ!ムカ着火ファイアー!」
「それをやめろってんだ…」
十兵衛が苦笑しながら言う。
「さて、今、この場にいるメンバーで、5つのチームを組んでもらう。首都警部の諌山君は、秀助と組んでもらおう。ペアだ。」
菊千代は秀助の肩を組んで言った。
「しゅうちゃん!よろしくね!」
秀助は慣れない距離感に困惑しながら返事した。
「…どうも。」




