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兆兆発止  作者: ぱんろう
兆能力ファイトクラブ編
53/150

53話:善治倒れる

「善俊…」

「善俊には会ったことがありませんね。名前は聞きますけど…」

「えっ、そうなのか?まあ、確かに人前に出るのが苦手な子だったからなぁ…」

「そいつの話はしないでください!」

善俊の名前が出た途端、善治は不機嫌になり、仕事の用事ほったらかしで去ってしまった。

「あれ?どうしたんだ?善俊の話はって…なんかあったのか?」

「兄弟仲悪いんですか?」

「いや、むしろ前会ったときは良かったんだがなぁ。まあ、そういうこともあるだろう。そっとしておこうか。」

仕事ほったらかしでその場を後にした件については、十兵衛と中原の計らいによってお咎めなしとなった。しかし、善信の耳には届く。善信は怒髪冠を衝く勢いで善治を叱った。

「善治!どういうことだ!」

「…申し訳ございません…」

「お前は川路の名を背負っていく者だ!ふさわしい行動を心がけろ!次にそんなことしたら、勘当だからな!」

「!」

正直、勘当してくれ、と善治は思った。しかし、厳しいながらも育ててくれた父には心の底から感謝しているのは事実であるし、今更家を出たところで、夢が叶うとも思えない。善治はその後も善信の説教に耳を傾けては謝るのであった。そのうち、父ではなく弟である善俊への憎しみが強まっていった。

「お兄様…」

「話しかけるな。落ちこぼれが…」

善俊は様子が変わった善治に声をかけられなくなった。善俊は、首都警察になれなかった善治の思いを知らない。善治が一人で抱え込んでいたのだ。たとえ家族であっても、打ち明けられない悩みの一つや二つ存在する。しかし、善治の抱えた悩みはあまりにも大きかった。


そのような憎しみ、悩みを抱えていた善治が、No.11の攻撃から善俊を守ろうとした。善治は、2人のNo.11による壱極集中のパンチを、右胸と下腹部に受けた。善俊を守ろうとして、水の鎧を纏う余裕さえなかった。善治はその場で前のめりに倒れる。


「お兄様!!」

「…お前!」


周りが善治を心配する。善俊は善治に駆け寄る。それを、No.11が襲おうとしたが、雄康の真剣によって阻止された。善俊は倒れた善治を抱きかかえる。意識はあったが、かなりダメージを受けていた。

「お兄様!しっかりしてください!」

「…大きい声を出すな…耳に響く…」

善俊は涙を流しながら声をかける。

「お兄様…」

善治は振り絞るように言った。

「…今まで...すまない...俺が悪かった...がはっ!」

「!無理しないでください!...いいんですよ...そんなこと...」


「いいか…お前は首都警察だ…!頭と兆能力を使え…奴を倒すんだ…!」


「!」

そう言うと、善治は気を失った。善俊が必死に声をかける。

「お兄様!!」

No.11と交戦していた秀助が、善俊に声をかける。

「とっしー!おふくろだ!おふくろのところに連れていけ!」

そう、戦いに巻き込まないため離れていたが、少し移動すれば五味川茉莉が重症人を治療しているのである。担いでいっても遠くはない距離である。

「そうはさせるか!」

No.11が邪魔をしてくる。秀助や雄康がそれを防ごうとするが、それでも数の利はNo.11にある。

「くっ!」

善俊は兄が言った言葉を思い返していた。

「!」

善俊はビジョンジャックを発動した。本体を探しだそうとしたのである。

(本体ならば、全体の状況を見渡せる場所にいるはずだ…!)

秀助は善俊の意図を理解したのか、善俊に接近するNo.11を攻撃する。雄康もそれをサポートするように、No.11を容赦なく斬りすてていった。着実に、そして確実にNo.11の分身を減らしていった。

(分身の数が減っている今!本体を見つけやすくなっている!最大のチャンスだ!)

そのとき、No.11の分身が再び出現した。その数24体、善治が予想していた通り、等比数列的に増加してきた。

「嘘だろ…」

秀助らは絶望した。戦う気力がなくなっていき、次第に押されていった。

「ははは!次は48体追加されるぞ!もはやお前らに勝ち目はない!」

本体か分身か、どちらかわからないNo.11が言った。善俊は諦めず本体を探すが、見つからない。秀助や雄康は目の前のNo.11と応戦するのに精いっぱいで、善俊を守ることも難しくなっていった。善俊は本体探しをしながら応戦するも、押されていた。誰もが劣勢にあり、体力が尽きるのも時間の問題であった。すると突然、数人のNo.11が発火した。同時に、数人のNo.11をどこからか飛んできた弾丸が貫く。


「何押されてんだよ。しゅう君らしくないぞ。」


その場にいた全員が、何者かの声が聞こえてきた方を見る。そこにはクリントン・アープと無敵のマスクマンが立っていた。


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